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ハイスクールD×D~黒衣の神皇帝~ 再編集版

作者:黒鐡
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課外授業のデイウォーカー
  移動中の会話×ツェペシュ側の状態と城到着

トレミー3番艦が発進前、アザゼルは盟友である一真と通信してると戦艦で来ると言っていた。モニカ達が居る謁見の間に居たが、急遽エルメとニール達を連れてカーミラ派の端っこの山中に移動する事に。外は吹雪いて目の前は何も見えん状況、ニールとライルは織斑総司令官の命により座標を送った所だな。

「ホントに来るのか?」

「当たり前です。なぜ我らが動いてるかはご存知でしょ」

「私もモニカ様もホントに来るのでしょうか?織斑様を丁重にご案内を頼まれましたが、こちらに浮かぶ船がやって来る事を」

「いきなり戦艦がカーミラ側の領土に出現し、町中の吸血鬼の者達が驚く事は間違いないからです。そこで少し離れた場所でこちらに誘導後、アザゼル総督は戦艦に乗り込んでもらいます。戦艦を見て外敵と判断されてしまうと、我々がここに居る意味がありません。それにエルメ様達の案内よりも戦艦で直接行った方が早いですから」

「ツェペシュ側にはこちら同様結界が張ってありますが・・・・まさか結界があっても入れるとでも?」

「まあそう言う事で、とそろそろ来るみたいですね。戦艦が来たらアザゼル総督は、カタパルトデッキから迎えが来ますのでそのまま乗り込んで下さい」

「分かったが、お前らとエルメはどうするんだ?」

「我々はモニカ様のお近くに居るつもりですし、ツェペシュ側でクーデターがあるのなら。情報によるとツェペシュ側の王がカーミラ側に援助を求めてきましたが、裏では織斑様が密かに保護したらしいですわ」

「その通りです、あちら側からの援助なら貸しを作るのも悪くないとモニカ様も仰っていました」

俺らはしばらく話をしてるとトレミーから通信が来た。ワープ終了後、こちら側に紋章が浮かび上がるそうだが、俺らはそんな事があるのか?と疑問視してたそうだけどホントだ。何処から兎も角出現し、紋章が光輝くと思うと門が開いてトレミー3番艦が微速前進して止まる。ブリッジには俺が居るので、とりあえずニールらに通信をした。

『こちらトレミー3番艦。治安維持部隊の駐在隊員の者よ、聞こえるか?』

「はっ。こちらトレミー真下におります。こちらにアザゼル総督様もおりますが」

『一度俺がそちらに行くから待ってろ』

通信を終わらせるとカタパルトデッキが開き、そこから出て来たのは翼だけ展開した俺。

「待たせたなアザゼル。それと久しぶりだな、エルメ」

「お久しぶりでございます、織斑様。それでは私達は先に城に戻っておりますので何かありましたら、こちらに居るニールとライルに通信を頂けますか?」

「最初からそうするつもりでいる。じゃ行くぞアザゼル、ちゃんと俺に付いて来いよ」

「うむ。と言う訳でお前らも気を付けろよ」

ホントなら蒼太も一緒だが、先にツェペシュ側に居る治安維持部隊と合流する為いない。俺とアザゼルはカタパルトデッキから格納庫まで飛んできて、エルメ達カーミラ側の吸血鬼達はニール達と城へ戻る。敬礼してたが、車に乗り込み戻る様子を上から見ていた。ブリッジではなく皆が居るブリーフィングルームへ案内させると、全員待ってましたとばかりだ。

「それでアザゼル、あっちはどんな状況なんだ?それとラッセ、トレミーをミラージュコロイドとステルスモードに。あちら側の結界内に入るゲートを開け」

『了解した。ツェペシュ側の方に到着したらまた通信を入れる』

「という事でアザゼル」

「ああ。現在こちらは深夜となっている、それも一面吹雪の状態だ。一ちゃん、カーミラ側の城下町を見せてくれないか?」

「了解。ミレイナ『はいです~』現在地はここだ」

床下映像を見ると極寒地帯と言えるが、外は深夜で日本と同じ季節巡っるルーマニアの方が寒い。吸血鬼側の領地は人里離れた山奥であり、先程エルメ達はあの寒さでも白い息一つ吐かない。純血吸血鬼だからと言えるし、俺もアザゼルも白い息を吐いてないから鍛錬の賜物だ。

