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ドリトル先生と沖縄の蛇達

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第九幕その四

「僕が呼んでもらいました」
「あっそういえば今」
「虫とお話をしていましたね」
「だからですか」
「虫に呼んでもらったんですね」
「そうです」
 まさにその通りとです、先生は皆ににこりと笑ってお話しました。
「こうして」
「そうですか」
「いや、今回も先生の特技が活きましたね」
「お陰でもうです」
「ハイに会えました」
「何かこの人達凄く驚いてるね」
 事情を知らない虫はきょとんとして先生に尋ねました。
「どうしたの?」
「実は僕達の間ではハイ君達は珍しい蛇なんだ」
「あっ、そうなんだ」
「数がとても少なくてね」
「そういえばこの森でもハブさん達は多いけれど」
「ハイ君達は少ないね」
「そういえばそうかな」
 虫さんも言われて頷きます。
「ハイさん達はかなり少ないかな」
「この森でもね」
「確かにね、じゃあ僕はこれでね」
「他の場所に行くんだね」 
「そうさせてもらうよ」 
 こう言ってです、虫さんは枝から何処かに飛んでいきました。そして残ったハイはといいますと。
 先生達を見て何かと思っていましたが先生はそのハイにハブの言葉で声をかけました。
「いいかな」
「あっ、ひょっとしてドリトル先生?」
「うん、そうだよ」
 ハイにお顔を向けてにこりとお話します。
「僕のことを知ってるんだね」
「先生は有名人だからね」
 それでというのです。
「僕達もね」
「知ってるんだね」
「うん、知ってるよ」
 実際にというのです。
「この通りね」
「それは何よりだよ、実はね」
「実は?」
「君達に用があって来たんだ」
「僕達に」
「そう、ハイ君達にね」
 その彼等にというのです。
「用があって来てもらったんだ」
「用って」
「君達の中から十つがい、二十匹位移住してもらいたいんだ」
 そうだというのです。
「この森からね」
「移住って」
「他の場所に住んでもらいたいんだ、動物園でね」
「動物園?」
「狭いけれど天敵もいないよ、姿はよく見られるけれど」
「ううん、安全なんだ」
「それに場所も広い場所を用意しようと思えば可能な限り出来るから」
 先生はこうハイにお話します。
「安心していいよ」
「そうなんだ」
「とにかく安全だから」
「天敵がいなくて」
「あと雨も嵐もないよ」
「台風もだね」
「うん、一切ないよ」
 動物園にはです。 
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