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オズのビリーナ

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第八幕その十一

「鶏の彼女もいるね」
「やっぱりわかるのね」
「気配でわかるから」
「ノームの人達にとって苦手なものだから」
「それでだよ」
 まさにというのです。
「わかるよ」
「卵を産むから」
「隠れている分にはいいけれどね」
「姿を見せてよね」
「そうそう、その声で確証が取れたよ」
 ビリーナのその声を聞いての言葉です。
「鶏は勘弁して欲しいよ」
「特に卵はよね」
「それはここでは産まないでもらいたい」
「わかってるわよ」
 ビリーナは皆の中に隠れたままカリフ王に答えました。
「そこはちゃんとしておくわ」
「くれぐれもね」
「だから安心してね」
「そうさせてもらうよ、しかし」
「しかし?」
「君の知恵と機転は今回も役に立つだろうね」
「その自信はあるわ」 
 ビリーナ自身にしてもというのです。
「任せておいてね」
「うん、君は苦手だが期待しているよ」
「期待してもらって結構よ」
「ここでこう言うのがビリーナなのよね」
 トロットはビリーナのその言葉を聞いて言いました。
「いつも自信たっぷりで」
「私は自信の塊よ」
 ビリーナ自身もこう言います。
「むしろ自信のない私なんて私じゃないでしょ」
「それはその通りね」
「わしもそう思うよ」
 トロットもカリフ王も言います。
「自信のないビリーナなんて」
「君じゃないよ」
「私が協力するからにはこの問題は解決したわ」
 まさにというのです。
「その時点でね」
「そう言う自信があるし」
「根拠もあるわよ」
「その根拠は何かな」
「私の勘と頭脳よ」
 この二つだというのです。
「これで充分でしょ」
「言うものだね」
「けれどこれでわかるでしょ」
「君も知っているしね」
 カリフ王にしてもというのです。
「苦手だけれど長い付き合いだけあって」
「そうよね」
「じゃあ君のその勘と知恵もね」
「閃きもよね」
「頼りにさせてもらうよ」
「そういうことよ、じゃあ早速」
 ビリーナは今度は皆に声をかけました。
「問題の解決に動くわよ」
「まずはどうするんだい?」
「双方のお国に行くのよ」
 こうキャプテンに答えました。 
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