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魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~

作者:雪月花
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第13話『出張任務 2』

sideティアナ・ランスター









カズマ「さてっと……サーチャー設置完了っと。ティア、スバルこっちは終わったぞ」

スバル「こっちも終わったよ」

ティア「あたしも終わったわ。なのはさん、これで全部ですか?」

なのは「うん。これでOK。それじゃあ、少しこの辺りを見て回ろうか」

カズマ&スバル&ティア「はい!」


 コテージを後にしたあたし達はスターズとライトニングの二組に分かれてそれぞれ散策やサーチャーの設置をするために町に出ていた。


ティア「だけど、町並みや人の服装はミッドの少し田舎とたいして変わらないわね」

スバル「私は、好きだよ、こういう感じの町」

カズマ「………」

ティア「ちょっとカズマ。どうしたのよさっきからボ~っとして」

カズマ「あ……いや、何でもない」


 そう言ってカズマは再び辺りを見渡しながら歩き続ける。この世界に来てからカズマはずっとこんな感じなのよね……どうしたのかしら……。









 sideカズマ・キサラギ









 俺は、この町並みを昔……子供の頃に夢で見たことあるような気がする。まあ、夢だからあんまりよくは覚えて無いけどな。


スバル「あ!ティア、カズマ!あれ、アイス屋さんかな?」

ティア「そうかも…って、止めときなさいよ。任務中に買い食いなんて」

スバル「ええ~」


 好物のアイスを見つけたスバルは今にも買いに行きそうな勢いだがティアに制止され残念な声を上げていた。
 そんな、あいつらを見ていると自分が悩んでいるのが少し馬鹿みたいに思えてきた。


カズマ「よし、スバル。奢ってやるから食いに行くぞ」

スバル「え!?ホント」

ティア「だから、駄目だって言ってるでしょう!」

なのは「こら、みんな。あんまりはしゃぎすぎたら駄目だよ」

F3人「すいません…」









 side高町なのは








リイン「皆さん元気ですね」

なのは「まあ、みんな遊びたい年頃だから仕方ないかな」


 歩みを続けながらリインと話す。久しぶりの故郷の空気、やっぱりいいね慣れた場所は。


なのは「そう言えば、リインはどう?久しぶりの海鳴の町は?」

リイン「やっぱり懐かしいですね。この風景も匂いも…。なのはさんはどうですか?」

なのは「私は、懐かしいけどそれよりも、あれ?仕事中なのに帰って来ちゃったって感じかな」

リイン「あははは~♪」

シャマル『ロングアーチからスターズとライトニングへ』


 そんな会話をしているとシャマルさんから通信が入る


シャマル『さきほど教会本部から新情報がきました。問題のロストロギアの所有者が判明。運搬中に紛失したとのことで事件性は無いそうです』

はやて『本体の性質も逃走のみで攻撃性は無し、ただし大変高価な物なので出来れば無傷で捕らえて欲しいとのこと。まあ、気ぃ抜かずにしっかりやろう』

全員「了解!」


 そう言って、ロングアーチからの通信が切れた。


なのは「さて、みんな少し肩の力は抜けたかな?」

リイン「はいです」

スバル「ホッとしました」

カズマ「そうだな」

ティア「うん」









 sideカズマ・キサラギ









なのは「それじゃあ、日も落ちてきたし一旦待機所に戻ろうか」

リイン「そうですね、そろそろ晩ご飯の時間ですし」



 よし!今日はこれで終了か、さっさと待機所に戻りたいぜ。


なのは「ライトニングそっちはどお?」

フェイト『こちら、ライトニング。こっちも一段落ついたから待機所に戻るよ。ロングアーチ、何か買って帰ろうか?』

はやて『こちら、ロングアーチ。ありがたいことに食事は民間協力者のみなさんが用意してくれるそうや』

フェイト『了解。じゃあ、スターズのみんなを車で拾うね』

なのは「うん。ありがとう、フェイト隊長」


 ふむ、食事は用意してくれるのか……てか、アリサさんは料理が出来るのだろうか。あんまり、出来そうには思えないけど…一応、胃薬でも買っておこうか。


なのは「う~ん、でも手ぶらで戻るのもアレだし……あ、そうだ」


 何か思いついたようななのはさんは携帯端末を取り出し何処かに連絡するみたいだ。


なのは「あ、もしもしお母さん?なのはです」

F3人「……え!?」


 今なんて言った?お母さんって言ったよな?


なのは「にゃはは、お仕事で近くまで来てて……そうなの、ホントすぐ近く、それでね現場のみんなに―――」

スバル『なのはさんの……お母さん』

ティア『そ、それは存在してて当然なんだけど』

カズマ『どんな、女性(ひと)か想像出来ないよなぁ……』

スバル&ティア『うん…』

なのは「それと、彼も一緒に居るけどあんまり知った風に話さないでね……うん、お願い」


 まあ、そりゃそうだよなこんな高魔力の持ち主の母親って…。
そんなことを念話で話している間にどうやら電話が終わったらしくなのはさんが携帯端末を閉じてポケットにしまう。


