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Blue Rose

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第四十五話 成敗その六

「世襲制の独裁国家ですね」
「共産主義といいつつね」
 こうした有り得ない国家も存在している、勿論マルクスはこうした国家を徹底的に忌み嫌っていた。しかいその国はそうした国なのだ。
「そうした国で」
「テロやって核兵器開発して」
「しかも、よね」
 副所長はさらに言った。
「偽札に麻薬もあるわね」
「まさか」
「前者はどうか知らないけれど」 
 それでもというのだ。
「後者は我が国でも出回っているわね」
「問題になっていますね」
「流石にこのことは誰も擁護しないけれどね」
 その国を擁護している者達もだ、衝夫や鍛冶元の様な輩でもだ。
「スルーはしているけれどね」
「擁護しなくても言わないことは出来ますからね」
「そうね、そしてその麻薬絡みはね」
「若しかして」
「過激派の資金源になっているかも知れないわね」
「それ本当ですか?」
「私は知らないわ、ただ過激派の中にはね」
 副所長はこうも言った。
「実際にね」
「やっている奴が、ですか」
「いるかも知れないしね」
「あの先公や新聞記者もですか」
「本人達は使っていなくても」
「ルートとか誰が使っているかとか」
「知っていればどうかしら」
 その場合はというのだ。
「それを喋りそうなら」
「ああ、ルートなりを警察に掴まれたくないので」
「わかるわね」
「その可能性もあるんですね」
「そうよ」
 まさにとだ、副所長は岡島に話した。
「その場合もあるわ」
「そうですか」
「ああした連中は自分のことしか考えないわ」
 衝夫や鍛冶元の様な輩はというのだ。
「革命だの民主主義だの言っていてね」
「実は、ですね」
「自分のことしか考えないで」
「自分さえよければですね」
「いいから」
 そうした連中だからだというのだ。
「自分が絶対で自分の主張だけが絶対でね」
「仲間もですね」
「普通に消すのよ」
 所謂総括である、仲間内での粛清は浅間山荘事件で驚愕と共に知られたがこうしたことは実際にあったのだ。
「ナチスやソ連もそうで」
「あの国もそうですしね」
「そう、そしてね」
「我が国の過激派も」
「そうよ、だからね」
「連中は仲間でも平気で消しにかかりますか」
「そうしてくるから」
 だからというのだ。
「あの人達に会うのは最後かも知れないわね」
「刑務所の中でも安全じゃないですか」
「昔から獄死は多いわ」
 牢獄、刑務所の中で死ぬことがというのだ。
「そしてその中にはね」
「消されることもですか」
「多かったのよ」
「じゃあ」
「ヤクザ屋さんの世界でもあるそうだし」
 刑務所に入れば安全と思えばそこでだ、刺客が送られてそのうえで消される。こうしたこともあるとのことだ。 
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