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提督はBarにいる・外伝

作者:ごません
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提督はBarにいる×プレリュード編・その4


 芋の天ぷら4種類に引き続き、変わり種の野菜の天ぷら攻勢はまだまだ続く。お次は気分を変えて、緑黄色野菜……ブロッコリーの天ぷらだ。

《意外なマッチング!?ブロッコリーの天ぷら》

・ブロッコリー:1株

・天ぷら衣:1と1/4カップ

 ブロッコリーは先端を食べやすい大きさの小房に分け、茎も皮を剥いて適度な大きさにカット。このメニューの良いところは普段は捨てがちな茎まで余さず食べられる、って所だな。後は衣に潜らせて、170℃の油で揚げるだけ。

「ハイよ、『ブロッコリーの天ぷら』だよ」

「ブロッコリーかぁ……揚げて食べるのは初めてだな」

「普通は茹でてマヨネーズ付けたり、サラダにしたり、シチューとかだものね」

 物珍しいかもしれないが、味は保証するぜ。房の部分はサクサクの衣とホロホロとほぐれる面白い食感、茎の方はシャキシャキとした歯応えが楽しい。オススメは塩。サラダ感覚でハーブソルトなんかかけても美味いぞ。勿論、ブロッコリーだからマヨネーズも合う。……ただ、マヨネーズ単品だとくどいので醤油に溶いて付けて食べるといい。お次は森のバター・アボカドの天ぷらだ。

《サクサクとろーり!アボカドの天ぷら》

・アボカド:1個

・塩:ひとつまみ

・天ぷら衣:130gくらい

 森のバターとも呼ばれるアボカド、油分が多いために揚げるとくどくなりそうに思えるがその実、動物性の脂肪ではない為に然程くどくはない。寧ろ衣に守られてその中で加熱される為、一口かじるとトロリと蕩けるような食感が楽しめる。アボカドは種を取り除いて皮を剥いて、スライスか大きめのダイスカットに。個人的にはスライスよりもダイスカットがオススメだ。

 後は天ぷら衣に塩をひとつまみ入れ、アボカドに衣を纏わせて油の中へ。

「さぁさぁお次は『アボカドの天ぷら』だよ」

 アボカドは生をスライスしてわさび醤油……という食べ方が多いが、こいつは天つゆよりも圧倒的に塩。トロリと蕩けるアボカドの実の濃厚さを、シンプルな塩が引き立ててくれる。さて、お次は珍しい『生らっきょうの天ぷら』をご紹介しよう。

《シャキシャキほろ苦大人の味!生らっきょうの天ぷら》

・生らっきょう:20個くらい

・天ぷら衣:大さじ4


 甘酢漬けの印象が強く、カレーの添え物位のイメージしなかないらっきょうだが、漬けずに加熱すると予想外の顔を覗かせてくれる。まずはらっきょうの下処理から。

 ボウルに水を張り、らっきょうを入れる。らっきょうはにんにくのように3~4つの実がくっついてなっているので、パキパキと1つずつにバラしていく。上手くバラせたらボウルの中身全体をかき混ぜるようにして、らっきょうに付いている泥や汚れを落としていく。数回洗い水を変えて、綺麗な水になるまで洗う。

 らっきょうが綺麗になったらひげ根を落とす。利き手に包丁、逆手にらっきょうを持ち、出来る限り切り口が小さくなるように削ぎ落とす。根を落としたら薄皮を剥く。皮剥きの際に傷んでいる箇所があったら、全面が綺麗になるまで剥く。

 仕上げに芽を切り落とす。まな板の上に乗せて、先端から4mmくらいの所を切り落とし、再び水洗いしてよく水気を切ったら下処理は終了。甘酢漬けにする時も手順は同じなので、覚えておくと便利だぞ。

 後は少な目の衣をうっすらと纏わせて、油の中へ。らっきょうは生でも食べられる食材なので、衣がカリッとすればOKだ。

「さぁ揚がったよ、『生らっきょうの天ぷら』だ」

 生のらっきょうを食べた時に思い浮かぶのは、シャキシャキとした食感と、その独特な風味と辛味、それに苦味だ。しかし加熱したらっきょうは別物の顔を見せる。

「何だこれ!ホントにらっきょうか!?」

「すっごいホクホクしてるわ!」

 そう。らっきょうは加熱してやるとシャキシャキの食感が加熱したにんにくのようなホクホクとした食感に変化する。そこに仄かならっきょう本来の苦味がやってくる。これが酒に合わないハズはない。味が淡白なので塩をつけるか、味噌を味醂や酒で溶いて味噌だれを作って、それを付けて食べても絶品だぞ?まだまだ続く野菜の変わり種の天ぷら。




