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転生とらぶる

作者:青竹
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ガンダムW
  1562話

 
前書き
新年、明けましておめでとうございます。
今年も1年、よろしくお願いします。 

 
 会議室に戻ってくると、当然のように扉の前にいた兵士が緊張した様子でこっちを見る。
 正確には、俺ではなく俺の後ろにいる五飛だが。
 これまで散々暴れてきたガンダムのパイロットというのは、兵士達にも分かっているのだろう。
 だが、それでも持っている銃を構えたりしないのは、五飛が俺の後ろで大人しくしているからか。
 ともあれ、兵士達は俺が何を言うまでもないままに、扉を開く。
 そして部屋の中に入ると、当然ながら俺の方へと……そして五飛の方へと視線が集まる。
 ただし、俺に向けられる視線は先程とは違っている。
 やはり俺が五飛を生身で圧倒したというのが大きいのだろう。

「さて、取りあえずガンダムのパイロットを連れてきたが……どうする?」
「ガンダムのパイロットを連れて来るとは、何を考えている!」

 部屋の中にいた一人が、俺を責めるように叫ぶ。
 自分が目立とうと、そしてこの場の主導権を得ようと、そう考えているのだろう。
 だが、そんな男に対し、セプテムは鋭く叫ぶ。

「黙れ。アクセルがそのパイロットを連れてきたのは悪い話ではない。ガンダムの扱いは、今の連合軍にとって非常に重要なものだ。OZとの扱いもあるしな」
「セプテム将軍!?」

 まさか、タカ派のセプテムが俺に対して擁護するような発言をするとは思わなかったのか、唖然とした表情が浮かぶ。
 こんな時に馬鹿な政治ゲームをやっている軍人は放っておいて、改めてノベンタ、セプテム、ベンティの連合軍トップ3に目を向け……そこで五飛が口を開く。

「話を聞かせて欲しい。先程この男から、連合軍がコロニーに宥和政策をとるという話を聞いた。残念ながら俺は戦闘中に意識を失っていたから聞いていないが……それは本当か?」

 シン、とした静寂が会議室の中に満ちる。
 返答次第によっては、ここで暴れる事も躊躇わない。
 そんな思いを感じさせる視線を向けられたノベンタは、やがて数秒の沈黙の後にしっかりと頷く。

「その通りだ。連合軍はコロニーに対して宥和政策を行う事とした。段階的に宇宙の軍事力を減らしていくという事も考えていたのだが……」
「何か条件でもあるのか?」
「……先の戦いの最中、OZが反乱を起こしたのだ。連合軍としては、OZのこの行動を許容する訳には当然いかない。その為、コロニーとの宥和政策は行うが、連合軍の軍事力の削減は暫く後になるだろう」

 ノベンタの言葉に、五飛は少し考えた様子で黙り込んだ後、頷く。
 ……にしても、軍事力の削減か。
 原作だと最終的には軍事力をなくする事まで考えていた筈だが……これもまた俺が介入した、そしてOZの影響か?
 どちらかと言えば、俺じゃなくてOZの影響だと思いたいところだな。

「それで、俺はどうなる?」
「どうなる、か。君はどうしたいのかね?」
「勿論当初の目的通りOZを倒す。それと……」

 ノベンタの問いに、五飛は一旦言葉を止めると鋭い目付きを俺へと向けてくる。

「この男を倒す」
「ほう。それは凄い」

 からかっているのでもなく、馬鹿にしているのでもなく、本当に心の底から感心しているといったようなノベンタの声。
 まぁ、ノベンタは俺の実力をよく知っているしな。
 もっとも、ノベンタに見せた俺の実力が全てという訳でもないのだが。

「だが、そうなると……君もこのまま解放されるというのは、心残りがあるのではないか?」
「……だろうな」

 ノベンタの言葉に五飛が頷く。
 まぁ、基本的には地上用MSで、空を飛べないシェンロンガンダムだ。これからの俺は色々な場所を飛び回ってOZとの戦いに専念する事になり、とてもではないが五飛が俺を追うのは難しい。
 いや、別に地上用MSだからと言って、MSで歩いて俺を追ってくる必要はないのか。
 トールギスだって、空を飛べるMSだが遠距離を移動する際には輸送機を使ってるのだから。
 そんな事を考えていると、ふと五飛が俺の方へと視線を向けているのに気が付く。

「どうした?」
「貴様は連合軍ではなく、連合軍に雇われている傭兵だったな?」
「まぁ、そうだな。正確には連合軍にじゃなくて、ノベンタにだが」
「ふむ、よかろう。ならば俺をその傭兵団に入れて貰おう」
「……は?」

