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真剣で私に恋しなさい!S~それでも世界は回ってる~

作者:navi
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41部分:第三十七話 決闘とその後



第三十七話です。
ではどうぞ〜
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第三十七話 決闘とその後


昼休み
俺達、風間ファミリーの2年組はSクラスに来ていた。


「義経達いるかしら?」

「居るから大丈夫。弁慶と与一の気配もあるしな」

「相変わらずのチートっぷりだよね、悠里は」


そうモロは呟く。今更だが、確かに自分はチートだと認めよう。悲しいけどな……


「検問だ。ここは通れないと知りなさい」

「揉める気はないぜ?挨拶してお友達になりたいんだ」

「やめとけガクト。明らかに下心ありありの顔だろうが、お前」

「ひでぇぜ悠里……」

「ガクトの言うとおり、挨拶に来ただけなんだマルさん。通してくれ」

「…どうぞ」

「お役目ご苦労様です」


俺達はマルさんの横を抜けて教室に入った。


「やはり義経はスキが無いな」

「弁慶も凄く強いわね。間近で見ると良く分かるわ」


少しすると、義経はこちらに気づいて駆け寄ってきた。


「……あっ!」

「よ、挨拶に来たよ」

「東西交流戦ではどうも。源さん」

「わざわざ挨拶に来てくれたのか、ありがとう。弁慶ー、与一ー、お前達も来てくれ」

「はーい」


義経に呼ばれて弁慶がゆらーっと歩いてくる。途中、与一を引っ張って与一は引きずられてきた。
俺達は互いに自己紹介を済ませた。ただ1人、


「…1つ言っておくぜお前達。あまり俺に関わらない方がいい…不幸になるからな」


……与一を除いて。というか、


「なんか、こんな奴がいたよな」

「懐かしくもあるよねぇ、この中二病的な感じは」

「那須与一に質問だ!人生とはなんだ?」

「フン、死ぬまでの暇つぶしだろうよ」

グサッ!

「くくく……」

「や、やめろぉっ…そんな事言って、後で恥ずかしいのはお前なんだぞ!!」

「俺に干渉するな。面倒事に巻き込まれたくなければな」


そう言って与一はそっぽを向いた。これは……かなりの中二病だな。大和と同レベルか。


「あふんっもうやめて!」

「過去の自分の生き写し…これは恥ずかしいわね」

「すまない皆、こんな事を言ってるが、与一はいいやつなんだ…だから、仲良くしてやってほしい」

「あほらしい。どこまで優等生なんだよ」

「与一?公衆の面前で義経に恥をかかせたらどうなるか教えておいたはずだが?」

「冗談じゃねぇやってられるか!」


与一はすぐさまその場を逃げ出す。


「……捕まえようか?」

「できればよろしく」


弁慶に確認を取ると、俺は左腕のワイヤーガンを構えて与一に発射した。


バシュッ!

ギュルギュルギュル、キュバッ!

「ぬぉぉ!な、なんだコレ!?」


向こうから与一の声が聞こえたが、俺は構わずにスイッチを押して巻き戻した。


「ご協力どうも。掴まえたぞ与一。私はお前を掴まえた」

「ぐおおおっ、あ、姉御、待て、離せ!!」

「冬馬、ちょっと窓開けてやって」

「こうですか?」

「与一、ちょっと頭冷やそうか」

「う、うおあああああっーーーーーーー!!!!!」


与一は片手で窓の外まで豪快に放り投げられた。暫くしてから、着水音が聞こえたのでおそらくプールまで行ったな。その光景を見た義経はタオルを持って廊下へ飛び出していった。
その光景にファミリーの面々はポカーンとしていた。


「…ツッコム暇なかったよ。えらく濃いのが来たねぇ」

「まぁ、それはいいとして……そろそろかな」

「よーしつーねちゃん、たったかおー☆」


……やっぱりね。朝の決闘見てて来ないわけ無いよな。


「…来たかやっぱり」

「ホント、ウチのお馴染みが申し訳ない……」

「天城も苦労するね」

「ここは私にお任せください」


そう言ってクラウさんが出てきてモモにある提案を出した。
義経は学園の内外でその名は知れ渡っているため、外の方からも挑戦者が多く来るだろう。そこで、一度モモと戦ってから認められた者だけが義経と戦うというものだ。モモはそれに了承して、挑戦者達の相手をすることとなった。


「ああ、それとコレ。私の携帯のアドレス。天城にあげるよ」

「……いいのか?」

「朝の決闘の事もあるし、義経も信用してるようだからね。とりあえず、これからよろしく」

「よろしくな」


俺と弁慶は握手を交わした。そのあとは俺のアドレスも交換して、弁慶との絆も深まった。
さらに時間が過ぎて放課後、俺はファミリーのみんなとは別に帰ることにした。理由は九鬼にちょっと呼ばれたから。フェンリルを引きながら校門に向かうと、1人の女子生徒がいた。


「葉桜先輩?」

「あ、こんにちは天城くん」


その人物は今日転校して来た葉桜清楚先輩。初めて近くで見たが、本当に武士という感じがしない。


「今から帰るのかな?」

「はい。ちょっと九鬼に寄ってからですけど……」

「そうなんだ。私も今から帰るところなんだ」


それから葉桜先輩と少し会話をした。どうやら先輩や義経達は九鬼の極東支部で寝泊まりしているらしい。


「なら、乗っていきますか?」

「いいの?」

「行き先は同じですから」

「ありがとう!少し気になってたんだ。このバイク」


そんなわけで、葉桜先輩を乗せていく事になった。クラウさんにメールで言ったから問題は無いだろう。葉桜先輩を後ろに乗せて俺は学校を出た。その途中、なにやら他の生徒の視線を感じたが、気にしないことにした。
フェンリルを走らせて、九鬼の極東支部へと着く。


「ありがとう。乗せてもらっちゃって」

「いえいえ。これくらい、おやすいご用です」

「あ、そうだ。これ、私の携帯の番号とアドレス。今日のお礼だよ」


という訳で、葉桜先輩とも携帯番号を交換しました。ちなみにここに来たのは、レノから資料を貰うため。
どうやらレノはそれを見ていたみたいで、


「なんでお前はそんなに異性にモテモテなんだよ、と!」


なんて八つ当たりを受けた。反射的に投げたけどな。
というか、そんなにモテてないと思うが……
そんなこんなで一波乱あり、帰る時間は7時を回っていた。少し暗がりの中、俺は川神院へと戻る。その途中、極東支部に向かう一台の車とすれ違う。


「……ん?」


俺は覚えのある気配にフェンリルを止める。だがその気配は本来、この町にはいない人物のもの……


「……気のせいか?」


少し疲れてるのか?と思いながら俺は再びフェンリルを走らせた。
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次回は頑張って燕ちゃんの登場まで行こうと思います。

では、お楽しみに!
 
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