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提督はBarにいる。

作者:ごません
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作り置き可能!激ウマソースレシピ&常備菜特集・その3

 さて、そろそろお通しにする常備菜を作っていこう。注文を受けてそれを作っている間の繋ぎだから、冷蔵庫から出して盛り付けるだけで食べられるか、レンジでチンする位で食べられるような物が理想的だな。まぁそういうレシピのストックはいくらでもあるから困らんが。

「まずは塩辛の補充から行くか……」

 ウチの店で切らせないツマミの1つがイカの塩辛だ。俺はイカ漁師の勝の野郎と伝手があるから、新鮮なイカが仕入れられる。それが判明してからというもの、飲兵衛……特に日本酒・焼酎愛好家の連中からスルメと塩辛の注文が激増したのだ。その為、毎日とは言わないが定期的に仕込まないと足りなくなってしまう。

《酒肴の定番!イカの塩辛》

・イカ(真イカがオススメ):適量

・塩(粗塩がオススメ):イカの分量によって変化

・出汁昆布:少々

・赤唐辛子:少々

・柚子の皮:お好みで

・酒(又はみりん):少々

 まずはイカの下処理から。刻む前に仕込むイカの総重量を量っておくように。後々重要な数値になるからな。それが終わったらイカの胴に指を突っ込み、ワタとくっついている胴体を剥がす。脚の付け根……なんなら目玉の辺りでもいいかもな、その辺を掴んでワタ袋を破かないように引き抜く。万が一破けた場合も水洗いはなるべく避けるように。塩辛の仕上がりが水っぽくなったり、傷みやすくなったりするからな。出来れば酒で洗うようにしよう。

 ワタ袋を取り出したら、破かないように墨袋を取り外す。ワタ袋にくっついてる筋みたいな奴がそうだ。破くとイカスミまみれになってエラい事になるので気を付けて。墨袋を取り外したら、ワタ袋と頭、ゲソに分ける。頭の部分は今回は使わないので捨ててもOKだ。

 ワタの先端を切り、ワタ袋の中身を箸などで扱き出す。ほじくらなくても絞れば出てくるハズだ。絞り出したワタはボウル等に入れておこう。

 お次はイカの身を調理していく。ゲソはゴシゴシと手で擦って吸盤を取り除き、適当な大きさに刻む。胴体は5mm幅位でしっかりと断ち切るようにしよう。ちゃんと切らないとズルズルくっついて来るからな。……あ、皮に関してだが剥がしても剥がさなくてもOKだ。皮を剥がさない作り方を赤作りと言うんだが、俺個人としちゃあ赤作りの方が味が濃い感じがするから好みだな。

 イカを刻み終わったら、ワタと合わせていくぞ。先にワタの味付けだが、イカの総重量の6~10%の塩をワタに混ぜておく。塩気は自分の好みで調整してくれ。ワタと塩が混ざったら、ここに刻んだイカを混ぜる。お好みで細かく刻んだ赤唐辛子と出汁昆布を加えると、旨味と辛味のアクセントがプラスされて美味いぞ。あ、この時に漬け物用の麹を砕いて加えると、まろやかな甘味も加えられる。甘口の塩辛がいい人は試してみよう。

 後は密封容器に入れて一週間程熟成させるのだが、その間毎日朝夕容器の底から全体が混ざり合うようにかき混ぜるように。そうしないと浸かり具合にムラが出てしまうからな。

 一週間寝かせたら仕上げに酒かみりんを少々振って完成。食べるときにレモンや柚子の皮の千切りを入れて香り付けしたり、明太子をほぐしてまぶしても美味いぞ。




「うし、塩辛はOK、と……」

 お次は……あ、そういや山雲が出来すぎたからとピーマン大量に持ってきてたっけな。それを使って一品作るか。作るのはご飯が無限に食べられるという意味で、名付けて『無限ピーマン』……そのまんま過ぎるネーミングたが、そこは解りやすさ重視、という事で。


《箸が止まらない!無限ピーマン》

・ピーマン:200g

・ツナ缶:1/2缶

・中華だし(顆粒):小さじ1

・ごま油:小さじ1

・砂糖:小さじ1/2

・塩、胡椒:少々

・ごま(白黒どちらでも):大さじ1/2



 さて、作っていくぞ。まずはピーマンを半分に割り、種とワタを取り除いてその後は細切りに。縦横どちらでもいいぞ。

 刻んだピーマンを耐熱容器に入れ、その上にツナ缶と調味料をかける。後はラップをして600wのレンジで4分チン。仕上げに全体を混ぜ合わせてごまを振ったら完成。仕込みが楽ってのもポイントだな、うん。今回はピーマンでやったが、他にも茄子や人参、もやし、きのこ、ゴボウ、薄切りにした蓮根なんかでやっても美味いぞ。