 最初、俺は五飛が何を言っているのかが全く分からなかった。
 当然だろう。まさか、ガンダムのパイロットがシャドウミラーに入れて欲しいと言ってくるとは思わなかったからだ。
 しかも、それを言っているのは五飛。

「馬鹿な! ガンダムを傭兵にくれてやるだと!?」

 こちらの様子を見ていた、連合軍のお偉いさん達がそう叫ぶのも無理はないだろう。
 正直なところ、俺もそう思っていたのだから。しかし……

「構わんだろう」

 会議室の中にそんな声が響く。
 誰がその声を発したのかと、部屋の中にいるお偉いさん達が声のした方へと視線を向けると、そこにいたのは強硬派のセプテム。
 ……セプテム?
 まさか、セプテムの口からそんな言葉が出てくるとは思わなかった。
 それは他のお偉いさん達も同様なのだろう。何故? といった視線がセプテムに向けられる。
 その視線を受け取ったセプテムは、小さく溜息を吐いてから口を開く。

「そもそもの話、ガンダムを乗りこなせるパイロットが連合軍にいると思うか? 残念ながら、いないだろう」

 セプテムのその言葉に、連合軍の上層部は言葉を噤む。
 当然の事ながら、高性能のMS程にそれを使いこなすだけの技量を要求される。
 その最たる例が、俺の乗っているトールギスだ。
 ハワードに改修して貰う前のノーマルの状態のトールギスであっても、普通のパイロットでは乗りこなせなかった。
 例えば、OZの中でもゼクスに名前を覚えられているだけの能力を持っているオットーですら、トールギスを乗りこなす事は出来なかった。
 いや、OZのパイロットの中でトップエースのゼクスでさえ、最初にトールギスに乗った時は死を覚悟する程の重症を負った。
 勿論トールギスはその設計思想からして、重装甲の機体をスーパーバーニアで強引に機動力を上げるという代物だ。
 ゼクス曰く、決闘用のMS。
 そんなトールギス程に無茶な機体ではないが、ガンダムも当然その辺のMSとは比べものにならないくらいの高性能MSだ。
 そのガンダムを普通の連合軍のパイロットが動かしても、それこそ敵の的になるだけだろう。
 実際、原作でもヒイロの身体能力のデータを分析したら、人間ではないという結果が出たらしいし。
 この辺、実はヒイロって俺のように人間外の生物だったりしないだろうか?
 ウイングガンダムの中枢が消滅するだけの自爆の中心近くにいながら、後遺症の残るような怪我をしていない辺り、俺程ではないにしろ魔法生物っぽいような。
 そんなことを考えている間にも、セプテムの説明は続く。

「そうなると、ガンダムの能力を最大限に活かすには、それが出来るだけの実力を持つパイロットが必要だ。そして、今の連合軍にそれだけの技量を持つパイロットと言えば……」

 セプテムの視線が俺へと向けられる。
 まぁ、トールギスは全てのMSの原型だ。
 正確にはトールギスからウイングガンダムゼロときて、そこから各種のガンダムへと続くんだが。
 ともあれ、俺が乗ってもガンダムの全性能を引き出す事が出来るのは間違いないが、そうなると今度は、誰がトールギスに乗るのかという事になる。
 俺以外で今トールギスに乗れるとすれば、身体能力的な意味で綾子しかいない。
 だが、綾子の操縦技術ではトールギスを使いこなすまではいかない。
 五飛では、身体能力的な問題で難しい。
 結果として、やっぱり俺がトールギスに乗るのが相応しいんだよな。
 だからといって、綾子をガンダムに乗せても……連合軍のパイロット程に無駄とは言わないが、それでも操縦技術が足りないのは事実だ。
 結果として、ガンダムの性能を最大限に引き出せて連合軍の戦力を高めるという意味では、やっぱり五飛をガンダムのパイロットとして運用するのが最善なのは間違い無い。

「だが、当然これまでOZ……いや、地球で破壊活動をしてきたガンダムのパイロットを全面的に信じられるかと言えば、答えは否だ。つまり、ガンダムを連合軍の戦力として活動させるためには、いざという時にガンダムをどうにかするだけの戦力が必須となる。……連合軍の戦力でガンダムをどうにかするだけの戦力を用意しようと思えば不可能ではないが、それには一定以上の量が必要となる。であれば、そのガンダムを捕らえたアクセルに任せるというのが最善の選択とは思わないかね?」

