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夢幻水滸伝

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第一話 夢の世界その八

「人間だけやなくてな」
「エルフとかドワーフとかおるんやな」
「そや、翼人とかもおるで」
「そんでドラゴンとかもおるんやな」
「おるおる、この地域はそうしたモンスター結構飼い慣らしてあと色々な種族が仲良う暮らしてる」
「そういえば今気付いたけど自分」
 中里は芥川の背中を見た、すると黒い翼があった。
「羽根あるやん」
「ああ、これ出したり身体の中に入れられるんや」
「そなんか」
「僕翼人、こっちで言う天狗族や」
「こっちの世界ではそうか」
「そや、そう言う自分も額の髪の毛との間触ってみい」
「あっ」
 芥川の言うままに額を触るとだ、一本の角があった。そしてその角からすぐにわかった。
「僕は鬼か」
「そや、鬼族や」
「そっちの種族かいな」
「色々おるで、ホビットにノーム、リザードマンに竜人、犬人、猫人とかな」
「何でもおるな」
「そや、猿人とかもおってな」
 芥川はこの世界にいる種族達のことも話した。
「勿論僕等の世界の人間もおる」
「そやねんな」
「翼人には天使もおるしな」
「へえ、天使かいな」
「日本にはおらんけど他の国におるんや」
「そやねんな」
「悪魔もな。とはいっても種族の一つでや」
 天使、そして悪魔達もというのだ。
「別に善人でも悪人でもないで」
「種族によって性質が決まってる訳やないか」
「オークとかトロールもおるけどや」
 ゲーム等では悪役ばかりの彼等もというのだ。
「人によるで」
「善人か悪人かは」
「そや、人によるからな」
「種族によって決め付けたらあかんか」
「僕等の世界でも肌や髪の毛や目の色がちゃうやろ」
「それはそやな」
「それでもそういうので人間性がわからんやろ」
 芥川は中里にこうしたことも話した。
「そういうものやないやろ」
「ああ、何処でもどんな人種や民族でも善人もおれば悪人もおるわ」
「それはこの世界でも同じや、ただな」
「ただ?」
「この世界何か知らんけど時たま巨人が出て来るねん」
「巨人?」
「そや、個体によって大きさはちゃうけど巨人が出るんや」
 彼等がというのだ。
「これも種族あって色々おるけどな」
「巨人もかいな」
「この連中はどいつも出て来たらやたら暴れる」
「巨人それぞれで性格違うとかないんか」
「あるかも知れんけどもう出て来たらや」
 それこそというのだ。
「暴れ回って人も家も田畑も家畜も狙うからな」
「そんな奴退治せなあかんな」
「そや、この連中はもう出たらな」
「やっつけるしかないか」
「それも僕等の仕事や、後や」
「後?」
「僕等こっちの世界に来た人間はそれぞれ神具を使えるんや」
 話が変わった、ここで。
「今自分が身に着けてる赤い具足と二振りの刀もや」
「ああ、これか」
 中里は芥川に言われて自分が着けているその具足と腰の二振りの刀を見て言った。
「最初から着けてるけどな」
「まず刀は童子切と千鳥や」
「おいおい、どっちも名刀中の名刀やぞ」
 刀達の名を聞いてだ、中里は驚いて言った。 
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