寒さと無縁なハーフだと感じるそうだが、感嘆の息を漏らすアーシアの視線に映された城下町は、中央に城を囲むように建物が並んで周囲に雪山ばかり。

「山奥に立派な城下町があると言うのは、中世ではなく近代的な建物ばかりと言える。ゼノヴィアは雪景色の城下町を見てどう思う?」

「まさか本物を見れるとは思わなかったが、この風景は教会が長年探し求めていた吸血鬼の本拠地。教会の戦士だった頃は、尻尾すら掴めなかったのにまさか悪魔になってここへ来られるとは。それとこんなにデカい戦艦なのに、城下町に住む者達は空を見上げないんだな」

「現在トレミーはカーミラ側領土からツェペシュ側領土へ向かってるが、結界が張ってあってもゲートを潜れば次外へ見ると結界内だしな。普通のカメラで見ている訳じゃないが、特殊なカメラで見ている訳だし当然俺らの船が見えないようにしてる。戦艦はステルスモードだから、普通の人間から異界の者でも外から見えないようにしてる」

「ま、それだけ当時と各勢力の関係図が変貌してるんだろ。本来召喚される建物があそこで、領地の端っこにある監視用塔。外敵からの侵入を察知する為の塔、まあ俺達には関係ない話だが」

ヴァーリの言う通り俺らには関係ない話になるし、ルガールの正体を知ってるのは俺らだけだが吸血鬼達が見ると反応が驚愕と見る。嫌悪と畏怖の表情してたし、今後の戦いにおいて発揮してくれるなら助かる。不法入国するつもりもないし、あちら側の吸血鬼達が俺らを待っているらしい。アザゼルから状況を聞く。

「なるほど、ツェペシュのトップがヴァレリーとはな」

「クーデターが起きたと同時にトップを入れ替えた訳か。救援対象がツェペシュ側の頭らしいが、こちら側の策については変更しない」

我らCB側は普通に対応してたが、グレモリー達にとって驚愕以上の顔をしていた。ま、朱乃と白音も驚愕しないで普通に接していたからなのか、他のメンツらが不思議がってたけど情報を仕入れてる。クーデター前よりも居た治安維持部隊から情報提供されたとして、ヴァレリーがトップと聞いて狼狽振りなギャスパー。

「ヴァレリーが・・・・」

「それも男性の真祖を尊ぶツェペシュ派のトップが、ハーフヴァンパイアで女性とは・・・・かなりの事があちら側で起こったというのは明白ですわ」

朱乃の言う通り、純血を好む吸血鬼がいきなり王を変えて男性ではなく女性にする事自体があり得ん事だ。ホントならエルメ達のように、純血とそれ以外の存在としかいないと断言してたから。

「『禍の団』が裏から奴らを誘導してそういう状態を作り出したのだろう。『禍の団』と手を組んでるのは、ツェペシュの反政府グループだ」

「それについてはこちらも情報があるわ。掴んだ情報によると現政権の不満と聖杯による『弱点克服』の恩恵に目が眩み、テロリストの甘い言葉で乗ったそうよ」

「俺達も何もしていない状態ではないぞ?アザゼルにグレモリー眷属の諸君、俺らにも現地駐在隊員がいるから、ある程度はもう分かってるんだよ」

「敵じゃなくてよかったと思うね、そんなに情報漏れ漏れだったら敵となった一ちゃん達に勝てる要素はないだろう。まあ俺と一ちゃんは盟友だ、そんな事は起こらんからな。それともう一つ情報があってな、強化した吸血鬼でカーミラ側にぶつけるつもりのようだ」

弱点克服でもそんな事はさせんよ、俺達が来たからにはそんな事は絶対にな。恐らくツェペシュ側の城内部を聞くと、相当混乱してるそうだ。

ツェペシュ政府側もテロリストと結託した反政府グループと対抗出来なくて、カーミラ側に助太刀と言う援助を求めてきた。エドワードも無事らしいし、貸しを作るのも悪くない考えと何れは二大派閥が仲良くしてもらいたい。

「で、通信でも聞いたがツェペシュ側の方が気掛かりだから俺らと一緒に来た訳。アザゼル一人では何とも出来んし、リアス達を迎えに行くのならば俺らCBの力も借りたいとの事だったか」

「だが予想外な出来事はこの戦艦ぐらいか。迎えに行くには丁度良いが、敵は吸血鬼から邪龍やテロリストも居る。ホントならグレモリー眷属だけにしたかったが、こういう荒事と言う戦闘に対してエキスパートとも言える存在。悪いと思ってるけどさ、邪龍との戦闘経験があるなら一緒の方がよさそうだと思ったからだ」

