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提督はBarにいる・外伝

作者:ごません
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提督はBarにいる×ガンバスター編・その2


「あふっ……あふいけど、やっぱりタコヤキは美味しいわ!」

 ハフハフと言いながらたこ焼きを頬張るビスマルク。左手に持つのは熱々料理のお供、スーパードライだ。他のメーカーのビールも良いが、キンキンに冷やした時の旨さはスーパードライがダントツだからなぁ。

「おいおい、あまりがっつくなよ?金城のマスターが一品で終わる訳が無いからな」

 良く解ってるじゃねぇか、蔵井大佐。そんな事を言っているが、ハイボール片手に美味そうにたこ焼きを頬張っているのだから説得力が皆無なのがなんとも。

「じゃあ次な。今度はタコの代わりになる食材を入れてある。食べて当ててみな」

 そう言って俺はたこ焼き?を皿に盛り付けて出してやる。しかし、上にかけてあるのはソースとマヨネーズではなく、ケチャップとマヨネーズ、それにパセリだ。

「随分と変わった物をかけてますねぇ。じゃあ頂きま~す……ん!中の具が伸びてます!」

 プリンツ、たこ焼き?の半分にだけかじりついて中を見ようとしたらしい……が、今回の中身じゃあそれは失敗だろうな。

「これは……モチとチーズが入っているのか?」

「ご名答。『特製もちーずたこ焼き』だ」

 まぁ、たこは入ってねぇが……見た目はたこ焼きだからな。昔のゲームにもミタ・メ・タコなんて敵キャラも居たし、その辺は勘弁してくれ。

《お子様にも〇!もちーずたこ焼き》

・ピザ用チーズ:適量

・切り餅:適量

・卵:2個

・塩:少々

・昆布茶:小さじ1

・ほんだし:小さじ1

・醤油:小さじ1

・氷水:500cc

・薄力粉:150g

・長ねぎ:1/2本

・揚げ玉:適量

・桜えび:適量

・マヨネーズ:適量

・ケチャップ:適量

・パセリ:適量

※大人だけで楽しむなら、紅生姜も入ると酒の肴になるぞ


 さて、作っていくぞ。まずは材料のカットから。長ねぎはみじん切り、切り餅もたこ焼き器の穴に入る大きさにカット。紅生姜も入れるなら水気をよく切ってからみじん切りに。ピザ用チーズもそのままだとたこ焼き器の穴に入れにくいので細かくしておくと楽だぞ。

「そう言えば、何でこのレシピはタコが入ってないの?darling」

 客人の4人同様、たこ焼きに舌鼓を打っていた金剛が尋ねてきた。

「元はガキの頃に弟の為に作ったレシピでな。まだ小っちゃかった弟にゃ、タコが噛みきれなかったんだ」

 それでたこ焼きは禁止されていたのだが、どうしても食べたいとごねた弟の為に作ったのがこのもちーずたこ焼きだった。

「ふーん……怖い顔してる割に、弟想いなのね」

 一言余計だぞチクショウめ。客とはいえ失礼発言のビスマルクをよそに、調理を進めよう。お次は生地の仕込み。ボウルに卵を溶き、昆布茶、ほんだし、塩、醤油、氷水を100cc加えてよく混ぜる。薄力粉を(出来ればふるって)入れ、よく混ぜながら残りを氷水を少しずつ足しながら伸ばしていく。前回のたこ焼の生地同様、ダマが出来ないように気を付けよう。
 

 さぁ焼くぞ。たこ焼き器にオリーブオイルを全体に塗って、揚げ玉を穴の中に入れる。続いて生地を穴の8分目まで入れたらネギ、モチ、チーズ、桜えび、(入るなら)紅生姜も入れる。生地を穴から溢れる位足し入れて、後はたこ焼きと同じ要領で焼いていく。こんがり焼けたら皿に取り、ケチャップとマヨネーズ、パセリを散らして。……勿論、ソースマヨも美味いぞ。

「ふむ……タコが入ってないのは残念だが、これはこれで中々」

 意外とたこ焼き生地が美味いから、タコが入ってなくても料理として完成されてるんだよなぁたこ焼きって。

「そう言えば、たこ焼きの仲間に艦娘の名前が付いたのがあるんですよね?」

「艦娘の名前……あぁ、明石焼きか。あれも結構美味いよなぁ、フワトロで」

 俺がそう語ると、食べたいと言わんばかりに目を輝かせているプリンツ。……何というか、ビーグルとかそんな感じの犬に見えてきたぞ。首輪してるし、多分尻尾付いてたら今ブルンブルン振られてそうだ。

