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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第7章 大魔闘演武編
  エクリプス、開門

一方、中央広場では・・・


ゴーン、ゴーン、ゴーン


鐘が鳴りっていた。それは日付が変わる事を意味している。


「7月7日か・・・。」

「確か、ドラゴンが消えた日だよね?」

ガジルとレビィさんがそんな話をしていた。
俺とラクサスさん以外の滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)の親である
ドラゴンが消えた日でもある。

「こんな日にドラゴンが現れる・・・ってのか?」

何の因果でしょうね・・・。

妖精の尻尾(フェアリーテイル)はこの中央広場を守備する。」

マスターがそう言う。

「他のギルドの奴等は?」

「それぞれ街の四方に待機してるよ。」

「それにしても、さっきの剣咬の虎(セイバートゥース)の方、
 何か揉めていたようだったが・・・・・・」

「後で収まったみたいだけど・・・。」

ギルドの人達がそんな話をしていた。

「(アレの事か・・・)」

俺は会話が聞こえていたので知っている。










少し前に・・・


「おいしっかりしろよ、ガルーザ!!!」

「?」

スティングって人の声が聞こえた。
俺と戦ったガルーザって人に言っているようだが・・・・・・?

「・・・・・・戦えない・・・。」

「俺からドラゴンと戦う時に、何言ってんだよ!!!!」

「・・・・・・お嬢・・・いない・・・俺・・・何も・・・できない・・・。」

「(どういう事だ・・・?)」

様子も少し変だ。戦ってた時の覇気が感じられない。

「そう言えばガルーザって、お嬢が連れて来たよな。」

「ああ。記憶によれば、昔、魔水晶(ラクリマ)の実験台になって、
 その後、研究所は評議院により、危険な研究をした為、
 研究者全員が逮捕となった。ガルーザはその時の実験者だった。
 ガルーザは地の滅竜魔法の魔水晶(ラクリマ)を埋め込まれており、
 その後に滅神魔法を取得した。その時にお嬢と会い、勝負をしたが敗北。
 だがその実力を買われ、我がギルドに入った訳だ。
 常にお嬢の命令に従っていた。」

ルーファスって人がそう言う。

「・・・マスターも消え・・・お嬢もおらず・・・俺・・・
 この先・・・・・・どうすれば・・・いいか・・・わからない・・・。」

「しっかしろ!!!!」

「!?」

スティングって人が大声で怒鳴った。

「お前がそんなんじゃあ、みんなを守れるのかよ!!
 ドラゴンを倒すには、俺達滅竜魔導士(ドラゴンスレイヤー)が必要だ!!!!」

「・・・だが・・・このギルドの・・・状態・・・この後・・・
 大丈夫・・・なのか・・・例え・・・ドラゴンを・・・倒したとして・・・
 生きていたとしても・・・この先は・・・どうなる・・・お嬢も・・・
 マスターも・・・いない・・・今・・・」

