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~異世界BETA大戦~ Muv-Luv Alternative Cross Over Aubird Force

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傭兵中隊発足 (+ 登場人物紹介 地球人②)

 
前書き
毎度更新が遅くて申し訳ありません。
最近プロットの描きなおしをしたりしているので、一度書いたものをまた書き直したり、と少々効率の悪い事が続いています。
きちんと続けていきますのでお許しください。 

 
模擬戦に参加した11人の地球人たちとシーモア軍曹は帰投後ブリーフィングルームで待機していた。
俺とアントワープ、そしてタケルちゃんが部屋に入ると、彼らは一斉に起立し一糸乱れぬきれいな敬礼をして迎えてくれた。
カッコイイな、本当の軍隊みたいだな・・・・いや、彼女たちは本物の軍人だけどね?まぁ俺は・・・エセ軍人だよ?あ、でもタケルちゃんは一応軍人か。アントワープは生粋だし。

そして俺たちも敬礼で返礼する。
立たせておくのもなんだし、「ご苦労、全員着席してくれ。」と皆に座ってもらった。
国連軍組はいちおう負けたわけだけど、特に悔しいという表情は見せていなかった。
帰投の途中で色々話したのだろうか、お互いに研鑽し合うのって良いけど青春っぽくてすごく眩しいね。
・・・・・俺、おっさんみたいだね・・・・・まぁ中身おっさんですけど・・・・。
「さて、スクワイエル実機での戦闘はどうでしたか?」アントワープがさっそく皆に感想を訊いている。
「シュミレーターでの操作と違い、思ったより動けなかったように思いますが、その機動においては今まで私たちが乗っていた戦術機とは天地の差があり、これなら楽にBETAを叩けると確信しました!」笹川が興奮冷めやらぬ表情でそう言った。
「思ったより動けなかったのは、我々が今まで乗っていた戦術機とはOSや躯体性能がまるで違うし、その滑らかすぎる動きに戸惑いがあったからだと思う。」遠山が即座に反省点を述べる。
「そうですね、脳波や視点の動き、カメラやレーダーの情報を瞬時に処理して先読みしてくる武器選択システムなんかは慣れると手放せないでしょうね。」碓氷が遠山の意見に賛同し、スクワイエルのB-T-Link Systemを絶賛する。

「気に入ってもらえたようで何よりです。私から見て初搭乗という現時点でも貴官たちは熟練兵士と同等程度の腕前なので、訓練を重ねればかなり期待できると思いますよ。」アントワープから個人技量については及第点が出たようだ。
皆一様に嬉しそうな表情を浮かべてガッツポーズなんかをとっている。
だけど・・・・「リーダーのお二人の部下統率と指揮能力も高めであると評価します・・・・・しかしながら、そもそもの作戦の立案については少々稚拙と言わざるを得ません。まぁトーヤマ中尉の作戦の方が柔軟性に欠けるもののやや及第点に近いです。だから勝利したのだと思いますが。」アントワープにそう言い切られて、遠山・碓氷の両中尉の表情に影が差す。

「具体的にどのあたりが失点対象なのか、ご教示いただけないでしょうか?」碓氷が声を振り絞って尋ねる。
「あなたがたは、お互いに真逆の作戦立案をしていた事に気づきましたか?」
「真逆?!」アントワープの問いに二人そろって声を上げた。
「トーヤマ中尉は拠点の抑えにシーモア軍曹を残して、後は密集隊形で進撃する事を選びました。あと拠点攻撃に備えてササガワ少尉を遊撃のポジションへ置いたのは悪い判断ではありません。あなたは運用単位をなるべく部隊全体・数で押し切ろうとする傾向がありますね?」
「はい、仰る通りです!我々は数で押してくるBETAに対抗するにはなるべく部隊単位で密集しての火力集中運用が効果的であると教わっています。」アントワープの問いに遠山は澱みなく答える。
「まぁ知性の低いあの魔物ども相手ならばそれが最善なのでしょうね。ただ対人戦ではもう少し違った流れになることもあるので、もう少し工夫が必要かも知れませんね。」遠山は真剣な表情で聞き入っている。