「それはそれで問題はない。カーミラ側もクーデターの沈静するつもりだったんだろ?報復相手も断定できたそうだから、カーミラ側は相当やる気だと聞いている」

「相変わらず情報網はいいな、あとはツェペシュの城下町を囲むようにカーミラのエージェントが配置されているそうだ。俺達は飛び込む感じのようで、内情を探り入れて場合によっては中央突破。あとヴァーリとルシファー、今回はあの野郎も関わっていると聞いたが。そっちでも掴んでいるか?」

「ええ。今回はあのバカが絡んでいるそうで、私も聞いた時は飛び出すとこだったわ。一真とヴァーリが止めてくれたから、だけど会うとするなら一発殴ろうかしら?」

「従姉さん、余りあのバカと関わると余計に疲れる。俺には従姉さんで十分だ」

「もしホントにあのバカが関わってるなら、俺から粛清しなければならん。俺達は兎も角、グレモリー達も場馴れしているそうだ。ルガールとベンニーアはツェペシュ側の城下町で降ろす。一応脱出ルートを確保してもらいたい」

《合点だぜ、旦那!》

「・・・・うむそうさせてもらうよ。黒神の旦那」

ベンニーアはこう言うが、ルガールは俺の事を黒神の旦那と呼ばれるとは。一言だけ呟くキャラのはずだが、どうやら俺と言う存在に心を開いたと言うべきなのかもな。相手があのバカなら話し合い関係無しで相手してやるし、グレモリーとアザゼルはリアス達と合流後に何とかしてヴァレリーを連れ出す。

残りの始末をツェペシュ現政府側とモニカ側との仲介を俺がやる事になる予定。他勢力との停戦も近く行われるが、俺が仲介役をする約束だから。

「表裏一体のギャスパー、ヴァレリーを一人で助けると言うセリフは似合わん。一人で背負う事も無いし、お前らの心が二つある存在でも分かってくれるさ」

「分かってますよ。それに裏の私も言う事があるようで《俺も旦那の許可無しじゃ喋る事も出来ないが、俺の存在に気付いてくれた旦那だからな》私もです。こうして力を発揮できたのも一真先輩のお陰なのですから」

後輩らの成長に喜ぶ俺であるが、闇ギャスパー否バロールの存在を知ってるのは俺だけ。あとは闇ギャスパーと言う存在のみ認知されていて、アザゼルでさえ何者なのか分かっていない存在。

外の風景を見ながら本来行くルートを地図見ながらだが、ツェペシュとカーミラの領土を繋ぐ巨大な橋を抜けて進むとゴンドラ乗り場が見えてくる。丁度真下に見えるけど、カーミラ側が確保できたツェペシュ城下町に続くルートらしい。

「ま、本来のルートで行くとだが今の俺達には関係も無い事だが」

「あのゴンドラはツェペシュ派が敷いた多重結界を通れる特別な代物らしいが、この戦艦ならあっさりと進めるとは驚きだぜ」

「そりゃそうだろう、冥界だろうが天界だろうがどこでも行ける船だ。他外史にも行ける船だし・・・・朱乃、アレをアザゼルに渡してくれるか」

「はい・・・・アザゼル先生にお渡しする物を一真さんから預かっていました」

「もしかして次元の駒?これがそうなのか。透明だけど虹が見えるような感じだが、これで俺でも行き来出来る駒だと言うのは驚きでもある」

朱乃から受け取ったアザゼルは、しばらく次元の駒を観察しながら身体の中に入ったのを確認した。月中基地本部では早速アザゼルの情報が来たので、本来と今での編集作業をして準隊員となった。

各々座っているが、ゼノヴィアは何やら単語帳を取り出し確認し始めていた。周りを見ると駒王学園の生徒だけあってか、他の者らも各勉学に努めてた。

「・・・・ゼノヴィアは何をしてるんだ?」

「これか?見れば分かるが単語帳で、日本の難しい文字や漢字を覚える為のね」

「学問を疎かにしてないようだが、テストはそんなに悪くなかったと思ったが」

「一真みたいに何時も高得点取ってないし、国語は苦手でも毎回平均点は越えてるよ」

グレモリー眷属って皆テストの点数良かったみたいだし、世俗に疎い戦士ゼノヴィアもペーパーテストなら難なく熟している。イリナに至っては毎回ゼノヴィアより上と聞いてるし、これも俺が毎回勉強会をやってるかもな。

