競泳水着

「ビキニはお腹出るから」
「気にし過ぎじゃないの？」
「そうよね」
「幾ら何でも」
　友人達は言う、そして実際にだった。　
　白い体操服と濃紺の半ズボンという体育の格好になった楓を見てもだ、こう言った。
「やっぱりそんなにね」
「太ってないわよね」
「別にね」
「ウエスト問題じゃないわよ」
「特にね」
「そう？私にしてはね」
　どうしてもとだ、楓は自分のウエストの部分を見つつ話した。
「ウエストが」
「というか胸いいの？」
「あんた言ったわ悪いけれど胸はね」
「あまり、というか何ていうか」
「そうだから」
「胸は彼氏が好きだから」
　楓は自爆をしてしまった、ここで。
「だからね」
「えっ、あんた彼氏いたの」
「しかも胸がいいとか言われるって」
「あんたひょっとして」
「もうそこまで」
「あっ、まあそれはね」
　失言に気付いてだ、楓は慌てて自分自身のフォローに入った。
「弟が言ってたから」
「あんた弟さんいないでしょ」
「お兄さんん三人でしょ」
「というかそこはお兄ちゃんって言わないと」
「もう嘘にも何もなってないわよ」
「とにかくね、胸はいいの」
　かなり開き直ってこう返した。
「それよりもなの」
「ウエストね」
「急に出て来た弟さんにも見せられない」
「そう言うのね」
「そうなの、胸はいいとして」　
　それでもというのだ。
「ウエストなのよ」
「だからそんなにね」
「気にしなくてもいいんじゃない？」
「一応弟さんに言われてるんなら別にして」
「言われるより前によ」
　そこはとういうのだ。
「本当にね、だからよ」
「ウエストを細めるトレーニングして」
「水着もなの」
「ビキニは着ない」
「そうするのね」
「そうしていくわ」
　こう言ってだ、実際にだった。
　楓はトレーニングを開始して食事も考えていった、そして何より水着だった。　
　友人達にだ、女の子達だけで集まった時に相談した。
「ビキニはアウトとして」
「はいはい、どの水着かよね」
「プールにビキニ以外の水着を着ていきたい」
「そういうことよね」
「そう、何を着ようかしら」
　実際にというのだった。
「本当にね」
「じゃあワンピース？」
「ビキニじゃないとね」
「他ないわね」
「そうよね」
「そうね、ワンピースよね」
　実際にとだ、楓も頷いた。