「解った解った、作ってやるから待ってな」


《卵なし!?なのにフワトロ明石焼き風》

・薄力粉:150g

・出汁(鰹ベースの合わせ出汁):400cc

・牛乳:30cc

・マヨネーズ:大さじ1

・タコ:適量

・青ネギ:適量

・つけだし:適量



 今回は時間短縮の為に卵を使わない生地を作る。別名卵焼きとも呼ばれる明石焼きだが、今回のレシピは明石焼き『風』とでも思ってくれ。生地は牛乳とマヨネーズ、薄力粉をよく混ぜたら、出汁でダマを作らないようによくかき混ぜながら伸ばしていく。ポイントは牛乳とマヨネーズで、牛乳のタンパク質とマヨネーズの中の卵で生地をフワッとさせ、尚且つマヨネーズでコクをプラス。少し生地を寝かせた方が美味しく仕上がるが、今回は省略。

 たこ焼き器に油を塗り、生地をたっぷりと流し込んだらタコを入れ、たこ焼きと同じ要領で焼いていく。生地が柔らか目なので型崩れしないように気を付けてやろう。焼き上がったらお椀につけだしを注ぎ、そこに焼き上がった明石焼きをIN。青ネギを散らしたら完成。

「はいよ、『明石焼き風たこ焼き』だ。時間が無かったんでな、多少の手抜きは勘弁してくれ」

「ふわぁ……オムレツみたいにフワフワですよビスマルク姉様!」

 出汁のよく染みた明石焼きを、器用に箸で摘まんで口に運ぶプリンツ。その頬が出汁を吸った明石焼きのようにユルユルだ。そんな様子を見ていてリクエストしたくなったのか、グラーフが口を開いた。

「マスター、ビールに合うタコヤキ……というのは出来るだろうか?勿論、普通のタコヤキでもビールには合う。しかしもっとビールに合う味に仕上げられるか?」

「勿論、ウチは酒呑みの要望は断らねぇのさ」



《外道と言わないで!たこチーQちゃん焼き》

・たこ焼き粉:150g

・卵:1個

・水(又は薄い出汁):450cc

・たこ:80g

・キュウリの醤油漬け(Qちゃん):30g

・ピザ用チーズ:60g

・青ネギ:大さじ3

・マヨネーズ:お好みで



 奇想天外な組み合わせだが、たこにキュウリのQちゃんとチーズを合わせたたこ焼きだ。Qちゃんとチーズの塩気が味付けになっている為、ソースなしで食べるたこ焼きだ。

 生地から作っていくぞ。たこ焼き粉と卵を混ぜ、水を少しずつ加えて伸ばしていく。ダマを作らないようにするのは、最早お決まりだな。

 次に具材の準備。たこは一口大にカットし、ピザ用チーズも刻んでおく。Qちゃんは1枚を半分にするようにカット。ネギや紅生姜は入れず、入れるとしたら揚げ玉位かな。

 さぁ、焼いていくぞ。たこ焼き器に油を塗って熱したら、生地をたっぷりと流し込む。穴の1つ1つにたこ、半分にしたQちゃん、チーズを入れていき、後はたこ焼きと同じ要領で焼いていく。チーズが入る分焦げやすくなってるから注意な。

 こんがり焼けたら皿に盛り付け、青ネギを散らしてやれば完成。

「はいお待ち、『特製たこチーQちゃん焼き』だ。中の具がしょっぱいから、ソースかける前に味見してな」

 皿を受け取ると、興味深そうに1つ口に放り込んだグラーフ。熱々の生地を破ると、トロトロのチーズとパリッとしたQちゃん、そこにタコのクニュクニュとした食感がやって来る。少し塩気が強いだろうが、酒の肴にゃそのくらいが丁度いい。

「マスター、このパリパリした物はなんだ?」

「あぁ、そりゃQちゃんだ。キュウリの漬け物……醤油で漬けたピクルスの親戚みたいなモンかな?」

「ピ、ピクルス!?タコヤキにはそんな物を入れても美味いのか!?」

「いや、実際今食べてるじゃないの。それが美味いのかどうかが答えだろ?」

 俺がそう言うと、ウッと言葉を詰まらせるグラーフ。黙り込んだ所を見るにどうやら美味かったらしい。酒にも合うようで、飲んでいたビールのジョッキを干している。……あぁ、勿論Qちゃんは醤油味だから、ビール以外にも冷酒や焼酎なんかもマッチするぞ。 
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