「だったら俺がマスターになってやる!!!!」

「!?」

その言葉に驚く。

「俺がこのギルドを、導いてやる!!!!
 俺は諦めねえ!!!!このギルドも!!!!この先の未来も!!!!」

「・・・・・・・・・・・・。」


































「・・・了解した・・・マスター・・・!」

「!おうよ!!!」

何とかなったみたいだ。







「(あれなら、もう大丈夫だな。)」

俺は心の中でそう思うのだった。

「エルザは休んでな。そのケガじゃ・・・」

「問題ない。」

カナさんの言葉にエルザさんはそう言うが、
怪我はかなり酷い様だけど・・・・・・。

「リオンとこの回復娘と、
 王国の衛生兵(ヒーラー)のおかげで、なんとか動ける。」

「ウェンディもいてくれたらもう少し回復できたんでしょうけど。」

「本体は合流できたといいけどな・・・・・・。」

グレイさんとジュビアさんと俺はそんな話をする。

「それにしても、不気味な月だな」

赤く光る月を見上げてフリードさんがそう言う。

月蝕(エクリプス)か・・・。」

ラクサスさんがそう言う。




























一方、エクリプスの方では・・・


「見ろ!!」

「オオッ!!」

「人類の希望の扉が開く!!」

「勝利の扉が開くぞ!!」

王国軍達は開かれていく扉を見て騒ぎ立てる。

「すごい魔力だね。」

「ヒゲがぴりぴりする~!!」

「確かにこれなら、ドラゴンを一掃できるかも」

「これほどの魔力が1ヶ所に。」

エクシード達はそう言う。

「これで、未来は救われるんですよね?」

「うん。」

「だと・・・いいけどな・・・。」

「ああ・・・。」

俺と未来の俺は、どうしても・・・あの言葉が気になっていた。













『お前はこの計画の1番の障害となる!!』


















「(あれは一体、どういう意味だ・・・?)」

未来のローグの言葉にどうしても気になっていた。

「ルーシィさん?」

ウェンディの方を見ると、ルーシィさんは1歩ずつ、前に歩いていた。

「ダメ・・・。」

「え?」

「?」

「扉を開けちゃ・・・ダメ・・・今すぐ、扉を閉めなきゃ・・・・・・。」

「「「「「「「!?」」」」」」」

急にルーシィさんがそんな事を言うのだった。

「扉を閉めて!!!今すぐ!!!!その扉を開けちゃダメ!!!!」

「ルーシィさん?」

「どうしたの急に?」

ルーシィさんの言葉にウェンディとハッピーがそう言う。

「・・・え・・・。」

「?」

「未来の、ルーシィさん?」

未来のルーシィさんも様子がおかしかった。

「そういう・・・・・・事なの・・・!?」

何か驚いている様子だ。

「どうしたんですか、ルーシィさん?」

未来の俺が未来のルーシィさんに問いかける。

「コージ!ルーシィがお姫さんと口論になってるよ!!!」

ミントの声に俺は振り向く。エクリプスの事だろう。

「あれは兵器なんかじゃない!!!!あの扉は、400年前と繋がって・・・」


ゴゴオン!!!!


「!!」

何か、足音のような音が聞こえた。

「何!?」

「うわぁ!!」

「「きゃあ!!」」

「すごい地響きだ!」

「一体何が起きた!?」

俺達は、音をした方を見る。


























一方、中央広場では・・・


「何だ?」

音が聞こえ、俺達全員が城の方を向く。

「城の方だ。」

「例のエクリプスとやらか?」

エルフマンさんとグレイさんがそう言う。

「嫌な予感がする・・・。」

そう言ったのはシャンディーだった。

「ちょっと僕行ってくる!!!」

「シャンディー!?」

「俺が追いかけます!!!」

俺は急いでシャンディーを追った。





























一方、エクリプスでは・・・


「姫!!」

「私は大丈夫です。」

ヒスイ姫は先ほどの地響きで、膝をついていた。

「ああ・・・。」

「遅かった・・・。」

「そんな・・・」

「嘘だろ・・・。」

ここにいる俺達全員が目を疑っていた。俺達が目にしたのは・・・




























「グオオオオオ!!!!」

「扉から、ドラゴンが・・・・・・」

エクリプスから、ドラゴンが現れたのだった。

「オオオオオオ!!!!」

ドラゴンは大きく咆哮をする。

「うあー!!」

「ぐはっ!」

「ぎゃあ!!!」

「ひぇー!!」

「ああ!!」

咆哮で、兵士達は飛ばされ、地面にはヒビ割れが起き、
近くにあった石像は粉々になった。。
俺達は、俺はウェンディとルーシィさんを、
未来の俺は未来のルーシィさんを、飛ばされないように手を握った。
エクシード達は、シャルルとミントが俺の、
リリーとハッピーは未来の俺の、服を握って飛ばされないようにしていた。


ドッ!!!!


ドラゴンは足を1本を地面に叩きつけるかのように踏む。



ドドドドドドド!!!!


叩きつけた力がまるで衝撃波の様になり、街にある建物を粉砕した。

「これ程・・・・・・・・・なのか。」

ヒスイ姫を抱えたままのアルカディオスさんはそう言う。

「ウソだ・・・こんなの・・・」

「勝てる訳ねえ・・・」

「何だよコレ・・・」

兵士達はドラゴンの力に恐怖を持つ。当然と言えば当然だが・・・。

「これが、あの時に起きた事なのか・・・・・・!?」

「そういう・・・事、だったんだ・・・。」

未来の俺とルーシィさんは自分達の未来で起きた事を言う。
きっと同じだったんだろうな・・・。

「何だと!!?」

「こんな事になってたんだ!!!」

「分身の俺に、シャンディー!?」

俺はそれに驚く。

「嫌な予感がしてきたんだよ。まさかここから気配を感じるなんて!!」

「おまけに衝撃波のようなもんがきて、危なかったぜ!!!」

シャンディーと分身はそう言う。

「もう1頭出てきた!!!!」

「どうなってやがる!!!?また出てくるぞ!!!!」

エクリプスの扉からまた別のドラゴンが現れた。

「このままだと、まずいよ!!!!」

シャンディーがそう言う。

「扉を閉めるしかない!!!」

「やるしかないな!!!」

俺と分身はエクリプスの扉の俺が左側、
分身は右側に行き、扉を絞めよとする。

「ふぐぅぅぅぅっ!!!」

「何て重い扉だ!!!!」

だが扉はビクともしなかった。

「扉はどうやって閉めるの!!?」

いつの間にか、ルーシィさんがヒスイ姫の元へ行き、
エクリプスの扉の開け閉めの方法を聞いていた。

「早く!!!!」

「!そ・・・そこの台座で・・・」

その台座は俺の近くにあった。

「これか!!!」

俺はすぐに台座へ行き、トリガーを見つけ、引くが・・・

「何!?これも動かねえ!!?」

こっちもエクリプスの扉と同じぐらい固いのか、ビクともしなかった。

「オオオッ!!!!」

またもドラゴンが出てきて、咆哮を放つ。

「あぅ!」

ルーシィさんが咆哮によって押された。

「ルーシィさん!!!急いで!!!」

「うん!!!」

ウェンディが押されていくルーシィさんを支えてくれた。
ルーシィさんは急いで、俺が今いる、台座のトリガーの元へ来た。

「うわーーーーー!!!また出てきたーーーーっ!!!」

「姫を守れーーーー!!!」

「退くなーーーーーっ!!!」

またエクリプスの扉から、ドラゴンが1体、出てきた。

「このトリガーを引くのね!!!!星霊魔導士の力で・・・!!!!」

「頼みますよ!ルーシィさん!!!」

ルーシィさんはトリガーを引くが、同じようにビクともしなかった。

「クソ!何で動かねえ!?」

俺は腹が立つように言う。今の状況、マジでヤバいから!!!