なのは「さてと……少し寄り道」

リイン「はいです~♪」

カズマ「あの、今お店って言いましたよね」

なのは「うん。家喫茶店なんだ」

リイン「喫茶翠屋。お洒落で美味しいお店ですよ~」

F3人「うええぇぇぇ!?」









 ◇◇◇◇◇









なのは「お母さん、ただいま~」

桃子「なのは、お帰り~」


 扉を開けるのとほぼ同時ぐらいに一人の女性がなのはさんに抱きついてきた。お母さんって言ってるしもしかしてこの人がなのはさんの……。


F3人『お母さん、若っ!?』


 念話で俺達の声が重なった。どうやら、みんな思うことは一緒のようだ。


士郎「お、なのは。帰ってきたな」

美由希「おかえり~なのは」

なのは「お姉ちゃん、お父さん」


 奥からさらに二人出てきた。なのはさんの言葉から、この二人がなのはさんのお父さんとお姉さんであることが解る。てか、お父さんも若いな…。


なのは「あ、この子達が私の生徒」

士郎「お、こんにちわ、いらっしゃい」

桃子「お茶でも飲んでゆっくりしていってね……え~と…」

スバル「あ、スバル・ナカジマです!」

ティア「ティアナ・ランスターです」

カズマ「カズマ・キサラギです」

桃子「スバルちゃんにティアナちゃんそしてカズマくんね」

士郎「三人ともコーヒーや紅茶はいけるかい?」

ティア「あ、はい」

スバル「どっちも、好きです」

なのは「スバル、ティアナ、カズマくん。こっちにおいで」

F3人「はい!」


 なのはさんに手招きされて席に着く。そして、すぐさまミルクティーが運ばれてくる。


カズマ『しかし…』


 ミルクティーを一口啜りながら楽しく会話しているなのはさんを見る。


カズマ『こうして見ると、なのはさんが普通の女の子にしか見えないから不思議だよな』

スバル『…うん』

ティア『ホントね…』


 そんな事を念話で話しながら店内を見渡す。すると、カウンターに飾ってある写真が目に入る。気になった俺は失礼だと思いつつ席を立ちカウンターに向かってその写真を手に取る。
 それは何の変哲も無い家族写真だったが一カ所だけ違ったものが写っていた、それは…。


カズマ「これって……俺…に似てるな?」


 そこに写っていたのは俺?によく似た一人の青年だった。


スバル「どうしたの?カズマ」


 いつの間にか後ろにいたスバルが写真をのぞき込む。


スバル「うわぁ~、これってなのはさんですか?可愛い~!」

ティア「あら?でもこの隣にいるのってあんたに似てない?」


 その後すぐにティアもこちらに来て写真を覗きこんでいた。


スバル「あ、ホントだ」

なのは「ああ、それは昔私の所に居候してたお兄さんなんだ」


 二人が色々問答している間になのはさんが来て答える。


スバル&ティア「へえ~」


 他人の空似ってやつか…………だけど、この妙な感じは何なのだろうか。


その後、スバルは写真について色々聞いていたがなのはさんはそこまで詳しいことは教えてくれなかった。









 ◇◇◇◇◇









なのは「運転お疲れ、フェイトちゃん」

フェイト「うん」


 喫茶翠屋で待つこと数十分後にフェイトさんが到着して一息いれた後コテージへと戻ってきた。


キャロ「ん?なんかちょっと良い匂いがします」

フリード「きゅく~る」


 キャロの言ったとおりコテージの方から胃袋を刺激する良い匂いがしてくる。ふむ、この匂いは鉄板で何か焼いてるな。


アリサ「あ、おかえり~」

すずか「なのはちゃん、フェイトちゃん!」

なのは「すずかちゃん!」

フェイト「すずか」


 出迎えてくれたのはアリサさんと青のロングヘアーの女性…さっきすずかさんて言ってたかな?


なのは「久しぶり~」

フェイト「すずか、元気だった?」

スズカ「うん!」

なのは「写真とメールばっかりで声聞けなかったもんね」

すずか「だよね~」

フェイト「大学の方は相変わらず?」

すずか「うん。勉強大変」

スバル『ねぇ、ティア、カズマ』

カズマ『なんだ?スバル』


 なのはさん達を眺めているとスバルが念話で呼びかけてきた。


スバル『隊長さん達が普通の女の子にしか見えない』

ティア『同感……ライトニング的にはどうなの?』

エリオ『あの、僕的にはなのはさんもフェイトさんも普通の女性ですので』


 ティアがエリオに訪ねるとエリオはそう答えた。まあ、この中で一番なのはさん達と付き合いが長いもんな。


スバル「あれ?」

エリオ「車が……」


 その時一台の車が俺達の近くに止まって、中から女性が二人と女の子が一人降りてきた。


エイミィ「はあ~い」

アルフ「みんな、お仕事してるか~」

美由希「お姉ちゃん'S参上~」

エリオ「エイミィさん」

キャロ「アルフ!」

スバル「それに、美由紀さん…?」

ティア「さっき別れたばかりなのに」

美由紀「いや~、エイミィがなのは達と合流するって言うから。あたしもちょうどシフトの合間だったしね」

スバル「そうだったんですか」


 その後、一通り雑談をしてからコテージの中庭に向かった。


はやて「お、みんなおかえり~」

シャマル「おかえりなさ~い」


F4人「や、八神部隊長!?」


 そこには、鉄板の前で両手にヘラを持ったはやてさんがいた。


カズマ「部隊長自らなにやってるんっすか」

はやて「待っとる間に時間があったからなぁ。それに、料理は昔から趣味やったんよ」

ヴィータ「はやて隊長の料理はギガウマだぞ。有り難く食えよ」

F4人「はい!」

カズマ「胃が弾けるまでいただきます!」


 そこまでうまいのなら頂まくるに決まってるじゃないですか!


シグナム「ところで、シャマル。お前は手を出してないよな?」

シャマル「どういう事なの!?シグナム!!」

シグナム「いや、何もしていないならいいんだ」


 あちらでなんか言い合いをしているみたいだがあまり気にしないでおこう。それより、飯だ飯♪ 
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