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Love Me Tender

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第五章

 俺にフレンドとしても話す様になっていてだ、俺にこう聞く様になっていた。
「マスターは結婚しないの」
「したいさ」
 俺は少し苦笑いになって答えるのが常だった。
「俺にしてもな」
「けれどなのね」
「ああ、そうさ」
 そう思っていてもだ。
「相手がいないんだよ」
「それが問題なのね」
「相手がいればな」
 俺はピラールに苦笑いのまま答えた。
「俺もいいんだがな」
「じゃあね」
「じゃあ?」
「私のお姉ちゃんどう?」
 ピラールは笑ってこう言ってきた、丁度この時俺達は店を閉めて掃除をしている時だった。
「同じカレッジ卒業して今は石油会社で事務やってるけれど」
「インテリかい?」
「かというとそうでもないわよ」
「じゃあピラールと似た感じか」
「そうよ」
 膝までのスカートのウェイトレス姿で言ってきた。
「よく似てるわ」
「性格も外見もか」
「ちなみに私彼氏いるから」
 ピラール自身はというのだ。
「生憎だけれどね」
「ははは、そっちは幸せにな」
「ええ、それでね」
「姉さんをか」
「よかったら紹介するけれど」
「じゃあ頼めるかい?」
 俺はピラールに即答で返した。
「紹介してくれるかい?」
「それじゃあね」
 こうしてだ、俺は店の休日にヒピラールの姉さんと会うことになった。滅多に着ないスーツで着飾ってそうしてだ。
 駅前に行くとだ、そこにだった。
 ピラールを少し年上にした感じのスーツとタイトスカートの美人がいた、横のピラールが俺に笑顔で言ってきた。
「私のお姉ちゃんよ」
「はじめまして」
 その美人さんも俺に笑って挨拶をしてきた。
「いつも妹がお世話になっているとか」
「はい、こちらこそ」
 俺は接客の時の態度で応えた。
「よく働いてもらってます」
「それは何よりです」
「はい、それで今日は」
「私も妹から紹介されまして」
「では」
「後は二人でね」
 ピラールはここで俺達と距離を開けてきた、そのうえでの言葉だった。
「楽しくね」
「おい、もうか?」
「そうよ、邪魔者は退散するわ」
「それで何処に行くんだ?」
「適当な場所にね」 
 笑ってこう言ってだ、そしてだった。
 ピラールは明るい笑顔で何処かに行った、後で聞いたら近くで待ち合わせしていた彼氏とのデートに行ったとのことだ。そして俺は。 
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