するとやりたい事が出来たから知識を必死に覚えてるそうだが、一体何をやりたいまでは後々分かると思う。世間知らずなだけで充分やってるが、これ以上に何をやるのか見当も付かん。

「ゼノヴィアって学校行事に興味津々みたいだからか、学生と言う立場をもっと堪能したいんだって」

「それなら俺も堪能しているが、それ以上に求めるとなると・・・・今考えても分からんからいいか。後々分かる事だ」

イリナからの情報だったが、学校のイベントを毎度の如く楽しんでるもんな。体育祭も学園祭も全力で取り組んでたし、イリナが色々と日本語を教えながら端末を取り出して解答してた。本来だと独学が多いからだが、ハイブリッドになってからきちんとした日本の知識を教え込んだので大丈夫にしといた。

『昔のイリナなら盛大に四字熟語を間違えてたな。確か「弱肉強食」は弱者でも強者でも平等に焼肉を食べられる権利を持つ・・・・とか』

『うぅぅ・・・・でも一真君のお陰で正しい覚え方をしてるから昔よりも大丈夫になったよ絶対!』

『正しい日本語用テキスト与えておいて正解だったわ。弱肉強食と焼肉定食のパロディを勘違いしてたし』

『危うく自称日本育ちになりそうだったが、日本の正しい知識を得てたお陰は仲間になってからだった気がしてならんよ』

日本に来て一時帰国したが、駒王学園に来て日本語の知識を間違った方向になりそうだった。なので俺の家=人間界本家に住み始めてからは、勉強会と言う事でシーグヴァイラとレイヴェルらと一緒に学んでいた。教師役はどうしよう?と悩んでると軍師の朱里達から相談に乗ってもらい、それぞれ得意科目を学んでいた。ついでに言えば吉音達と箒達も学生なのか延長授業みたいに受けてた。

「ここが船内であろうとも騒ぐ事もなく勉学するとは・・・・本来だと追い出すつもりでいたが」

「ま、正しい知識を入れたイリナだからゼノヴィアも聞いている訳だし」

「そう言えば朱乃。ソーナにも言ったが、蒼い翼とシトリーの両方が出資した学校建設されてるらしいな」

「はい。母様経由で知りましたが、簡単な事はソーナからある程度は」

蒼い翼からの事務連絡に付いては既に知ってた様子だな、流石は社長秘書の朱璃。役員会議でも出席してるし、ウチ関連の情報も仕入れてる様子だけど決してグレモリーには口封じしてる。するとロスヴァイセがこの話題に参戦してきた。

「私も聞きましたよ。蒼い翼冥界支社長さんと会長さんから将来的にその学校の教師にならないか、とダブルオファーを受けました。内容は同じでしたけど」

「俺はその事に関して知らんが、まあ驚かす為に敢えて言わなかったのだろう。ロスヴァイセは引き受けたのか?」

ロスヴァイセは駒王学園の教師やってるし、魔法の使い手でもあり教師のオファーが来ない方が可笑しいだろうな。蒼い翼冥界支社とソーナに目を付けられたのは、別に不思議に思わんよ。ロスヴァイセは引き受けた様子ではなく、まだ考えてる最中で難しい顔をしていた。

「まだ考え中です。断る理由もありませんし、蒼い翼本社の社長兼CEOは目の前におりますから」

「俺の事は気にすんな。今の肩書は蒼い翼ではなくCB総司令官兼黒神眷属『王』だから、社長兼CEOと言うのを抜きにして話して構わん。断る理由が無くともまだまだ考える時間はある」

「そうですね、では私の今の考えを言いますと。駒王学園での教員となって教職に務めてみて、ヒトにモノを教える側が楽しいと思うのも事実です。今度その学校が建ったら、一度見学に行きたいと思います。その為に今回の事件は穏便に済めばいいのですが」

「ならば今回の事件解決後で良いから、学校見学しに行かないか。俺は蒼い翼CEOとして視察しなくてはいかんし、ついでにだが皆も見学にでもどうかな?」

「そうですね。一真さんは社長としての視察ではありますが、今出来る事をしてからゆっくりと見学するのも悪くありませんし」

とまあ、これでこの事件が片付いたら視察兼見学をする事となった。俺は蒼い翼本社社長として向かうからビジネスネームを使うかもしれんし、改めて諸君に名刺を差し出すかもしれん時が来るから作り直しておこうかな。

