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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
第1章誕生!最強ライダー編
  第21之巻『静まるオロチ』

前回の、仮面ライダーディロードは─
ガタックの一派にカブトの動向を伝えた雅は、クロックアップに対抗する為に世界を移動。しかし、戻って来た頃には手遅れで、カブトの戦いに決着が着いていた。


「ザンキさんのカード…ということは、この時間軸は僕と面識があるのか…」
雅は、仮面ライダー斬鬼のライダーカードと変身アイテムの音枷のカードを見ながら呟いた。
「雅さん、今度は、どんな世界何ですか?」
圭一は雅に質問する。
「この、『仮面ライダー響鬼』の世界には、魔化魍と呼ばれる妖怪がいて、それを退治出来るのは鬼と呼ばれる清めの音を奏でる戦士しかいない。響鬼とは、その清めの音を奏でる仮面ライダーのことなんだ。」
「妖怪って、そんなにやばいんですか!?」
「ああ。妖怪の多くは、自然現象や古くからの因習、捨てられた物が殆どで、人間が太刀打ち出来るようなモノではない。とにかく、僕は今からヒビキさん達の所に行って来る。ここで待機していてくれ。」
雅は一人出て行く。

「いらっしゃい。って、雅君!久しぶりだねぇ。調子はどうだい?」
雅は、鬼達の拠点である甘味処『たちばな』に寄ると、鬼達をサポートする組織『猛士』の関東支部のリーダー、立花勢地郎が挨拶をする。
「お久しぶりです、立花さん。ヒビキさん達は?」
「ああ、ヒビキ君は京介君の指導をしているところだよ。」
「あの京介さんが…。」
「とりあえず、イブキ君達はいるから先に話しておこう。」
「ありがとうございます。」
雅は、立花とともにたちばなの隠し扉を潜って地下に降りる。

「お久しぶりっす、雅君!」
「久しぶり。」
雅達が地下に入ると、イブキとトドロキも挨拶をする。
「お二人とも、お久しぶりです。」
雅も握手を交わしていると、ヒビキと弟子の京介も帰ってくる。
「お、久しぶり。」
「こちらこそ、お久しぶりです。」
ヒビキと雅は互いに挨拶をするが、
「お前誰?」
京介は雅に露骨に嫌な態度をとる。
「京介、彼は凪風雅っていう人で以前俺達をサポートしてくれた人だ。」
「それじゃあ、鬼になろうとして失敗して逃げた奴か。」
ヒビキの説明を京介は誤解して受け止め、
「そうじゃなくて、俺達以外の人のサポートもしないといけないのが雅の役目なんだよ。ほら、雅も何か言ったらどうだ。」
ヒビキは京介を叱る。
「京介さん。僕がどんな人か、後でよく観ているといいです。それで、僕が再びここに来た理由は、オロチ現象を終わらせる為ですが、立花さん、資料はありますか?」
「ああ。これを観て欲しい。」
立花はオロチ現象に関する古文書を見せる。
「これって!」
「そう。オロチを鎮めるには宗家の跡取り、つまりはイブキ君に行ってもらう必要があるんだ。イブキ君、出来るね?」
立花はイブキに問う。
「……はい。……必ず、成し遂げてみせます。」
立花の質問に、イブキは怯えるように答えた。
「日程としては明日の朝を予定している。頼んだよ、イブキ君。」
「…わかりました。」
「みんなも、明日は頼んだよ。」
立花はそう言い、書庫に籠もった。
「ヒビキさん、こちらでの感覚を取り戻したいので、稽古をつけてもらってよいですか?」
会議が終わり、雅はヒビキに頼み事を言う。
「おっ、いいぞ。京介、丁度いい機会だ。雅の戦い方を観て損はないぞ。」
「わかった。それなら観てあげるよ。」
雅の頼みにヒビキは応え、京介もついて行った。

「よし、じゃあ始めるか。」
ヒビキは自身の変身アイテムである音叉、音角を鳴らし紫の炎に包まれ、仮面ライダー響鬼に変身した。
「それでは、よろしくお願いします。」
【CHANGE RIDE-HENSHIN KIGEN ONKA-】
雅はディロードライバーに音枷のカードをスキャン。音枷を左腕に装着して弦を奏で、仮面ライダー斬鬼に変身した。
「おっ、ザンキさんになれるようになったんか。それじゃ、遠慮せず行かせてもらうぜ。」
響鬼は桴型の音擊武器、烈火を両手に持ち、斬鬼に烈火弾を放つが、斬鬼は雷のパンチ、雷撃拳で全て撃ち落とす。
「やるなぁ。それなら、これならどうだ!」
響鬼は烈火に炎のエネルギーを溜めた刃、烈火剣を作り攻撃しにゆくが、斬鬼は音擊武器の烈斬を盾のように扱い烈火剣の炎を消し去る。そして、響鬼が間合いに入ると同時に斬鬼は烈斬の柄で響鬼を攻撃し、響鬼は変身を解除した。
「とりあえず、こっちでの感覚は取り戻せたか?」
「はい!ありがとうございます、ヒビキさん。」
雅も変身を解除しヒビキに礼を言う。
「なるほどね。たしかに君は強いみたいだ。」
二人の稽古を観ていた京介は悔しそうにそう言った。
「さ、明日は早い。とりあえず今日は帰るか。雅は、たちばなに寄るか?」
「いいえ、帰ってあの子達のご飯を作らないといけないので。」
「そうか。じゃ、明日は遅れるなよ!」
ヒビキはそう言って、京介を引っ張って帰る。それを確認すると、灰色のオーロラが出現し、G電王が現れる。
「不正な次元渡航を行う仮面ライダー、ディロード。お前を逮捕する。」
G電王は問答無用で攻撃を仕掛けてくる。
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「いきなりか。変身!」
雅はG電王の攻撃を避け、ディロードに変身する。
「G電王の必殺技は防御。変な攻撃さえしなければ。」
ディロードはロードスラスターで攻撃を続け、G電王に攻撃の隙を与えず、オーロラに詰め寄ってG電王をオーロラの中にたたき返し、オーロラを消滅させて変身を解除する。
「さて、早く帰らないと。」
雅はワープのアタックライドで帰ってゆく。

