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夢幻水滸伝

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第三話 都へその十五

「戦いはあまりしませんけど回復なら得意です」
「回復役やな」
「そうです、星は人察星です」
 自分の星のことも話した。
「八条学園商業科の一年です」
「商業科の娘かいな」
「彼氏ゲットするのが大変ですにゃ」
「関西弁で猫の言葉入れるんかい」
「あきません?」
「結構あざとい感じするわ」
「こうしたらもてるんちゃうかって思いまして」 
 明るく笑ってだ、弥生は中里に自分から話した。
「あきません?」
「あかんとは言わんけどな」
「ほなこのままいきます」
「ああ、それでな」
「同じ商業科の二年です」
 今度は狸の頭でで商人の服を着た男が言ってきた、夏目と弥生もそうだが手は毛深く人間に近い形だが何処かイヌ科のものを思わせる感じになっている。
「中原修造、地金星です」
「商人やな」
「はい、大坂に大店持ってます」
「それで金を稼いでるか」
「ここの財政と貿易、商売とかやってます」
 その狸の顔で話す。
「戦いはあまり得意やないけど化けることは出来ます」
「狸やからか」
「これ実は夏目さんもですけど」
「そやろな」 
 中里は夏目の狐の顔を見て納得して頷いた。
「狐やしな」
「それで、です」
「狸も狐も化けるしな」
「それは得意ですわ」
「人を化かすのもやな」
「得意です」
 そちらもというのだ。
「神具はどんな難しい計算もさせてくれる算盤や商売の流れを頭に入れてくれる天秤の二つです」
「商売やな」
「はい、そうです」
「まさにそれやな」
「わては商売基本で戦いは苦手ですが」
「術とか使えんか」
「一応錬金術の系統が。それと武器は短筒持ってます」
 戦いについてはそうしたものを使うというのだ。
「大砲も使えます、けれど他は」
「それ位か」
「はい、あまりなんです」
「そうなんやな」
「そやから戦場に立つことはまずありません」
「商売と政治専門やな」
「そうですわ」
 こう中里に話した、己のことを。
「申し訳ないですが」
「いや、商売も大事やしな」
 中里は申し訳なさそうにした夏目に対してすぐにこう言った。
「別に戦だけが世の中やないやろ」
「そやからですか」
「別にええで」
「そうですか」
「それに大砲使えるんやったらな」
 中里はそこに突っ込みを入れた。
「大砲隊作ったらええやろ」
「そこや、実は大砲も造ってるさかいな」
 芥川は笑って言った。 
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