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オズのビリーナ

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第八幕その九

「ちゃんとね」
「だといいけれど」
「それならね」
「王様も怖がるしね」
「わし等もだし」
「そうよね。だから卵は産まないし」
 それにと言うビリーナでした。
「姿も見せないから」
「うん、頼むよ」
「ノームは卵はどうしても駄目だから」
「宜しくね」
「こっちが大変なことになるから」
「わかってるわ、まあまずはカリフ王とお話ね」
 こうしてでした、一行はまずはノーム王とお話をすることになりました。それでノームの人達がノーム王の宮殿に案内しますが。 
 その入口に一種で来ました、それでです。
 ナターシャは入口でトロットに尋ねました。
「あの、すぐに着きましたけれど」
「これも魔法よ」
「それで、ですか」
「ノーム族は王宮まですぐに来ることが出来るの」
「そうした魔法がかけられているんですか」
「ノームの国自体にね」
「それは便利ですね」
 ナターシャはそのお話を聞いて笑顔になりました。
「グリンダさんがかけてくれたんですね」
「そうよ、ノームの人達の為にね」
「だから一瞬で来られたんですね」
「このジュエルがあるとだよ」
 ノームの一人がナターシャ達に黄金に輝く宝石を見せてきました。
「地下の何処にいてもだよ」
「王宮まで、ですね」
「行くことが出来るんだ、他の場所にもだよ」
「行くことが出来るんですか」
「地下ならね」
「凄いジュエルですね」
「ただ、普段の移動は」
 それはといいますと。
「地下の土や岩を通り抜けられる地下鉄で移動することが普通だよ」
「地下鉄ですか」
「それを使ってね」
 そのうえで、というのです。
「わし等は地下のあちこちを移動しているんだ」
「そうなんですか」
「これがまたよくてね」
 笑顔で言うノームでした。
「地下鉄を使っての移動は」
「じゃあドワーフ族や闇エルフ族の国にも」
「すぐに行けるよ」
「じゃあかなり楽ですね」
「だから行き来は安心してね」
「地上にも鉄道はあるわよ」
 ビリーナの声がまた聞こえてきました。
「ちゃんとね、けれどね」
「地面の中を通り抜けたりとか出来ないわね」
「それはないわ」
 流石にというのです。
「そうしなくても移動出来るし」
「だからなのね」
「ただお空も飛べるわ」
「あら、そうなの」
「ええ、夜空の鉄道の旅とかね」
 そうしたこともというのです。
「出来るわよ」
「銀河鉄道の夜ね」
 恵梨香はビリーナのそのお話を聞いてこのお話を思い出しました。
「あのお話みたいに」
「それは物語?」
「そう、日本のね」
 まさにそれだとです、恵梨香はビリーナに答えました。
「お空を飛ぶ列車でお友達と一緒に旅をするお話なの」
「随分奇麗そうなお話ね」
「奇麗だけれど悲しいの」
「どうして悲しいのかしら」
「最後お友達が死んじゃうから」
 だからとです、恵梨香はビリーナにお話しました。 
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