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シークレットガーデン~小さな箱庭~

作者:猫丸
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序章
  序章 出会いと別れ 1

 
前書き

分厚い雲で覆われて 月も星もすべてが漆黒の闇につつまれた薄気味悪い夜だった。

「はぁ…はぁ…」

茨の棘が行く手を阻む森の中を白銀色の髪の少女が息を切らしなせ 茨の棘に足を取られながら 何処かへ向かって走っている。

「グルル……」
「追えー追えー!」
「ガルル……」

走る少女の後ろを 黒い人の姿形をしたバケモノが追いかける。
そのまた後ろからバケモノを操っていると思われる 数名の魔術師たちも少女の後を追いかけている。

「っう」

茨の棘が容赦なく少女の体を襲う。
服からはみでている手足は、棘で傷つけられ 傷だらけで赤い血が滴り落ちている。
バケモノたちはその地面に流れ落ちた 血の臭いを追って少女の位置を特定し追いかけてゆくのだ。

「あれだけは決して外部に漏れてはならない…」

と一人の魔術師の男が小さく独り言のようにつぶやいた。
確かに少女の腕の中には大切そうに、“あるもの”が抱きかかえられていた。
襲いかかってくるバケモノ達の攻撃をギリギリのところで回避して たとえ回避しこねても絶対にその“あるもの”だけは傷つかないように身を挺して守っている。

「(あともう少しだからね……まってて…お父さん…)」

少女は“あるもの”を見つめ 強く抱きしめ 固く決意したのだった。
この卑劣な魔術師たちから生きて逃げのびてみせると…。

 

 






少女がバケモノに追われていた時から遡り――

女神歴:625年 食料不足問題時代

食料不足問題時代。

ここのところずっと天気が悪く農作物が思うように取れず餓死してしまう者が増えた時代。

そして原因不明 謎の不治の病が流行り出した時代でもある。

謎の流行病。

何処からともなく飛んできて免疫力のない年寄や子供によく発病すると言われている病気だ。

かかってしまったら最後 直す方法はこの世界のどこにも存在しない。
ただ静かに死を待つだけである。 よってこの病は別名゛闇病”とも呼ばれている。

「けほっけほっ」

「ヨナ!?大丈夫?」

「うん……ちょっと咳が……でただけ…」

「そ、そう?でも無理しちゃ駄目だよ?」

「うん…」


このヨナと呼ばれた齢八の少女またその不治の病に侵されているのである。

病弱な妹を救うべくまだ齢十八少年ルシアはたった一人で危険な場所を出入りし生計をたてている。

彼らはたった二人だけで生活をしているのだ。彼らに両親などいない。
…彼からまだ幼い頃に乳母の二人とも亡くなったからだ。

「じゃあ、行ってくるよ」

「ヨナも一緒にいっちゃ……だめ?」

「今日は狩りをする事になることになると思うから、やめておいたほうがいいな」

「……うん」

「帰りに、ヨナが好きそうな本を借りてきてあげるから」

「…うん。待ってる」

「じゃ、行ってくるよ」

ルシアはそう言い終わると笑顔で手を振り部屋を出て行った。出て行くルシアの背中を一人残されたヨナは心配そうに見つめてるのだった。


それからほんの少し時が流れる。
ルシアは森でイノシシ狩りを終えヨナのいるわが家へ帰ろうとしたところから話は再開する。

「ふぅ、今日は結構狩れたな。これだけあれば、ヨナの好きなメロンが買えるかな」

イノシシの死体を眺めながらルシアは嬉し気に笑みを浮かべ そしてまた悲し気な表情を…。
ヨナが喜ぶのはいいことだと思う。 でも反面なんの罪もないイノシシが死ぬのはかわいそうだとも思う。
妹思いで動物たちにも優しいルシアなのであった。

日が沈むまであと数時間。暗くなる前に帰るためイノシシを抱え帰り道を最中に゛ソレ”は起こった―

「え?あれはヨナ?」

一瞬幻覚を見たかのように思えた。
まるで紙に投影された映像のように おぼろげで一瞬の出来事。
パジャマ姿のまま 裸足でフラフラと歩きながら何処かへ向かうヨナの姿が見えたような気がしたのだ。
ルシアは目をこすり 改めて目を見開いて もう一度ヨナが見えた方向を目を凝らして見てみる。
するとやはりヨナだ。パジャマ姿のままフラフラ歩くヨナだった。

