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Fate プリズマクロエ お兄ちゃん強奪計画

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イリヤと美遊の友情、壊れる

 ルビーとサファイア。凜とルヴィアが持っても何の意味もなかった魔力転身装置。
 特に大きな力を持たず、魔力供給、着替え、防御機能、飛行機能を持たされた、コンパクトで便利な何の変哲も無い? 悪く言えば冗談のような、会話できるパーティーグッズでしかない存在。
 それでも幼い少女達の純粋な願い、二人の異世界での同一人物の心が一つになってしまった時。イリアの聖杯成分であるクロエが本体に戻り、聖杯でもある二人の少女が織りなした友情と愛情の物語が奏でられた。
 大人から見れば、ただのお花畑の中の幻想でしかない願い事、それは次元を超えて並行世界、多元宇宙を超えて、すべてのイリヤと美遊と、士郎や無名のアーチャー、凜、桜、ルヴィア、アイリ、切嗣、綺礼、セラ、リズ、一成、ジュリアン、アンジェリカ、ロード・エルメロイ、ライダー、ランサ-、セイバー、アーチャー、アサシン、キャスター、バーサーカー、間桐、遠坂、アインツベルン、ギルガメッシュ、神まで含んだ人々共通の願いとなって、惑星の動きまで変えてマナの枯渇まで防いだ。
 その中心となった装置、子供用のおもちゃの着替えのような転身装置だったが、魔導の世界ではそれを欲した。
 多元宇宙にまで呼びかけ、わずかな願いを一つに集め、死に絶えた者、死んであの世に迎えられ、満たされなかった人生を送った者達の怨嗟の声さえ浄化して、「本当の奇跡」を起こした恐るべき装置。
 二つの異世界の願望器、聖杯が二つ揃った事まで考えられて予測され用意された兵器。その力の受け皿として、汚染されているはずの聖杯でもその願いを叶えた。
 穢れた大人には触れることさえ許されない純粋な願いを運び、取り扱える装置、それは根源へと辿り着く道標として、魔術師を導く篝火とさえなれるものだった。
 愛、正義、真実、悪、その程度のものでは根源に近寄ることさえできなかったが、この装置にはそれが出来る。出来てしまう。
 誰かが言った「聖杯よ呪われてしまえ」誰もが辿り着けなかった究極、手にしたはずの聖杯でも願いも正義も叶えられなかった者、願いに触れることもできなかった者達の怨嗟の声、それらを結集してすら、少女たちの願いの前には呪いや悪意さえ退いて無力化され、アンリマユですら道を開いて導いた。
 穢れた大人たちは、その宝具、魔力装置を望んだ。

 ただ、その呪いの残滓を受けてしまいながら復活した少女は、ほんの少し?呪いに汚染されていた。
「ぐッヘッヘッヘッヘッ」
 現在の被害者は、美遊の兄の方の士郎。アンジェリカ、凜、ルヴィア、イリヤ、桜の人形、綺礼も巻き込まれて欧州方面に電話してしまい、その悪意の探索を怠ったため、現在日本には、魔術師、魔術師殺し、魔術師殺しを殺す暗殺団が殺到している。
 自分の聖杯の中身だけでなく、美遊の聖杯の中身まで冬木市にブチ撒けたクロエは、動き出してしまった喜劇の幕を見守っていた。