 ……セプテム、どうしたんだ?
 トーラスの件から、俺に対してそれなりに友好的な態度をとってはいたが、まさかここまでとは……
 何かに覚醒したんじゃないかと思う程だ。
 事実、五飛を俺に預ける事に文句を言っていた者達も、今はもう黙り込んでいる。

「……俺が聞くのも何だが、いいのか?」

 それこそ、何らかの洗脳でもされたのではないかと思えるようなセプテムを見ながら尋ねるが、ノベンタとベンティの2人も全く問題ないと頷きを返す。

「セプテム将軍の言う通り、今の状況でもっともガンダムを有効に使うのであればアクセルと……シャドウミラーと行動を共にした方がいいのは間違いない。正直なところ、ガンダムのパイロットがこのような少年だった事には驚いたが、それでも強さは問題ないのだろう?」
「ああ、それは問題ない」

 トールギスに俺が乗っている以上、現状ではOZにこちらの脅威となるようなMSはない。
 もっとも、それはあくまで単機ではという事であり、OZのMS部隊が連携を取って襲ってくるような事になれば、多少厄介な事態になるだろう。
 トールギスにしろガンダムにしろ、ニーズヘッグのようにエネルギーを気にせず戦える機体ではない。
 推進剤やビームのエネルギーを必要とする以上、持久戦に持ち込まれると非常に厄介極まりないのだ。
 実際、今回のニューエドワーズ基地での戦いも、戦闘自体は俺が圧倒していたが、トールギスの推進剤は殆ど限界に近かったし、ドーバーガンのカートリッジも全て消耗してしまっていた。
 勿論被害という意味では間違いなくOZの方が多いと思う。
 だが、幾らでも替えのあるOZの戦力とは違い、こっちにはトールギスの代わりとなるだけの機体は存在しない。
 である以上、こちらとしてもOZの機体と同士討ちのような真似は絶対に避けたい。
 補給等のバックアップの態勢がどうしても必要になってくる訳だ。
 だが、当然ながらOZとしては、こっちの弱いところを狙ってくるだろう。
 補給部隊なんかには護衛が必須となる。

「であれば、やはりガンダムはシャドウミラーに同行させる方がいいだろう。……ノベンタ元帥?」
「うむ。私もセプテム将軍の意見には賛成だ。それに、こう言うのもなんだが連合軍のMS部隊とガンダムを一緒に戦わせても、こちらからすればガンダムだけが突出してしまい、ガンダムから見ればこちらのMSの動きが鈍く、お互いに協力するのは難しい。……そうではないかね?」

 視線を向けられた五飛は、ノベンタの言葉にあっさりと頷きを返す。

「そうだな。連合軍のパイロットでは力が足りん。俺と共に行動をするのであれば……他のガンダムを相手にしていたエアリーズ部隊くらいの練度は最低限必要になるだろう」

 堂々と力不足……未熟だと言われた連合軍の将校達は、当然面白くなさそうな表情を浮かべる。
 だが、五飛の言っている事は間違いのない事実でもあった。
 勿論連合軍のパイロットにも才能がある者達は多いのだろうが……それが表に出るような事は、基本的に少ない。
 この辺は年功序列に近い制度を用いている連合軍の組織体系が関係しているのだろうし、同時に連合軍が出来てからそれなりに長い時間が経っている為に、組織的に硬直状態にあるというのも大きいだろう。
 ともあれ、各基地に才能のあるパイロットがいない訳じゃないが、それを十分に活かすだけの制度にはない訳だ。

「なら、この男……」

 五飛に視線を向け、言葉に詰まる。
 いや、今の俺の状態では五飛の名前をまだ聞いていない。
 であれば、ここでその名前を知っているというのは色々と問題があるだろう。
 名前を問う俺の視線に気が付いたのか、五飛は小さく頷くと1歩前に出て口を開く。

「俺は張五飛。ナタクのパイロットだ」
「……ナタク? それがお前のガンダムの名前か?」

 連合軍の将校の1人がそう尋ねるが……

「違う。ナタクはシェンロンガンダムだ」

 そう告げるのだった。
 五飛の言っている意味がよく理解出来ないといった表情を浮かべる連合軍の将校達だが、俺が肩を竦めて口を開く。

「多分ガンダムの正式な名前はシェンロンガンダムで、五飛がガンダムを呼ぶ時の名前がナタクなんだろ」

 五飛にそうだろ? と尋ねると、五飛はその通りだと頷きを返すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:575
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1217 
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