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特別号 密着取材!ひーちゃんの秘密に迫る

作者:ponde-ma-lion
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那智滝

【那智滝】

 弥勒「…ふむ」

 壬生「む、先客がいたか」

 弥勒「壬生か」

 壬生「……」

 弥勒「……」

 壬生「…町でこんなものを見つけてな。思わず買ってしまった」

 弥勒「…瓦版?……ふ、ひーちゃん特集か…」

 壬生「ああ。俺も人が居る場所で読むには少し気恥ずかしくてな…」

 壬生「ここなら誰も居ないだろうと踏んだんだが…」

 弥勒「……俺も読ませてもらっていいか?」

 弥勒「今少し行き詰まっていてな…滝を見るよりもいい気分転換になりそうだ」

 壬生「無論だ。…その代わり他言無用で頼む」

 弥勒「安心しろ。気安く話す相手など居ないからな。…彼以外に」

 壬生「ふ、案外似た者同士なのかもしれないな。俺達も」



【織部神社】

 醍醐「むぅ…」

 劉「むむ…」

 葛乃「…何してんだい、あんたたち?人の神社で」

 醍醐「む、葛乃殿か」

 劉「織部聞いてくれ。醍醐が中々読もうとしないんだ」

 葛乃「何をだよ…ん、瓦版?」

 葛乃「なになに?ひーちゃん特集!?アッハッハ、たー坊ったら大人気だねェ!」

 劉「早く読もうって言ってるんだけどあーだこーだ言って読まないんだ」

 醍醐「あーだこーだとは何だ。俺はだな、これだけ長い間一緒に過ごしてきた仲間のことを」

 劉「またか!じゃあもう俺だけで読むから渡してくれよ!」

 醍醐「そしたら尚更気になってしまうだろう!」

 葛乃「かァー!ホント馬鹿だねェアンタ達」

 劉「馬鹿とは何だ!この前皿割って爺ちゃんに叱られてたくせに!」

 葛乃「んな!何でアンタがそんなこと!」

 葛乃「あァもう!要するに醍醐の坊さんは長い間過ごしてきたのに理解してやれなかったことがあるかもしれないって」

 葛乃「それをウジウジ悩んでんだろ!?」

 醍醐「む、うじうじとは心外だ。大体俺は」

 葛乃「うるせェ!男なら言い訳すんじゃないよ!」

 葛乃「いいじゃないか知らないことがあったならそれでも。これから知っていきゃいいことだろ?」

 葛乃「それに長いこと一緒に居たからって全部なんか理解できるわきゃないんだよ」

 醍醐「…そうだな。俺が傲慢だったかもしれん」

 劉「葛乃の言う通りだ。だから早く読もう!」

 葛乃「こいつには全然響いてないようだね…」

 葛乃「まァ良いや!ほんじゃ折角だからあたいも読ませてもらおうかねェ!」


 
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