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『Just my way』

作者:零那
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『Miserable』



もう居ないんだと
今更ながら痛感する

真正面から向き合い
正義を貫けと
叱ってくれていた
父のような貴男

辛くても悲しくても
どんな時だろうと
逃げずに私を
温かく包んでくれた
母のような貴男

落胆させることが
在っても必ず
理由を聞いてくれた

どんな事態でも
冷静さを兼ねていて
守ってくれてた

いつでも優しさが
溢れていた
いつでも愛が
溢れていた

そんな貴男に私は
何も返せない侭
旅立つ貴男に
何も言えぬ侭...

生きてさえいれば
また逢えた...
生きてさえいれば
貴男の元へ
帰りたかった...

あの時
貴男はもう居ないと
聞いてなければ
私は何も知らずに
笑顔で
ドアを開けていた...

時によって
父のように母のように
接してくれていた
根っこには必ず
私を想う愛が在った

そんな貴男に私は
一体何を返せただろう
恩を返すことなど
何ひとつ出来なかった

掬って貰うばかり
助けて貰うばかりで
私は何ひとつ...

今の情けない私に
貴男なら何を
言ってくれるだろう

今の哀れな私を見て
貴男は一体何を
想うのだろう

私の正解は
何なんだろうか

貴男はもう
導いてくれない


 
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