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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)

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間章 4話 戦火に包まれる地球圏 南アメリカ侵攻

血のバレンタインから4日経過した2月18日 当時のプラント最高評議会議長 シーゲル・クラインの発表した地球連合非参加国に対して優先的に物資を供給する「積極的中立声明」を南アメリカ合衆国と大洋州連合が受諾した。

この二ヵ国が受諾した理由としては、プラント理事国に対しての長年の経済的不利をプラントとの同盟関係構築で挽回できると考えたからである。

この時、南アメリカ合衆国は、地球連合の報復処置を精々、軌道航路封鎖と経済制裁程度だと鷹を括っていた・・・その判断ミスは、1日と立たず自国民の命と国土、そして、祖国の政治的自立によって支払われることとなった。


その翌日2月19日 地球連合は、南アメリカ合衆国に宣戦布告  


宣戦布告より1時間後、大西洋連邦本土より飛来した爆撃機部隊(その大半は、護衛の戦闘機と共にメキシコと西インド諸島 キューバの空軍基地のもので、遠くは、フィラデルフィアの空軍基地から空中給油機を用いて飛来したものさえあった。)と大西洋連邦の空母機動部隊による南米大陸の航空基地に対する航空攻撃が行われた。
本土より襲来した航空部隊 2500機と大西洋連邦の空母機動部隊艦載機 1560機合わせて、4060機が、南米大陸に飛来した。

これは、大西洋連邦が建国以来動員した航空戦力で最大のものである。
南アメリカ合衆国空軍は、この空前絶後の航空攻撃に対して、質量ともに不足していた。
更に電子戦機や無人機、空母機動部隊を援護する為に派遣された原子力潜水艦による巡航ミサイル攻撃も加えられ、南アメリカ合衆国側は瞬く間に制空権を喪失した。

中には、ブエノスアイレス周辺を活動範囲とする第32戦闘機中隊の様に気を吐いた部隊も存在したが、それは、大勢には全く影響を与えるものではなかった。

この航空作戦でP・M・P社が開発した戦闘機 F-7D スピアヘッド 多目的制空戦闘機が、136機実戦投入された。
スピアヘッドは、元々は、大西洋連邦軍の次期統合戦闘機計画の為に計画された機体であったが、
地球連合の結成による加盟各国の装備の共有化、統一化の際に、地球連合空軍の統一戦闘機として選ばれ、ユーラシア連邦 東アジア共和国の技術者や企業の協力による設計変更の後、C.E 70年1月15日
試作機がロールアウトした。

今回の作戦でスピアヘッドは、南アメリカ合衆国空軍の戦闘機を多数撃墜し、ブエノスアイレス上空での戦闘では、僅か2機で、45機の戦闘機と交戦、37機を撃墜破した。

同時に大西洋連邦との共同管理となっていたパナマ宇宙基地をパワードスーツを主軸とする特殊部隊が奇襲し、宇宙基地とその付近の防衛部隊に大損害を与えた。

この時、パワードスーツを主力とする部隊、機甲兵部隊は、大西洋連邦が、3年前に開発したステルス輸送機によって輸送され、南アメリカ合衆国軍は、その存在を攻撃を受けるまで気付けなかった。

その隙を突く形でパナマ駐留の大西洋連邦の装甲師団が侵攻した。
機甲師団の戦力は、戦車だけでも600両近く有り、奇襲攻撃によって装甲車程度の兵力しか残されていなかった南米軍パナマ宇宙基地守備軍は、20分で降伏した。

そして午後5時頃、親大西洋連邦派を主体とする反体制派が南アメリカ合衆国首都 ブエノスアイレスでクーデターを起こした。

30分後には、クーデター軍が現政権のメンバー全員を逮捕、殺害した。

親地球連合の傀儡政権(親大西洋連邦派が主体)が樹立された。親連合政権はプラントに宣戦布告を共に、戦争の被害復興と治安維持の名目で地球連合への加盟と大西洋連邦の占領統治を受け入れると発表した。

20日、大洋州連合は、地球連合の行為を侵略行為であると非難すると共にプラントの支援を表明、最初の「親プラント国家」となった。

地球連合(大西洋連邦主体)の南アメリカ合衆国侵攻は、旧西暦、再構築戦争期を入れても史上まれにみる電撃作戦であった。

大西洋連邦軍は、元からパナマ制圧から先の作戦計画は無く、フォルタレザ地区宇宙センター等を除けば南アメリカ合衆国唯一の宇宙との玄関口であるパナマを制圧すれば、戦争は自陣営の勝利に終わると判断していた。

そしてパナマ宇宙基地制圧作戦で大西洋連邦のパワードスーツ部隊を主軸とする特殊部隊の奇襲攻撃は、その迅速さで衝撃を与えた。 


また当時、第八艦隊所属の将校だったハルバートン大佐は、マスドライバーを有する宇宙基地の様な重要拠点に対する奇襲攻撃をプラントが行う可能性とMSの開発、実用化による地球連合MS部隊の創設、それによるプラント奇襲作戦を提案したが、それが上層部に相手にされることはなかった……


 
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