トレミーは現在カーミラ側とツェペシュ側の境目、再度ゲートを開けてツェペシュ側に入るから時間が掛かるとの事。そういや普通ならこの手の話題に入ると思ったようだが、ベンニーアとルガールと話してた。

「アザゼル達は何を話しているんだ?」

「ちょっとした情報収集さ。ベンニーアのとことルガールのとこはどんな感じかと、参考程度に聞いてたがそっちの話題までは聞いてなかった」

《あっしは冥府について話をしてましたぜ、冥府はクソ親父とハーデス様の考える事はよく分からんです。また何かやらかした時、あっしでも分かるですけどね》

「冥府はどうでもいいが、また何かするんなら今度こそ粛清対象だな。ルガールの方はどうなんだ?業界的に」

「・・・・今回の騒ぎに乗じようという動きは聞いていない。恐らく一族は静観を決め込んだと見える」

「そういえばそうだな、確かルガールの一族は・・・・」

ルガールの一族に関して軽く聞いてるが、明らかに吸血鬼相手だと嫌がる種族だと聞いている。ここで知ると面白くないし、俺とアザゼルで話し込んでたが仲介役も役目だと思ってるがまだやるのかね。もう仲介よりも堂々とやりたいが。ブリッジからの通信によりまもなくツェペシュ城下町に到着のようだ。山を幾つか越えて到着場所は、ツェペシュ城下町近郊のゴンドラ乗り場周辺。

「皆、到着したんでな。空間切断によって一気に下へ行く」

「空間切断で行くと言ったが、この船はどうするんだ?」

質問受けたが答えは見れば分かると言って、俺達を先頭にして歩くと迎えの吸血鬼達とツェペシュ側に居る治安維持部隊の隊員達。上を見ても何もない事で驚くが、ここに居る吸血鬼達は何故上を見て驚いてるのか分からない状況下となっていた。なので落ち着けと言って軽く説明後、隊員達に敬礼。

「織斑様、お待ちしておりました」

「おう、あっちとは通信が途絶えたと聞いて心配してたぞ?」

「御心配をおかけしたようですね、ですが我ら全員無事ですので」

そう言ってきたのか、俺はトレミーにこちら側の隊員達全員無事だとカーミラ側の奴らに言っとけと指示を飛ばす。で、俺らを確認するような目付きで見てくる吸血鬼達。

「私設武装組織ソレスタルビーイング織斑一真総司令官と皆様方、アザゼル総督とグレモリー眷属の皆様ですね?我らはツェペシュ派の者です」

「ああそうだが・・・・別に不法入国した訳ではないぞ」

「いえいえ。密入国などと考えておりませんよ、こちらへどうぞ。リアス・グレモリー様はツェペシュ本城でお待ちです」

俺が軽く言っても彼らは紳士的に招き入れる姿勢で述べてきたし、主にグレモリー眷属に向けての言葉みたいに思えた。クーデターが起こった割にすんなり通してくれるんだな、何かあると俺は思い超小型偵察機をばら撒いた。

城下町と城に向けてだが、全種族にバレないような代物で実験としてグレモリー眷属を見張ってたが全然気付いていない様子だったし。何かあればトレミーに情報が入るよう仕向けてるが、既にシトリーの二人は行動開始したようなのか気配が無かった。

「リアスは城に居るのか。てっきりヴラディ家に滞在してると思ったが」

「ま、そう言うなって。一ちゃんと俺の神器知識が目的だろうし、ただでさえ神滅具所有者が居るからなのだろうよ」

確かに神滅具所有者が多いからなのか、俺らを連れてかれると豪華な装飾を施された馬車。だがこちとら人数が多いし、馬車にはグレモリー眷属らが乗った所を見たので急遽ゼロを空間から出して車に乗って出発。

シトリーの二人組は独自行動をし、市街の様子見や先程言った脱出ルートの確保なども。吸血鬼達も数が合ってないらしく戸惑ってたが、上に報告する事なく渋々馬車に乗せる様子を見ていた。

「全く我らは一真の車に乗り込むとは、あちらの馬車に乗りたかったぞ」

「文句言わないのアグニ。あちらにとって予想外な人数だったし、他勢力とは避けていた勢力ですし。こちら側の人数を把握されてない状態は、あちら側にとってイレギュラーな出来事だと思うわよ。私達とかね」

