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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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731部分:第百十話 薔薇の毒その二


第百十話 薔薇の毒その二

「それだけではありません」
「美はそれだけではないか」
「その通りです。美は一つだけではありません」
「あの時の貴様もそうか」
「命を、全てを賭けて戦う」
 アフロディーテの言葉が自然と強いものとなる。
「それもまた美なのです」
「その通りだな」
 ミシェイルもそれは否定しなかった。アフロディーテの言葉を認めていた。
「私もまた美を愛している」
「貴方もだというのですか」
「そうだ」
 まさにそうだというのだ。
「私もまた同じだ。我が魔神アスタロトは美を愛する魔神だ」
「そうでしたね。アスタロトの前身はイシュタル」
「そうだ」
「メソポタミアの美と戦いの女神」
「貴様と同じだ」
 そのアフロディーテとだというのだ。
「その貴様とだ」
「同じですね。美と戦いならば」
「そう、我々は同じなのだ」
 また言う彼だった。
「美を正義として戦いの中に生きるのだからな」
「そして」
「そしてか」
「そうです、そしてです」
 彼の言葉は続く。
「貴方はかつてはその地にいました」
「フェニキアにな」
「そしてオリンポスにあがりですか」
「アーレス様と出会った」
 これが彼の歴史だった。戦士になる歴史だった。
「アーレス様は孤独に苛まれ我等も自分達の価値観を否定されてきた」
「その中でアーレスと出会いですね」
「我等は互いにかけがえのないものを感じ取ったのだ」
「そして仕えた」
「アーレス様は我等を受け入れて下さった」
 ここでも言うのだった。狂闘士の歴史をだ。
「そして我々はオリンポスの神々、そして天闘士達と戦った」
「天界を追われトラキアに降り立ち」
「オリンポスの神々はこの地を伏魔殿という」
「伏魔殿ですか」
「パンデモニウム」
 ミシェイルはこの名前も出した。
「魔神達の城だとな」
「悪の城だというのですね」
「そう呼びたければ呼ぶがいい」
 アフロディーテに対しても告げた。
「貴様等もな」
「生憎ですがそのつもりはありません」
「ないというのか」
「貴方達は悪ではありません」
 それは言うのだった。
「しかし。我等の正義でもありません」
「聖域の正義ではないか」
「我等の正義は人の正義です」
 それが彼等の正義なのだという。
「しかし貴方達は」
「どうだというのだ?」
「アーレスの正義」
 それだというのだ。
「まさにそれですね」
「それの何が悪いのか」
 ミシェイルもそれを否定しない。完全に肯定さえしている。
「アーレス様の正義の」
「そう、そこです」
「それだというのだな」
「私は美を絶対の正義と信じています」
 アフロディーテはまた己の正義を語ってみせた。
 
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