「ただいま。」
「おかえりなさい雅さん。」
雅が帰ると、圭一が出迎え、中に入ると既に夕食の準備が済んでいた。
「みんな、これは?」
「そろそろ俺達も、久しぶりにご飯を作りたくなったってだけですよ。」
「ありがとう。そうだ、フェイト。」
「どうしたの、雅?」
「明日のオロチ現象の解決に、協力して欲しい。空からの攻撃に対処できるのはフェイトしかいない。」
「わかった。私でよければ、雅の力になる。」
「ありがとう。それじゃあ、長引かせて悪かった。ご飯にしよう。いただきます。」
雅達は夕食を食べ、翌日に備えた。

翌日、雅はマシンディローダーの後部にフェイトを乗せ、ヒビキ達と合流する。
「では、いきましょう。」
雅達はオロチ現象を封じ込める事が可能な巨大鬼石のある場所へ向かう。

「ん?あれは。」
移動中にヒビキはイブキ達を止め、魔化魍がいたと伝える。
「少し数がいたみたいだから、イブキとトドロキの方で頼めるか?俺達は先に向かっているから。」
「ありがとうございます、ヒビキさん。」
ヒビキの言葉で、イブキとトドロキは十字路を曲がり、ヒビキの指した方角へ向かう。
「行くぞ、雅。」
ヒビキと雅はそのまま現場に向かう。

「ここが、巨大鬼石のある場所か。」
雅達は辺りを見渡す。すると、
「ようやく逢えたね、仮面ライダーディロード!」
何処からか声が聞こえ振り向くと、そこにはコートに帽子といった、いかにも旅人ルックの中年男性がいた。
「鳴滝!何故あなたがここに!」
「決まっているだろう!君を排除する為さ!君の持つワールドホープは世界のバランスを乱す。放置する訳にはいかないからね。さあ、君には来てもらおう!」
鳴滝はそう言うと、雅を灰色のオーロラで連れ去ってしまう。
「雅!」
フェイトは雅を探すが、
「仕方がない。俺達二人でやるか!」
ヒビキはそう提案し、戦闘態勢に入る。
「俺が清めの音を叩く!援護はまかせた!」
響鬼は早くも装甲(アームド)響鬼に変身し清めの音を巨大鬼石に流す。そのタイミングで伊吹鬼達がやって来る。
「やっぱり、ヒビキさんは自分でやるつもりで!」
伊吹鬼はそう言うと響鬼の援護にまわる。
そうして、響鬼達に圧倒的な消耗戦から五分が経ち、雅が灰色のオーロラから現れる。
「皆さん、済みません!フェイトも、ありがとう!」
【KAMEN RIDE-DELOAD-】
「変身!」
雅はディロードに変身し、響鬼達に白紙のカードを渡し、
「集え、世界の願い!」
【WORLD HOPE-KAMEN RIDER HIBIKI-】
響鬼の世界のワールドホープを発動。ディロードライバーから清めの音が音波となって放たれ、響鬼に近づく魔化魍を一掃してゆく。
「よし、これならいける!」
響鬼は清めの音を叩くのに集中する。魔化魍は再び大群で押し寄せるが、ディロードの音波によって撃破されてゆき、
「これで、終わりだ!」
響鬼が清めの音を叩き終え、オロチ現象は完全に封印される。
「さて、僕の役目も終わりですね。」
雅達は既に変身解除し、話している。
「やっと久しぶりに会えたのに、寂しいっすよ!」
トドロキはそう言うが、
「雅君には、まだ行かないといけない所があるから、仕方ないですよ、トドロキさん。」
イブキはそう返す。
「それでは皆さん、お元気で!」
雅は、ヒビキ達に別れを告げて世界から去っていった。

「ただいま。」
雅とフェイトが帰ると、
「おかえりなさい!」
待機していた圭一達が出迎え部屋に入ると、普段よりも豪華な食事が用意されていた。
「みんな、これは?」
「私達、雅がいない間に仮面ライダーの事を調べていて、丁度平成ライダーの折り返し地点だから、雅にご馳走してあげようと思って。」
雅の質問にフェイトは答え、
「料理は私と梨花で作りましたので、味は保証できましてよ。」
「たまには、雅も息抜きくらい必要よ。カブトの世界の時に、随分大変だったみたいだしね。」
沙都子と梨花がそう付け足した。
「ありがとう、みんな。ありがたくいただくよ。いただきます。」
雅達は食事を摂る。

「そう言えば、あの時鳴滝って人に連れ去られて雅はどこに行っていたの?」
フェイトはそんなことを聞く。
「ああ、かなり過酷な世界に飛ばされていた。その時の事でも話そう。」
雅は、口をあける。

静まるオロチ 終


次回、仮面ライダーディロード
雅が飛ばされた世界、それは仮面ライダー同士を無理矢理戦わせる世界。次回『ハイパーEXステージ』 
 

 
後書き
新カード紹介
仮面ライダー響鬼(ワールドホープ):ディロードライバーから清めの音を放ち魔化魍を倒し、響鬼をサポートする。 
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