「ルシファーの言う通りだよ。私は一真君と一緒じゃないと嫌だし、馬車の揺れよりもこちらの方が揺れないからいいもん」

「我も一真と一緒でいい」

「オーフィスもこう言ってるんだから、アグニも我慢なさい」

「そこまで言うのなら、我も我慢しよう」

アグニは不満爆発しそうな勢いだけど、他の皆は俺の車に乗って正解だと言っていた。今のゼロは小型バスになってるし、馬車の後ろに追尾してる感じだから敵と認識されても可笑しくない状況。城までの道中、俺らから見た町の光景は別に変化などなかった。クーデターが起きたにしては静か過ぎるし、何か不気味な雰囲気やオーラを感じた気がした。

「治安維持部隊の者達も俺らに付いて来る感じだな」

「まあな。それよりアザゼル、住民には一切知らされてない様子だな」

「最低限の行動によってクーデター成功させたんだと思うし、謀反を起こした連中は内政深部まで話を付けてたと」

「聖杯を餌に貴族の上役を何名かで丸め込んだんだろうよ、外部より内部の方が静かにクーデター成功となる。王も側近も一方的に退避したんだろ」

外部に知らせず内部に裏切り者が多数居て、じゃないとスムーズにクーデターなど成功するはずがない。町を通り抜けツェペシュ城に入ろうとする朱乃達が乗る馬車、ここから治安維持部隊の者達を城下町へ戻るよう通達した。ここより城下町に居る民達に何かあったら守護する役目を命じてあるし、そう考えてると巨大な正門の壁が上に上がり馬車とバスが入城を果たす。

「城はグレモリー城と同じぐらいの規模だが、次元の狭間本家よりも小さく見えるな」

「そりゃそうさ。俺らの家と比べない方がいいぞ」

「石造りの古めかしい(おもむき)で、異形が住む独特の魔のオーラが城全体に伝わってくる。ここから吸血鬼達のホームだ」

馬車の降り口から皆のトランクを俺が預かり、全員降りた所でゼロを空間に収納した。で、そのまま城内に入り仰々しい扉前に連れて来られた。ここは明らかに玉座の間に続く大きな両開きの扉、魔物を象ったレリーフが扉に刻まれていた。

「ここでしばしお待ち下さい」

案内をしてくれた執事がそう告げて去ると、数分ぐらいでどこから懐かしい声が聞こえてきた。

「一真に皆!」

「リアスに祐斗、無事で何よりだ」

リアスと祐斗らがメイドに付き添われて来たし、何時も通りの挨拶をすると笑顔で頷く。それと俺の容姿を見て兵藤一誠ではなく織斑一真として来たと察したが、アグニ達を見たらとても驚いていた。何せ龍神二匹が居るし吸血鬼達にもバレてない様子。

「ええ、何とかね・・・・クーデターの事は察知したようね、アザゼル」

「何が起きてもいいように情報収集をしてたが、俺より一ちゃん達の情報が多くてな。一ちゃん達率いるCBとグレモリー眷属を連れて来た訳だが、流石にアグニ達まで居る事は思わなかっただろ」

「ええ。まさかアグニやオーフィス、それにCB側の主要全員が居るとは流石の私でも驚きよ。それに通信機を渡されていたからある程度の情報は来てたけど、この城に軟禁状態にも関わらず皆を呼べたのも一真が裏で動いてくれた事ね。王にお招き頂いた割に、今の今まで謁見できなかった。すると先程『お客様が来たからついて来てほしい』と言われて来たのよ」

リアスがそう言うとアザゼルは無言で頷くが、情報収集に関して質が多いのはこちら側。俺らが唯一邪龍と戦える力を持ってるし、対処可能な訳だけどクーデターが起きてる間は特に変わった様子はなかったと。

「何事もなかったようだな、祐斗」

「はい。拍子抜けする程で、僕も部長も火の粉はかからなかったよ。内部で争っていても、こちらまで手を出せなかったんだと思う。今の所はね」

なるほど、役者が揃わなかったままだからここで揃えて合同謁見みたいな感じか。王との謁見だが、こちらから謁見するのは余り無いと思う。今まで謁見する側だったし、扉の両脇にいる兵士達は時代遅れと言うのは失礼に値するが鎧に剣という出で立ちだな。

ま、俺らを攻撃しても聖なる光で纏めて滅するだけだろう。前四大魔王と元神に龍神二匹もだが、黒の駒でオーラを隠してる状態だからリアス達からは元魔王でも吸血鬼達側からは悪魔と天使に力のあるドラゴンとしか見えん。 
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