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Blue Rose

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第四十七話 成長その八

「人間そのものが存在しているからな」
「人間がですね」
「人間を書いているんだ」
 文学、それはというのだ。
「読んで学んで損はない」
「そうですよね」
「そこで学んだものを御前自身に活かしていくんだ」
「私自身に」
「御前の人生にな」
 まさにそれにというのだ。
「いいな」
「わかりました」
 優花も答えた、そしてだった。
 優花は三者面談を終えて教室を後にした、そのうえで優子に言った。
「私文学を学んでいって」
「そうして人間を知って」
「これからもやっていきたいわ」
「そうね、あと色々資格も取るつもりでしょ」
「教員免許とか」
「図書館勤務や博物館員のね」
 そうした資格をというのだ。
「取っていくでしょ」
「ええ、確かにそうした資格もあったら」
「資格はある方がいいわ」
 何といってもというのだ。
「ないよりもずっとね」
「そうよね」
「学校の先生の資格もあれば」
 即ち教員免許がだ。
「凄く大きいから」
「取っておくべきね」
「そうしたらいいわ」
「じゃあそのこともね」
「考えておくのね」
「そうするわ」
 こう姉に答えた。
「私も。それに」
「それに?」
「結婚のこともね」
 そのこともだ、優花は優子に話した。
「考えていくわね」
「そうね、大学を出て就職して」
「その時に」
「いい人を見付けることもね」
「考えていくわ」
「そうしていってね、姉さんもね」 
 優子は自分のことも話した、優花の学校の廊下を妹と共に歩きながら。
「結婚を前提にしていっているし」
「あの人とのお付き合いを」
「そうしてるから」
 だからだというのだ。
「貴女もね」
「いい人と出会えられれば」
「考えていってね」
「わかったわ」
 確かな顔でだ、優花は答えた。
「そのことも」
「それも未来だから」
「未来はやることが多いわね」
「そうよ、けれど焦ることもないわ」
「やることが多くても」
「そうよ、焦る必要はないの」
 未来、それに対してだ。
「一つ一つ落ち着いてやっていけばいいの」
「未来でやるべきことで」
「そう、焦らないでね」
 即ち落ち着いて、というのだ。 
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