 士郎の部屋(和風)
「お兄ちゃん、ううん、士郎さん」
「どうしたんだい? イリヤちゃん。もう「さん」は止めてくれよ、他人じゃないんだから(妹の親友的な意味で)。士郎か「お兄ちゃん」がいいな」
「うん、お兄ちゃん……(もう恋人だから他人じゃないんだ(///))」
 まだ目の幅で泣いている士郎と、完全に恋する乙女の目で血の繋がっていない兄?を見つめるイリヤ。
 周囲から見ればものすごく病んだ表情の二人だったが、キックオフ状態で愛のテレパシーで会話した。
(ああ、お兄ちゃんはどうしてお兄ちゃんなの?)
(それは妹を守る為さ、君の罪を唇で俺に移しておくれ)
(ああっ、お兄ちゃん、もう自由にして、貴方の物になります~)
(イリヤ、俺の大切なイリヤ)
 以上は、イリヤ側の妄想だったが、気の毒な少女には現実に起こっていることと同等に思えた。
 恋愛で脳みそがグツグツに茹で上がり、脳のタンパク質が分解してしまって妄想が現実に見える幻視、恋愛脳ではあるが、平たく言うと幻聴が聞こえる統合失調症である。
 早急に医者に掛かってドーパミン抑制剤を服用しなければ、桜の壊れた人形と同じでストーカーや事件を起こす状態であった。
 しか~も、小学生で未成年で精神状態が不安定で、責任能力の不在で無罪、造反有理の毛沢東語録の手帳持ちである。
「イリヤも髪を結ってあげるよ、おいで」
「うん」
 もう兄に甘えてベタベタのヌルヌル、脳が茹で上がって溶けてグツグツのデロンデロン。
 本来美遊の居場所である兄の膝の上に、ミニスカートなのでパンツ一枚で陣取り、後ろから髪まで弄られてヌレヌレになっていた(何が?)。
(イリヤ…… お兄ちゃんに何してるの? お兄ちゃんもイリヤにまで……)
 兄の指で髪を結われるのは自分だけのはずなのに、もう二人の友情までベキボキに締め上げて破壊して、先日友情と愛情で本当の奇跡を起こしたはずの二人だが、兄の指がイリヤの首筋にでも触れて、メスの顔で「ああんっ」とか言った瞬間、美遊は顔の前を両腕を通過させて、埴輪みたいな一重瞼の顔から怒りの大魔神に変身して、二人をSATSUGAIしてしまう。
 その怒りを鎮めるには、幼い少女の純真な願いが必要だが、クロエは純真ではないので、エリカぐらいしか存在しなかった。

 幸い「初めての髪結い」で緊張したのか、メスの顔をしなかったので「美遊の居場所」をメスの股間で穢したイリヤは許されたが、お兄ちゃんは許されなかった。
 それでも髪を結った後に士郎は、
「折角髪も結ったんだから、着物にしようか」
 と言われてしまい、パンツ一丁に脱がされてイタズラ寸前、真っ白なホムンクルスハーフ色の肌をガン見されても、血の色が透き通ってピンク色に見える肘膝尻乳首まで見られてもイリヤは抵抗せず、メスの顔をしてしまったので、二人の友情は汚染され破壊され瓦礫と化してアンリマユされてしまった。
(やってくれたわね、イリヤ……)
 それは美遊からイリヤへの重すぎる愛の重量分だけ、憎しみに変化するのに時間は必要とせず、まるで坂道でも転げ落ちるように「親友だった女」が、兄に近付く汚物としか思えず、蠅のように集って来る煩わしい存在だと思えた。
 美遊の着物を兄がイリヤに着せて汚染、美遊の髪飾りまで着けてしまったので「こんの泥棒猫がっ!」と怒り、所詮女の友情など紙切れよりも多い日でも安心な製品よりも極薄のゴム製品よりも薄いのを証明して、ドロップキックや絞め技では済まず、もう少しで兄ごとSATSUGAIする所だった。

「うん、イリヤはもっとお姫様みたいな恰好の方が似合うかと思ったけど、案外和風の着物でも似合ってしまうな、写真も撮ろうか?」
「うん」
 秘密の着物撮影会まで行われてしまい、着替え時には乳出しまでして女児用ブラも外され、恋人としてパンツ以外ほぼ全裸にまで脱がされて、密着して着物の着付けまでしてもらい、兄と妹の一線を超えて大人への階段を一歩上って嬉しくなったイリヤは、着物姿を見せようとクロや友人達の所に行こうとしていた。
「ねえ美遊、見て見て、お兄ちゃんに着物着せてもらったの、似合う?」
 その経緯を病んだ目で一部始終を見ていた美遊は、抑揚のない氷のような表情と声でこう言い渡して去った。
「イリヤ、いい加減帰ったら? その続きは「アンタのお兄ちゃん」にしてもらえば?」
「エ?」
 アスペでも天然でもないイリヤは、「アンタ」と呼ばれたのが宣戦布告で、本気で出て行ってほしい、京都風に「ぶぶ漬けお出ししまひょか?」と思われ、「二度と会いたくない」と言っているのが分かった。
「そんな……」
 クロエの言葉とは違い、まだ美遊はお兄ちゃんを運命の相手だと思って愛していて、お兄ちゃんの愛はもう自分に向いてしまっているのに(イリヤの妄想)、親友(だった女)はお兄ちゃんがまだ大好きなのだと思い知らされた。
 イリヤは、カレカノで友達の彼女の雪野に気易く話し掛けていたら、猫を被った者同士で話が合ってしまい、友達だと思っていた総一郎君からめっさ怖い目で睨まれたように驚いていた。