 お次は夏野菜の定番・ミニトマトだ。トマトを揚げるのかと驚くなかれ。串焼き屋等で見かける事もあるミニトマトの肉巻き串のように、トマトは加熱すると旨味を増す。生でそのまま揚げてもいいが、今回は串焼きのメニューに倣って肉巻きミニトマトの天ぷらを作ろう。

《ジューシーで食べ応えアリ!ミニトマトの肉巻き天ぷら》

・ミニトマト:食べたいだけ

・豚バラ薄切り肉:トマトと同じ枚数

・塩コショウ:適量

・天ぷら衣:適量

・爪楊枝:トマトと同じ数

 ミニトマトはヘタを取り、サッと水洗いして水気を切っておく。豚バラ肉は両面に塩コショウを振って下味を付け、トマトに巻き付けたら爪楊枝を中心に貫通させるようにして留める。

 後は衣を付けて油へ。揚げ具合としては、豚バラに火が通ればOKだ。

「お次は『ミニトマトの豚巻き天ぷら』だ。トマトの中の汁がかなり熱いからな。かぶりつく時は気を付けろ」

 思いきり噛み付くとトマト汁が目に跳ねたりしてとても熱い。←実体験

 トマトはそのまま揚げてもいいし、大葉やベーコンを巻いてみたり、揚げてから出汁に浸けて揚げ浸し風、なんてのも案外美味い。アレンジは多種多様だ。お次は……ズッキーニがあったっけな、あれも揚げるか。

《トロトロ美味い!ズッキーニの洋風天ぷら》

・ズッキーニ:2~3本

・イタリアンパセリ:適量

・フレッシュバジル(無ければ乾燥バジル):適量

・パルメザンチーズ:適量

・天ぷら衣:450gくらい

・山芋すり下ろし:50g

 キュウリか茄子みたいな見た目のズッキーニだが、和名は「ペポカボチャ」という歴としたカボチャの仲間。しかし揚げるとカボチャのようにホクホクにはならず、とろり、つるりとした食感の風変わりな揚げ物になる。

 ズッキーニは縞になるように皮を剥いて、食べたい厚さに輪切り。薄すぎると食べ応えがないので、すこし厚めを意識しよう。

 ズッキーニの天ぷら、最大のポイントは衣。前述の衣に粘りを持たせる為の山芋、香り付けにパセリとバジル、下味にパルメザンチーズを混ぜ込んで洋風な天ぷら衣に仕上げる。

 輪切りにしたズッキーニに竹串を打ち、衣に潜らせて油にドボン。衣がサクッときつね色になれば完成だ。

「そらできたぞ、『ズッキーニの洋風天ぷら』だ」

 サクサクの香り高い衣の中から、トロトロのズッキーニが溢れ出す。そこにチーズの塩気がマッチする。

「こりゃ天ぷらってよりフリットに近いスね」

「日本酒じゃなくてワインとかに合いそうだわ」

 ズッキーニの天ぷら、普通の衣でも十分美味いんだが何せズッキーニが淡白な味だからな。今回のように衣にカレー粉なんかで味付けしたり、クリームチーズやチェダーチーズ、豚肉なんかを挟んで挟み揚げにするか、タルタルソースなんかの味の強い調味料を付けたりしてやると更に美味くなるぞ。お次は夏野菜の中でもクセの強い、ゴーヤの天ぷらといこう。


《ワタごと!?ゴーヤの天ぷら》

・ゴーヤ:1本

・天ぷら衣:適量

 大体の料理で取り除かれてしまうゴーヤのワタ。実は揚げてやるとその食感はカボチャの種のようになり、カリカリとしていいツマミになる。作り方は簡単、ゴーヤをそのまま1cm位の輪切りにして、そのまま衣に潜らせて、揚げる。これだけだ。苦みが苦手なら水にさらして軽く苦味を抜くといい。

 さて、ゴーヤの輪切りの天ぷらだが、当然ワタを抜いたレシピもある。ワタを抜いて挽き肉等の様々な食材をを詰めて肉詰めレンコンのような感じに仕上げても美味いぞ。

「さぁ、『ゴーヤの天ぷら』だ。」

「く~!この苦みが酒に合うなぁ!」

「ワタと種ってどうなの?って思ったけど、面白い食感でいい感じじゃない!」

 さぁさぁ、まだまだいくぞ。 
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