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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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780部分:第百二十話 射る者その二


第百二十話 射る者その二

「この私がだ。いるのだ」
「つまりここは何としても通さないというのか」
「何故私がここにいるかだ」
 そこからの言葉だった。
「それを考えるのだな」
「それはわかっている。いや」
 言ってからだった。言葉を変えたアイオロスだった。その言葉は。
「言うまでもないことだったな」
「その通りだ。最早言うまでもないことだ」
 デイモスもその通りだというのだった。
「私がここにいるその理由はだ」
「あくまでアーレスを護るというのか」
「貴様等がアテナを護るのと同じだ」
「それとか」
「そうだ、それと同じだ」 
 また言うのだった。
「これでわかったな」
「話は聞いた」
 確かにだという。
「我等はそうした意味では同じだな」
「同じだな。確かにな」
 それはお互いに言い合うことになった。だがここでの同じというのは平行線という意味である。混ざり合うものでは決してなかった。
 そしてだ。さらに話を交えるのだった。
「ではサジタリアスよ」
「うむ」
「これから雌雄を決する」
 言葉がさらに強くなってきていた。
「私が勝つ」
「そうした意味での雌雄か」
「アーレス様の御前は何があろうと通しはせぬ」
 この決意は他の者達と同じであった。やはり彼もアーレスの戦士であった。
「そう、絶対にだ」
「私もまた勝たなければならない」
「ではだ」
「行くぞ」
 来い、ではなかった。その言葉は果敢なものだった。そうしてであった。
 その小宇宙が湧き上がってだ。構えに入った。
「あの時は二つの技で貴様を倒せなかったな」
「そうだったな。だがその威力はだ」
「貴様を倒せなかったのは変わらない」
 デイモスの言葉が変わらない。
「それは事実だ」
「では次の技はか」
「貴様を確実に倒す」
 こう言ってであった。
「ここでだ」
「倒すというのか」
「貴様と同じ考えだ」
「そうだな」
 アイオロスはデイモスのその言葉に頷いてみせた。
「そうした意味では同じ考えだな」
「サジタリアスよ」
 構えながらだアイオロスに対して言うのだった。
「貴様は過去どれだけ戦ってきた」
「どれだけか」
「そうだ、どれだけだ」
 それを問うのであった。
「これまで何度もだ。どれだけ戦ってきた」
「覚えていない」
 アイオロスは一旦目を閉じてだ。そのうえで答えたのである。
「神話の時代から。どれだけ蘇ってきたのかはだ」
「そうか、覚えていないのか」
「私は幾度も輪廻転生を繰り返してきた」
「輪廻か」
「シャカの言葉になるがだ。それはまさに輪廻だ」
 言葉として最も相応しいからだ。あえてこう言ってみせたのである。輪廻転生とはまさにシャカが言う言葉だった。それは仏教にある言葉だ。
「それだ」
「だからこそそれか」
「そうだ、私は輪廻転生の中に生きているのだ」
「魂自体がだな」
「身体は変わる。だが魂は変わらない」
 こう言うのであった。
 
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