「対してウスイ中尉はエレメント単位での運用が得意のようですね?」
「はい、私たちの部隊は大規模での運用はほとんどなく、常に最小単位での攪乱・浸透戦術を用いる事が多いので、連携を考えるとどうしてもそこが基本になってしまいます。」アントワープの問いに碓氷はやや元気なく答える。
「兵力は集中してこそ破壊力や突破力が生まれるのであって、分散しては各個撃破の対象になる、というのはわかりますね?」
「はい!それはもちろん・・・・。」
「今回はお互いが逆の特性を持った部隊同士での戦いでしたが、実際にはケースに応じてそれを使い分ける事が出来るようになるのが熟達した部隊と言えるでしょうね。」

アントワープの総括に皆が傾注している。
ほんと先生役適任だよね、それなのに脳筋なのがアレだけど。
すると・・・「カミナガ中佐!」おわっっ?!急にアントワープに声をかけられた。
え?テレパシー?・・・・じゃないよね?
焦ってそんなことを考えているとニッコリと「何か捕捉はありますか?」・・・・なんだ、びっくりするじゃないか・・・。
「えっと・・・・所属が違う部隊なので、戦術ドクトリンがそれぞれに違っているのだろうけど、貴官達をひとつの中隊にしたら中々のドリームチームが出来るのではないかと思いましたね。」うぇ、何にも考えていなかったので、なんとなく“こうだったら面白い?”と思っている事を軽く口にしてしまったよ。
今思えば、言いだしっぺは責任取らされるというケース、非常に多いんだよね・・・・。
口が滑ったな・・・・・傷口を広げる前にこれ以上はもう何も言うまい。
「なるほど・・・・・それはおもしろいですね!」おい?!アントワープさん?
「政治的な諸々は別として、司令に意見具申してみましょう。」本気なの?!・・・・・まぁこれで言いだしっぺは俺じゃなくなるからまぁいか。
待てよ?彼らは無事に地球に送り返さなきゃならないだろうに、オルキス軍に編入するとかは高度な政治判断になるんじゃないか?
「アントワープ中佐?最初に言った私が言うのもいまさらで申し訳ないのですが、彼らの身分は現在わが軍に保護されている他国軍人という位置なので、それは少々まずいかも知れませんよ?」・・・・とりあえず言ったからね!

「・・・・・そうですね・・・・・では傭兵扱いで行けるのではないでしょうか。」え?!そういう事でいいのか?いや、本人達からの志願ならまだ良いのかもしれないけど・・・・・。

そして、その後アントワープから意見具申、地球の衛士たちの志願という事もあり、おおっぴらではないが正式に中隊が発足する事になってしまった・・・。あれ?
そして、あろうことかアントワープは自身の連隊に編入するのではなく、俺の情報部預かりとすることを提案してきた・・・。
ケツをこっちに持たせやがって・・・・・まぁでもやっぱりそうなったか。

・・・・・・・・・・・・そして俺は一時的に元からあったタケルちゃんの中隊と合わせて2個中隊を指揮下に置く事になった。
ちなみに傭兵として彼らの階級は「臨時」が付くが基本的にはそのままという事になった。
まぁ、オルキス統合軍の中では将校が多い中隊って事になるけど・・・。
これは、マヴラブ世界の軍では戦術機を操縦するのは少尉以上と決まっているが、エレミア星系の軍では普通に二等兵の操縦士もいるという違いがあるためだ。

しかし、教導が大変だよ・・・・・あ、タケルちゃんに任せよう!それがいい。
・・・・なにやら遠くでタケルちゃんがくしゃみをしているようだが、気のせいだろう。
中隊長は、俺が兼任して小隊長を遠野・碓氷の両臨時中尉をあてたが、基本的にはタケルちゃんがサポートしてくれることになっている。
それにしても見事に女性ばっかだなぁ・・・・・・。
タケルちゃんの中隊も12人のうち10人が女性だし、24人のうち男性は・・・・5人か・・・・肩身狭っ・・・・・・。
まぁ女性の社会進出はこの世界だけじゃないからね。
特にエレミア星系は前の大戦で男性の戦死者がかなり多かったから、必然的に女性の比率が高くなっただけという・・・・。
あ、マヴラブ世界も同じようなものだっけ?だから彼らも女性ばっかりなのか。
色々気にしながら指揮していかないとなぁ・・・・・童貞だけど・・・・・。
タケルちゃんの場合は恋愛原子核のせいなんだろうけど、ね。

