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オズのビリーナ

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第十一幕その九

「凄く奇麗ね」
「普通の菫よりもね」
「香りもよくて」
「華やかで」
「こうして見ているだけで幸せになれるわ」
 五人で笑顔でお話します、そしてです。
 五人にです、ビリーナは言うのでした。
「私が自分の国に飾りたいって言う理由もわかるでしょ」
「ええ、それじゃあよね」
「そう、これからね」
 まさにというのです。
「種を手に入れるわ」
「それで種は何処にあるの?」
「種は下にあるわ」
「下に?」
「そう、お花が咲いてそこから種が落ちるの」
「そういえばここには」
 キャプテンは広場全体を見ました、すると。
 広場にはお花だけでなくです、蝶々達もいます。その彼等を見てわかったのでした。
「成程ね、花粉をつなげているんだね」
「そうよ、お花は蝶々や蜂がいてこそでしょ」
 ビリーナもキャプテンに応えます。
「それで種も出来て」
「その種を撒けば」
「後は芽が出てお花が咲くのを待つだけよ」
「そうなのね」
「ちなみにお水も必要だけれど」
 ビリーナは今度は上も見ます。
「上からお水も出るから」
「地下水ね」
 今度はトロットが応えます。
「そうなのね」
「ええ、そうよ」 
 まさにというのです。
「だからここは快適なのよ」
「何か不思議な場所ね」 
 ナターシャがこう言いますが。
 ですがそれでもです、ナターシャはすぐにこうも言いました。
「オズの国ってことね」
「ここもね」
「地下だけれどお花が咲いて蝶々がいてお水も降る」
「オズの国だからよ」
「こうしたこともあるのね」
「そう、じゃあ今からね」
「種を手に入れて帰るのね」
 振り返りもした恵梨香でした、これまでの道を。
「そうするのね」
「そう、いいわね」
「ええ、種を手に入れてから」
「そうするわよ」
 こうお話してでした、そのうえで。
 ビリーナは種を二十粒位拾って言うのでした。
「これでいいわ」
「二十粒位拾ったわね」
「ええ、これだけあればね」
「いいのね」
「後はこの種からね」
「芽が出て」
「お花が咲くのよ、そしてね」
 さらに言うビリーナでした。
「そのお花達からよ」
「また種が生まれて」
「芽が出てね」
「お花が咲いていくのね」
「増やしていくのよ」 
 そのお花達をというのだ。 
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