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英雄

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第四章

「実際にね」
「そうなんですね」
「だから先生になることを考えてもいいんじゃないか」
 人を助けたいのならというのだ。
「あと神父さんもあるね」
「神父さんですか」
「神は全ての人を救われる」
「はい、そうですね」
 マルコも先生も信仰がある、それでこのことを信じて言うのだった。
「神父になっても」
「そうだよ、ただ他の信仰も理解しないと」
「駄目ですね」
「そうだよ、本当にね」118
 そこはというのだ。
「神父になってもね」
「悪い神父になってしまいますね」
「これは先生もだよ」
「学校の先生も」
「台湾に行った日本の先生達は立派だったね」 
 このことをだ、先生はマルコに話した。
「そうだったね」
「はい、本当に」
「先生になるだけじゃないんだ」
「人格もですね」
「大事だよ」
 まさにというのだ。
「というかまずはね」
「人格ですね」
「そう、お医者さんでも学校の先生でも」
「どういった職業でも」
「性根が腐っていたら」
 それこそというのだ。
「マフィアと変わらないさ」
「そういうものですね」
「そう、警官を見るんだ」
 本来なら正義と法律、そして市民達を守るべき彼等もというのだ。
「我が国には悪質な警官も多い」
「マフィアとつながっていたり」
「そうした警官はどうだい?」
「英雄じゃないです」
 マルコは先生にきっぱりと言った。
「間違っても」
「そうだね」
「はい、とても」
「むしろ英雄に倒されるべき」
「そんな人達ですね」
「だからまずはだよ」
 何といってもというのだ。
「人格だよ」
「人を助ける為には」
「そう、わかったね」
「はい、じゃあ僕はやっていきます」
「学校の先生になるにしても」
「人格も研いていきます」
 先生に誓った、そして実際にだった。
 マルコは性格についても心掛ける様になりそちらの努力もした、そのうえで教師になる教育課程に進んでだった。
 ラテン語の教師になった、マルコはその資格を得るとすぐにだった。
 海外協力隊の事務所に行ってだ、強い声で申し出た。
「私も他の国で」
「働きたいのですか」
「はい、是非」
 事務所の受付の人に強い声で言った。 
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