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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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88部分:第十話 サガの力その五


第十話 サガの力その五

「貴様等程度ではな!」
 その言葉通り凄まじい光の矢でインプ達を撃つ。それに撃たれ貫かれたインプ達が無残に倒れ亡骸を晒す。まさに爆発であった。
 それが終わってからゾルダは。レッシュに顔を向けて声をかけるのだった。
「今度は貴様だな」
「そうだな」
 その言葉に静かに頷くレッシュであった。
「それでは。行かせてもらう」
「いつもながら冷静なものだな」
 今のゾルダの言葉は皮肉ではなかった。落ち着いた目がそれを何よりも物語っていた。
「貴様は」
「私は私だ」
 レッシュもまた冷静に彼に言葉を返すのだった。
「いつも通りだ。だからこそ」
「この連中を倒すだけか」
「そう、いつも通りだ」
 目を閉じた表情になっていた。
「変わることはない」
「ではいつも通りの貴様の闘いを見せてもらう」
 ゾルダはそう言いつつその身体をそっと退けるのだった。
「果たしてそれが本当なのかどうかな」
「私を疑うというのか?」
「いや」
 それは否定するゾルダであった。
「そのつもりはない。ただ」
「ただ?」
「見ておきたいのだ。貴様の力をな」
「そういうことか」
「そうだ、今の貴様の力」
 こう言い換えるゾルダであった。
「是非見せてもらおう」
「では遠慮なく見せてやろう、このレッシュの技」
 今の言葉と共にその身体に小宇宙が宿る。
「いつも通りな」
「野郎、俺達のことは眼中にねえっていうのかよ」
「ふざけてるんじゃねえぞ」
「無論ふざけてはいない」
 それはすぐに否定するレッシュであった。やはり冷静に。
「私は本気だ。それに」
「それに!?」
「何だってんだ!?」
「私の辞書に手を抜くという言葉もまたないとだけ言っておこう」
 言いながらその両手をゆらりと動かしていく。まるでそうしながら何かしらの力を蓄えていくように。そんな感じの動きであった。
「今ここでな」
「それは俺達だって同じことだ!」
「これ以上聖闘士にやられてたまるかよ!」
 またしても叫びながら槍を手に襲い掛かるのであった。
「くたばれ!」
「この槍で串刺しにしてやる!」
「槍か」
 レッシュはその言葉に反応して目をピクリと動かしたのだった。
「今槍と言ったな」
「それがどうした!」
「まさか槍も知らねえのか!」
「槍なら私も持っている」
 彼は相変わらず落ち着いた声で答えるのだった。
「ここにな。受けよ、私の槍」
「むっ!?」
「うっ!?」
「グローランス!」
 技の名を叫びながら右拳を思いきり突き出す。
「この突きで滅びよ!」
「なっ、この拳は!?」
「ただもんじゃねえ!!」
 その突きを受けたインプ達が吹き飛ぶ。その槍は明らかにインプ達のそれとは比較にならない速さと威力を持っていたのであった。
「どうだ、私の槍は」
 槍を繰り出した後で言うレッシュであった。
「貴様等の槍とは全く違う筈だ」
「うう・・・・・・」
「私の槍は一突きで勝利を決定する」 
 こうまで断言してみせるのだった。
「貴様等のそれとは根本から違うのだ」
「確かにな」
 ここでゾルダがまた出て来てレッシュに告げた。
「それはその通りだ」
「どうだ、ゾルダ」
 レッシュはそのゾルダに対して問うた。
「今の私の技は。貴様のそれと比較しても遜色はあるまい」
「さて、それはどうかな」
 しかしゾルダは今のレッシュの言葉には懐疑的に笑ってみせるのであった。
 
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