最初俺は士官食堂でいつものように一人で静かに夕食をとっていたのだ。
今日のメニューは、オルキスチキンのクリームシチューとトマットチーズサラダ・・・・なぜ小さい“ッ”を入れたのかはわからないけど、正真正銘のトマトだった。
それとバケットパン。
バケットパンは、外側はカリカリ中はしっとりと、ここの料理班はホント良い腕しているよ!
感動に震えながらお替り自由のそれをぜいたくに頬張っていたんだ。

だがしかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしてこうなった?!
俺の周りの席には地球組の中隊全員が勢揃い。
いやいや、ご飯時くらいは各個人別個にゆっくりしていいんだよ?というか、そうさせてくだちい・・・。
「中佐の故郷はどんなところなのですか?」「ご兄弟はいらっしゃるのですか?」「好きな食べ物は何ですか?」とまぁ、中学生の女の子の質問みたいだよ、中には「スクワイエルの携行火器ではどれが一番得意ですか?」などという脳筋確定な奴もいるが・・・・高山とか高山とか高山が・・・・。
そんなこともあり、夕食を済ました後、とても疲れた俺は寄り道をせずまっすぐと自室へ戻り、疲れた体をぐったりとベッドへ投げ出して・・・・・あとは記憶が無い・・・・・。


登場人物紹介 地球人②

碓氷円花 中尉
第7中隊(デリング中隊)中隊長。
部下想いであり、その人格が中隊の皆に影響を与え、団結心を育てている。
第9中隊の伊隅みちるとは割と仲が良かったらしい。

中川悠 少尉
団結心ゆえか、G弾落下の際も最後まで孝之と慎二を連れ戻そうとする。
割と優等生タイプであり、訓練生時代は小隊長を務めていただけあり、リーダーシップも取れる。

高山蓉子 少尉
勝負事やBETA戦になると感情が高ぶり、思いもかけない能力が発揮される事がある。
ただ、思いが強すぎて暴走する傾向も多々ある。

辻村彩矢 少尉
いつも暴走しそうになる高山の抑え役。
何事もなく平和で毎日を乗り越えたいと、割と真面目に思っている。

帝国本土防衛軍第8師団 第68戦術機甲大隊 第3中隊

遠野優理 中尉
生真面目な性格のようで、命令には絶対服従。
しかし、非常時にはきちんと独自の解釈で切り抜けられるだけの才覚あり。
杓子定規で融通が利かない部分がある。

一ノ宮志乃 少尉
戦場での観察・情報統制能力はピカ一。
瞬時に情報処理を行い、的確な攻撃を行う。

笹川麻里亜 少尉
常に突撃前衛を任されており、操縦技量・メンタル共にかなり強い。
ただ、そういった面とは裏腹に女性的な細やかな気配りや振る舞いが出来る。

松山佳代子 少尉
常に冷静、段取りや効率を重んじる自他ともに認める効率厨。
口うるさく求める事が多いが、彼女にとっていちいち理由のあることであり、大概無駄になることはないので皆静かに従う。

築山亮子 少尉
射撃の腕前は中隊随一であり、かなり自信を持っている。
(タケルちゃんの同期生の珠瀬壬姫よりは若干劣るが)
普段は無表情で口数が少ないので、何を考えているのかわからないところがある。

入江剛 少尉
仲間思いでやや自己犠牲の傾向が強い。
自分の機が手負いになった際も同僚には自分を見捨てて逃げるよう進言もした。
G弾の炸裂の際、他のメンバーと共にロドリグ星に飛ばされた筈だが、元から損傷していた彼の機は見るも無残な姿で発見された。 
 

 
後書き
着々と戦闘準備完了となっていきます。
さて次はやっと資源惑星に到着するようです。 
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