「ルーシィさん!!なんで気が付いたんですか!!?」

ウェンディが大声で、ルーシィさんに尋ねる。

「あたしじゃない!!クル爺がずっと調べてたの!!」

「あの、考えてる時には寝てる、星霊の・・・?」

「で・・・さっきこの扉の解析が終わった。
 これはゼレフ書の魔法と星霊魔法が合わさった装置なの!!
 本来なら時間座標を指定して時間を移動できるんだけど、
 今日だけは特別に・・・あの月が魔法を狂わす!!」

「・・・月蝕!」

ルーシィさんの言葉に俺はそう言う。

「ルーシィさんの方も・・・?」

「・・・ええ。」

未来の俺と未来のルーシィさんがそんな事を言っていた。
未来のルーシィさんも一応、会話ができたって事か・・・。

「そのせいで、この扉は制御が効かなくなってる!!
 400年前・・・つまりドラゴンがいる時代と繋がっちゃったの!!!!」

「そういう事なのか・・・!!!!」

ルーシィさんの話に俺は納得する。

「また1頭現れたぞ!!!」

「岩だ!!岩が動いてる!!」

またエクリプスの扉からドラゴンが現れる。

「くっ!」

「こんのぉ・・・!!!」

トリガーはビクともしない・・・!!!

「ルーシィさん、お兄ちゃん!!!扉はまだ閉まらないんの!!?」

「早くしてよーー!!!」

「次から次へとドラゴンが出てくるよォ!!!」

ウェンディ、ミント、ハッピーが俺とルーシィさんに向かってそう言う。

「閉めようとしてるけど・・・!!!
 このトリガーがぜんぜん動かねえんだよ!!!!」

「何で!?何で扉が閉まらないの!!?」


ズシン!!!!


「あぁん!!!」

「ルーシィさん!!!」

エクリプスの扉から現れたドラゴンの足が大きく踏み、
その風圧でルーシィさんが飛ばされた。


ガシッ!!!


「こんのぉ・・・!!!」

飛ばされたルーシィさんを支えてくれたのは俺の闇分身だった。

「すみませんが・・・そろそろ限界みたいなので・・・!!」

「うん!!ありがとう!!!!」

「ご運を、祈っています!!!」


ボォン!!!


闇分身は消えてしまった。

「うぎいいいいいい!!!!」

「うおおぉぉぉぉっ!!!!」

もう1度トリガーを引くが、やっぱり動かない。


ガシッ!!!


「「!?」」

「なってたまるかよ・・・!!!!」

「あたし達と・・・同じ未来には、絶対にさせない!!!!」

「「未来を守る!!!!」」

未来の俺とルーシィさんが、トリガーに掴み、そう言う。

「やるしかないな!!」

「そうね!!!」

俺達はトリガーを引く。

「「うぬぅぅぅっ!!!」」

「「んーーーーーー!!!」」

俺達は力いっぱいトリガーを引くが、全然動かない。

「扉からドラゴンが溢れてくる!!」

俺達の努力とは裏腹に、ドラゴン達はさらにやって来る。

「ど・・・どうすればいいの~~~~!!!!」

「早く止めないと!!!」

「・・・本当にまずいね。」

「シャンディー!!アンタの力じゃ、どうにかならないの!!?」

「簡単に言わないでよ。僕だってそんなに万能じゃないんだから。」

シャルルの言葉にシャンディーがそう言う。

「ルーシィ、コージ!!!!早く扉を閉めてー!!!」

「わかってんだが・・・!!!」

「全然・・・動かねえ・・・!!!!」

ハッピーの言葉に俺と未来の俺がそう言う。

「星霊魔導士の力が足りない。」

アルカディオスさんはそう言う。

「私がいます!!!!」

この声は・・・!!!

「ユキノ!!!」

「ミラさん!!」

声の主はユキノさん。服装が大魔闘演武の時の格好になっている。
さらにユキノさんの後ろに、ミラさんもいた。

「ルーシィ様!!黄道十二門の鍵を出してください!!!」

「!?」












































「私の鍵と合わせて、十二の鍵で扉を封じます!!!!」

ユキノさんは大声でそう言った。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。今回の話はいかがでしょうか?
本来でしたら、もう少し出そうと考えたのですが、
早く出したいが為、ここまでにしました。
次回はドラゴンとの対決となります。お楽しみに!! 
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