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夢幻水滸伝

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第一話 夢の世界その十二

「その後でどうするか決めよか」
「どうするって何がや」
「そやから自分どないするねん」
「僕が?」
「身の振り方や」
 これのことだというのだ。
「それどないするねん」
「ああ、こっちの世界でか」
「さっき僕が綾乃ちゃんの陣営におるって言うたな」
「そういえばそやったな」 
 道中での話のことを思い出してだ、中里は応えた。
「この辺りを収めてるんやったな」
「そやろ、それでどないするんや」
「ええとな」
 そう言われてだ、中里は少し考えた。そのうえで芥川に答えたのだった。
「若しどっかの勢力に入らんと僕浪人か」
「言うならそやな」
「一人で生きていかなあかんな」
「そうなるで」
 実際にとだ、芥川は中里に答えた。
「一人身の浮寝や」
「島崎藤村やな」
「草枕って言ってもええで」
「今度は夏目漱石か。とにかくそんな生活やな」
「お百姓さん、商売人、職人、漁師、賞金稼ぎ、用心棒、仕事は多いで」
「そういうので生きていってもええか」
 実は職人に少し反応した、テレビ等でよく観る職人芸に憧れているからだ、
 だが腰の二振りの刀と赤い具足を見てからだ、中里は芥川に言った。
「職人とかお百姓さんとかな」
「その格好でなる言うてもあれやろ」
「ああ、ちょっとな」
 実際にというのだ。
「すぐにはなれんやろし向いてない気がするわ」
「そうなるな」
「けどこっちの世界に来てる奴にはそうした仕事してるのもおるな」
「おるけどな」
 実際にとだ、芥川も答えた。
「それは」
「やっぱりそうか」
「ちなみにうちにはそうした人材もおるわ」
「職人さんとか商売人とかか」
「あとお百姓さんもな」
「ええ内政が出来てそうやな」
 中里はここまで聞いて述べた。
「この勢力は」
「そっちは存分やで、ただうちは日本の真ん中にあるさかい」
「左右から攻められるか」
「そんで苦労もしてる」
「つまり戦える人材が必要か」
「強い奴がおるに越したことはない」
 芥川はこの現実も話した。
「というか何でも人材は多ければ多い程ええ、しかも自分は最強の星の一つや」
「神何とかの星やな」
「神勇星、神星のうちの一つや」
 その星だというのだ。
「神星のうちの六将星の筆頭やで」
「六将星?」
「そや、十八の神星には種類があってな」
「僕はそのうちの六将星か」
「三極星、四智星、五騎星ってあってな」
「僕はそのうちの六将星の一つやねんな」
「そういうこっちゃ、ちなみに三極星は星達を統べる星達や」
 それになるというのだ。
「四智星は軍師とか頭を使って六将星は戦いメイン、五騎星は騎士言うならバランスタイプやな」
「それぞれ分かれてるんやな」
「そんで自分は将星で僕は智星でや」
「綾乃ちゃんはやな」
「うちは神魁星やで」
 綾乃はにこりとして自分の星のことを話した。 
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