 

 さてさて、お次は洋酒にも合う『フルーツバター』を作ろうと思う。最近は定食屋とかレストランみたいになってきているが、ウチはあくまでもBarだからな、Bar。そういう拘りは必要だと思う。その為にもこういう洋酒に合わせた一品ってのは仕込んでおいて損はない。

《おつまみ以外にも!フルーツバター》

・無塩バター:150g

・クリームチーズ:50g

・ドライフルーツ:100g

・アーモンド(出来ればローストした物):10g

・ブランデーかラム酒:小さじ1


 さてと、まずはクリームチーズとバターを常温に戻しておく。すぐ作りたかったり寒い時期には、200wで3分位レンジでチンしてやるといいだろう。

 お次はバターに練り込むドライフルーツとアーモンドの下拵え。ドライフルーツは予めカットされたMIXを使うのが楽だが、カットされていない物を使う場合には細かく刻む。アーモンドも細かく刻んでおく。

 鍋にブランデーかラム酒と水200ccを入れ、ドライフルーツをコトコト煮込む。香り付けとドライフルーツを柔らかくする為の行程なので、焦がさないように10~15分程かけてじっくりと。ドライフルーツが柔らかくなり、水分がほとんど飛んだらOKだ。本音を言えば飲兵衛の俺としては、香り付けのブランデーをもっと多くしたいのだが、多すぎると香りがキツくて食べられない奴も出てくるから、この位で我慢している。

 煮込んで柔らかくしたドライフルーツの粗熱を取っている間に、バターとクリームチーズを練り合わせておく。人肌位の温度まで冷めたドライフルーツとアーモンドも加えて更に練る。固さの目安は少し固いカスタードクリーム位の感覚で。

 アルミ箔を広げ、真ん中に全体の半分くらいの量を棒状に乗せる。ムラが出ないように均等に包んでアルミ箔の片方をキツめに絞る。

 ゴロゴロと転がして円柱形にしたら、絞った方を下にして
軽くトントンと作業台に打ち付けて空気抜き。開けてあったもう片方も絞り、残りの半分も同じように成形。後は冷蔵庫で冷やし固めれば完成だ。冷凍保存も出来るので、パーティなんかにもうってつけだな。

 食べ方としては、ビスケットでサンドしたり、バゲットやクラッカー、トースト等に乗せて。……あ、ホットケーキとかに乗せるのも中々お洒落だな。ちょっとしたもてなしにも普段の朝食なんかにも使える一品だ。



「ンー?darling何だか美味しそうな物作ってますネ?」

「あぁ、フルーツバターだ。レーズンバターのレーズンの代わりに、ドライフルーツを使ってる」

「Oh!それは美味しそうデース!是非味見させてくだサーイ!」

「ダメだ、こいつは寝かせてからの方が美味いからな」

 幾らカミさんとは言え、俺は妥協はせんからな。

「ケチー!」

「まぁまぁ。こいつでも食って、機嫌直してくれ」

 俺はそう言って、むくれている金剛の前に小鉢をコトリと置いた。

「これは?」

「特製『砂肝の塩煮』だ。酒のツマミならこういう方がいいだろ?」

《煮込んでしっとり!砂肝の塩煮》

・砂肝:200g

・酒:大さじ1

・生姜(薄切り):1片分

※漬けダレ※

・塩:小さじ1/2

・ごま油:大さじ1.5

・みりん:小さじ1/2

・水:大さじ1

 焼いたり炒めたりすると固くなりがちな砂肝だが、煮ると固くなりすぎず、子供でも食べやすい食感になるぞ。まずは下処理から。砂肝は流水でよく洗い、半分に割る。両端の筋の部分を削ぎ落とし、酒と生姜で揉んで30分程置いておく。

 砂肝が被る位の湯を沸かし、そこに砂肝を揉み込んでおいた生姜などと一緒に投入。再度沸騰したら7分程茹でる。その際、アクが出るので気になる人は掬っておく。煮汁は使わないので、気にならない人はとらなくてもいいぞ。

 砂肝を茹でている間に漬けダレを作る。調味料をビニール袋に入れて混ぜておこう。

 砂肝が茹で上がったら、熱い内に半分か3等分に削ぎ切りにする。熱くて触れなければ、フォークなどを刺して固定して切ろう。切り終わったら冷めない内に漬けダレに放り込み、よく揉んで1時間程放置。その間に味が馴染むからな。

 これで完成だが、一晩寝かせると更に味が染みて美味いぞ。ねぎを散らしたり、わさびをちょいと乗せて食べても美味い。 
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