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恋女房

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第七章

「それでもか」
「ああ、恋女房みたいやな」
「それやったら御前が亭主か」
「そうなるか、悪いことして刑務所に入ってた」
「網走のか」
「そや、そこや」
 笑ってあんこうに言う。
「御前はそこから出たばかりの亭主や」
「それで御前は恋女房」
「そうなるな」
「それはそれでええか」
「それやったらええか」
「これからもやな」
「二人に戻った、ほなな」
 本来の状況に戻ったからにはというのだ。
「思いきりやるで」
「ガンガンやるか」
「二人でお笑いの頂点掴む、そしてや」
「頂点のさらに上を目指すか」
「そうするで、わしと御前でな」
「よし、ほなやるか」
 あんこうも話に乗った、無論彼も頂点を目指してそこから先に昇っていきたいのだ、漫才師としてのそれにである。
「御前っちゅう恋女房おるしな」
「わしも御前みたいな亭主がおる」
「二人でやってこか」
「二人やないとあかんしな」
 二人で退所と復帰祝いの乾杯をビールの大ジョッキでして思いきり飲みながら誓い合った。ふぐはあんこうが戻ったことを心から喜んでいた。それはまさに恋女房のものだった。


恋女房   完


                         2016・6・17 
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