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オズのアン王女

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第九幕その七

「時として必要でしょうし」
「勿論ーー諦めないーーこともーーいいーーですが」
 チクタクが言うにはです。
「それもーーまたーーですーーね」
「はい、時と場合によっては」 
 大尉はチクタクにも答えました。
「いいと思いますので」
「この場合は大尉の言う通りかな」
「そうかも知れないですね」
 大尉はカリフ王に答えました。
「少なくともアレルギーならです」
「食べては駄目でね」
「そしてすぐに解決しないのなら」
「諦める」
「それしかないかと」
「そうなるな」
「私は食べることがないので自分自身のことからは言えませんが」
 それでもというのです。
「そうした考えに至ったので」
「余に話してくれたんだね」
「そうです」
「その考えを受け取らせてもらうよ、それにね」
「それにとは」
「この鯉は美味しい」
 今度は鯉の揚げものを食べています、見事な大きさの鯉を天麩羅にしています。それがとても美味しいのです。
「いいね」
「鯉も美味しいんだよね」
 トトは今はアラの部分のお味噌汁を楽しんでいます。
「このお魚もね」
「そう、鮭や鱒も美味しいけれどね」 
 アンがそのトトに微笑んで答えました。
「鯉も美味しいのよ」
「そうなんだよね」
「アメリカじゃ鯉はあまり食べないんだよね」
 ジョージは今のアメリカ人として言いました、とはいってもジョージ自身も鯉料理を心から楽しんでいます。
「というか殆ど」
「今もなのね」
「はい、そうなんです」
 ドロシーにも答えるのでした。
「お魚自体お肉と比べて」
「私がいた頃とあまり変わらないわね」
「そうですね」
「そこはね」
「だから五大湖では増えて困っています」
「食べてばいいよ」
「私もそう思うわ」
 神宝と恵梨香がすぐにこう言いました。
「増えて困ってるのなら」
「美味しいし」
「ううん、川のお魚に抵抗があるのかな」
 カルロスは不思議といったお顔です。
「アメリカ人は」
「何でも食べるイメージがあるけれど」
 ナターシャにしてみればです。
「そうでもないのかしら」
「ううん、色々な人がいるから」
 ジョージはアメリカのその事情から言うのでした。
「色々なものを食べることも事実だけれど」
「それでもなのね」
「はい、鯉を皆が食べる訳じゃないです」
 アメリカではとです、ジョージはアンにお話しました。 
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