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オズのビリーナ

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第十二幕その八

「言われてみればね」
「都にあっという間に戻ってきたわね」
「そんな感覚ね」
「不思議ね、そのことは」
「そうね、じゃあ鶏の国に戻るのも」
「あっという間かもね」
「そうね」 
 こうしたことをお話してでした、そうして。
 一行は都に戻りました、するとです。
 ドロシーがトトと一緒にお迎えしてです、早速言うのでした。
「もう皆用意は出来てるわよ」
「出発の用意が」
「そう、すぐに出発しましょう」
 まさにというのです。
「そうしましょう」
「焦らなくてもいいのに」
「焦ってはないわ、鶏の国に行くのはゆっくりでいいし」
「それじゃあ」
「皆すぐに集まるから」 
 こうもお話したドロシーでした。
「呼ぶわね」
「皆行こう」
 トトが皆に声をかけました。
「これからね」
「私とトトの用事も終わったしね」
 それでと言うのでした。
「心置きなく行くことが出来るわ」
「よし、それじゃあ」
「行きましょう」
「今からね」
 こう二人でお話してでした、そのうえで。
 皆すぐに集まりました、オズマとジュリア、モジャボロとかかしそれに木樵、つぎはぎ娘とジャックが来ました。
 そしてジャックがです、トロットに言うのでした。
「僕も頭を新しいのにしてね」
「出発の用意をしていたのね」
「そうなんだ」
「お髭も手入れしたよ」
 モジャボロはにこにことして自分のお髭を摩っています。
「奇麗にね」
「あたしも洗濯してもらったし」
 つぎはぎ娘はいつも通りくるくると踊っています。
「何時でも行けるわよ」
「ただ、チクタクはね」
 オズマは彼については残念そうに言うのでした。
「実は今はいないの」
「あっ、そうだったわ」
 ドロシーも言われて思い出しました。
「彼は今はウィンキーにいるわ」
「出張中だったわね」
「あちらで騒動が起こって」
 それでというのです。
「今は出張してるの」
「騒動を収めに」
「チクタクがいないのは残念ですね」
 ナターシャもそのことで少しがっかりとなります。
「あの人も凄く楽しいいい人ですから」
「そうね、けれどね」
「またの機会ですね」
「彼と一緒に行くのは」
「そうなるから、じゃあ今からね」
「出発ですね」
「鶏の国までね」
 こうお話してでした、そのうえで。
 皆で出発しました、そして。
 エメラルドの都を出てマンチキンにある鶏の国に向かいます、その道中は特に何もなくて木樵は笑顔で言いました。
「平和な旅だね」
「ほのぼのしたね」 
 かかしも笑顔で応えます。
「いい旅だね」
「ゆっくりと歩いてね」
「はい、お昼も夜もしっかり食べて」
 ジュリアは食事のお話をするのでした。 
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