「うん、それは子供の頃に罹る、はしかとかオタフク風邪みたいなもんよ。ほらイリヤだってパパが大好きで「パパのお嫁さんになる~~」って言ってたでしょ? それと同じなのよ」
 美遊が聖杯に送り出される時に士郎に囁かれた言葉と願いで、心の奥がベッキボキに締め上げられて壊れて今生の間修繕不能、草津の湯でも聖杯でも回復不能。
 多分来世も運命の人がお兄ちゃんで、今回は血が繋がっていない兄なので安心して子供も産めるし結婚もできる。
 クロエはその心を知っていながらイリヤをけしかけた悪魔で鬼で怪物で化け物で魔物で悪鬼羅刹になっていた。
 それはアンリマユだとか、すぐに自決してしまうランサーの呪いとか、ソッチ系統の問題なのでクロエには責任が無かった?
「そうなの? 美遊は本気で怒ってたよ。クロ、どうしよう?」
「気にしちゃだめ、美遊にも予防注射していると思えばいいのよ、子供のころの「お兄ちゃん大好き病」なんて、大きくなって思い出しちゃったら顔から火が出るものよ」
「う、うん」
 自分達も同じ穴の貉なのを無視して、愚かでチョロインなイリヤを丸め込んだクロエは、凜やルヴィアにイリヤの着物姿を見せてわざとはしゃぎ、自分も着せて貰えるよう士郎にエロいオネダリをした。
「ねえ~、お兄ちゃ~ん、アタシにも着物着せてよ~、髪も結ってくれる?」
 まるで猫のように体を擦り付けて士郎に甘えるクロエ。
 その光景も見せ付けられた美遊だが、明らかに美遊に視線を合わせて来てニヤニヤして、兄に脚とか太ももを見せ付けたり、女児用ブラを外しただけでなく
「着物って下着付けないんでしょ?」
 と宣言して士郎の目の前でパンツも脱いで、恥ずかしがりもせずイリヤと同じ体で全裸を見せびらかし、脱ぎたてホカホカの物体を兄の頭に被せ、美遊が石灯籠を握り潰す様子まで楽しそうに見た。
 美遊も「コイツ挑発してやがる」と気付いて、後で蛙掛け(ランニングラリアット)から喉へのエルボードロップ、32文ロケット砲までのジャイアント馬場方式の殺人フルコースを必ず御馳走してやろうと思っていた。

 現在、傷あり士郎は桜の救出と、生きている桜との再会を目指してトレースオン中なのでイリヤとかクロエとか、アンジェリカの床入りお誘いもアウトオブ眼中。
 もし桜が救出されて一緒に付いて来ても、衛宮家に壊れた桜人形がいるのを知って、さくらちゃんドン引き。
 ジュリアン(男の怪しい親友、キモい魔術ヲタク?)から貰ったのを聞いても、「うわ~キモっ!」と思って、死んだ桜の遺品であるマフラーまで首に掛けて、マフラーを冷やさないように愛でている変態趣味にもドン引き。
 生き別れの姉も、男の趣味まで同じだったのを知って、遠坂姉妹の姉妹愛も完全終了のゲームセット。ノーサイドにはならない。
 さらに「血の繋がっていない妹」とかいう究極変態趣味で、複数の妹を自分の周りに侍らせ、妹達も完全にメスの顔をして、カルガモみたいに後を付いて来ているのに、それを心地よく思いながら別の女(桜)に入れ上げている無神経さというか変態趣味にもドン引き。
 完全にスリーアウトでアメリカなら終身刑なのに、まだ自分に言い寄って来る変態に、雁夜のようなキモさを感じて桜でもドン引きする予定。
 
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