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レインボークラウン

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第四百十三話

               第四百十三話  胸は
 母は最近毎日熱心に牛乳を飲む美樹に言った。
「牛乳はどんどん飲んでいいわよ」
「そうしていいの」
「ええ、成長期だし」
 母は美樹にさらに言った。
「それにスタイルもお肌もよくなるし」
「お肌もなのね」
「ええ、そうよ」
「お肌にもいいの」
「それに胸も大きくなるし」 
「お母さんも胸のこと言うわね」
「だって本当のことだから」
 娘にこうも言うのだった。
「牛乳を飲むと胸が大きくなることはね」
「そういえばお母さんも」
 美樹は母の胸を見た、実は美樹は母親似であり背が高くすらりとしていてそれでいて胸が大きい。見事な容姿である。
「胸大きいわね」
「そうでしょ、実はね」
「牛乳を飲んでなの」
「貴女位の時にね」 
 つまり小学校高学年の時にというのだ。
「一生懸命飲んでたの」
「胸を大きくしたいから?」
「骨が強くなるって聞いてよ。怪我したくなかったから」
「ああ、カルシウムね」
「牛乳はカルシウムが多いから」
「だから飲んでたの」
「今の貴女みたいにね。そうしたらね」
 牛乳を必死に飲んだ結果というのだ。
「胸が大きくなったわ、だからね」
「私もなのね」
「牛乳飲んだらいいわ」
「胸を大きくしたいのなら」
「背を高くしたくてもお肌を奇麗にしたくても」
「とにかく牛乳なのね」
「そして健康になりたかったら牛乳よ」
 とにかく、という口調での言葉だった。
「ルックスについてもね」
「牛乳飲まずしてって感じね」
「はっきり言ってそうよ」
 母も否定しない。
「牛乳を飲んだらかなり健康に近くなるわよ」
「ううん、牛乳って凄いのね」
「だってそれだけで赤ちゃん育てるのよ」
「牛の赤ちゃんを」
「だから栄耀も凄いのよ」
「そういうことなのね」
「どの生きもののお乳もだけれどね」
 牛に限らず、というのだ。
 母は娘にこう話した、何につけても牛乳を飲むことはいいことだとだ。そして美樹も母のその言葉を頭の中に入れた。それも強く。


第四百十三話   完


                    2017・1・19 
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