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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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840部分:第百三十話 聖戦が終わりその五


第百三十話 聖戦が終わりその五

「聖域に入られたのですか」
「それもこの十二宮まで」
「許可は貰っている」
 巽は二人の問いに対して冷静に返す。
「教皇直々にだ」
「そうだったのか」
「それは知らなかったが」
 アルデバランもミロも知らないことだった。
「やはりグラード財団の関係でか」
「それでか」
「そうだ。それでこうして十二宮に入られる」
 そしてだ。さらに話すのだった。
「それでだが」
「はい、それで」
「何でしょうか」
 ムウとシャカは冷静に彼に問う。
「今度は一体」
「何があったのでしょうか」
「その刺身と天麩羅が殆ど俺が作った」
 アイオリアとミロが作ったというその和食についてであった。
「二人に料理ができると思うか」
「無理だな」
 カミュが断言した。
「それはな」
「そうだな、それは」
「どう見てもな」
 黄金聖闘士達は口々に言う。二人以外の面々がだ。
「この二人だけは」
「料理とか家事全般駄目だろうな」
「宮殿の付き人が可哀想だな」
「本当に」
「随分行ってくれるな」
「全くだ」
 二人もここで何とか反撃を試みる。憮然とした顔で。
「我等も包丁を手に取ったのだ」
「ガスに火を点けた」
「それだけだった」
 巽は証言者にもなっていた。
「他は全て俺がした」
「って全部だよな」
「そうだな」
「確かに」
 デスマスクにシュラ、アフロディーテはここまで聞いて述べた。
「やっぱりそんなことだったのかよ」
「予想通りだが」
「二人共料理はできないのですね」
「いや、できる」
「できるぞ」
 しかし二人は強弁する。
「だからだ。包丁を持った」
「ガスに火を点けた」
「それで料理をしたと言えるのか?」
「甚だ疑問だが」
 カミュとアルデバランも呆れていた。
「それではな」
「とてもできるとは言えないだろう」
「そうですね、それは」
 穏健なムウも言う始末だった。
「料理ができるとは」
「くっ、全員か」
「全員で言うか」
 二人は劣勢を悟らざるを得なかった。流石にここまできてはだ。
「我等とてだ。料理はだ」
「しようと思っているのだ」
「料理が出来なくともいいのではないのですか?」
 シャカは何気に止めをさしてきた。
「それができなくとも困りはしません」
「それはそうだが」
「しかし。他の者はできるというのにだ」
 二人だけできないのでは、というのであった。
 
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