「ヨナ、ヨナ!どうしてここに…あぶないから一緒に帰ろう」

と声をかけたがヨナは全く見向きもしない。…とゆうよりルシアの声が聞こえていないようだ。
お呼びでない来訪者は突然現れるものだ。

「グワァァァ」

「グパァァ」

ルシアの十八年間の人生で一度たりとも見たことのない 人の形をしているが決して人間ではない 紅い目をした黒いバケモノが突如 空から舞い落ちて来たのだ。
空には魔法陣のような幾何学模様が描かれている。そこからどんどんバケモノが降ってくるのだ。

「なんだあれ!?ヨナ―」
「……え?」

ルシアは声がやっと通じた。
ヨナはルシアの方へ振り返る…がそこにいるのはルシアではなく

「ガウァァァァ」
「キャーーー!」

バケモノだった。
バケモノは口から紫の液体をダラダラと流している。あれはバケモノの唾液なのだろうか、美味しそうな食べ物を目の前によだれが止まらないというものだと言うのだろうか。

「逃げろヨナーーーーー」

逃げろっと言うがバケモノすぐ目の前にいる状況だ、脳は逃げろと命令しても体が 足が動かない。
恐怖から腰が引け 足が震え 硬直した体はまったく動かない。…ヨナもルシアも同じ状態だ。
誰もがダメだと思ったその時、バケモノ達が現れた同じ魔方陣から

「ちょ~~~~と、待ちあがれ~~~クソ野郎どもーーー!!」

「へ?」

ルシアとヨナと同じ銀白色の髪で赤いポンチョを羽織った少女がまるで平泳ぎをしているような動作をしながら
暴言をバケモノ向かって言い放ち、地面に着地すると同時に

「ていやーーー!」

「グアァァ」

彼女の背丈よりもはるかに巨大な大剣を手に持ち、バッサバッサと容赦なくバケモノ達を切り裂いていった。
断末魔をあげ バケモ達は黒い煙となって消え去ってた。

「ふぅ~~~楽勝、楽勝」

バケモノ達を切り終え 少女は勝利の美酒に酔っている。高笑いが止まらないみたいだ。
ルシアはそんな彼女に少々 いやだいぶ引きつつも 一応命の恩人お礼を言うことにしした。

「助けてくれてありがとう」
「ん~とういたまって~」

ケラケラと笑いながら少女は答える。
バケモノ達と同じ魔法陣から現れた 謎の少女…。ルシアは少し彼女に質問をしてみることにした。

「……あの君は?」

「ほえ?ああ、あたし?あたしは~~ランファだよ!貴方は?」

「僕はルシアだよ」

とルシアは丁寧に答えたつもりだったのだが何故か ランファという少女は

「えぇぇぇぇぇ!?貴方がルシア!?」

「そ、そうだけど…」

目玉が飛び出しそうなくらいに驚き絶句していた。
何故 彼女が驚いているのか わからないルシアはただきょとんとした顔で首をかしげる事しか出来なかった。


 
 

 
後書き
*ルシアとヨナ*


【メシア最後の生き残り】

名前:ルシア 
年齢:18歳 
性別:男
種族:メシア
職業:剣士
 
容姿:銀白色の寝ぐせボサボサヘア。前髪が少しトサカのようになっている。
   色白で瞳の色は灰色。背丈は平均的だが食料不足のせいで痩せ衰えている。
   腰に亡き父から譲り受けたメシアの家宝『リリース』方見放さず常に下げている。
 
武器:(リリース)
出身国:山の国
詳細:寂れた誰も寄り付かない小さな村に妹と二人だけで住んでいる。
性格は温厚で病弱な妹を一刻でも早く病から救いたいと一人狩りに出かけ魔物達と闘い素材を剥ぎ取りそれを売って薬を買うお金を貯めている心優しき妹思い。
彼の瞳には妹のためだったら何でもする、してあげたいという覚悟の炎が燃えている。





【謎の不治の病に侵された女の子】

名前:ヨナ
年齢:8歳 
性別:女
種族:メシア
職業:病人
 
容姿:銀白色のショート。肌は少し青白く瞳の色は灰色。
   年頃の女の子特有の覇気が感じられない。
 
武器:なし
出身国:山の国
詳細:ルシアのたった一人の家族。
   元々は何処の子供ともなんら変わらないごく普通の元気な女の子だったが数年前に流行病かかりそれ以来少しずつ元気を失い死を待つだけになっていった。
   兄のことが大好きでいつも自分のために危険な場所に行っている兄の安否を心配している。

 
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