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ソードアート・オンライン ~気ままな風の放浪者~

作者:psyga315
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第3話 ~闇夜の恐怖~

 
前書き
第3話出来ました~コメントを持ってこ~い、もっとコメントを持ってこ~い(by聖○太子)


P.S
三点リーダ(…)って二つつけるのが出版社とかでは常識らしいね、作者知らなかったよ。


こうなったのは私の責任だ、だが私は謝らない。(by烏○ではなく作者)

ハヤテ「ナニイテンダ、フザケルナ!」

ユウキ「ウゾダドンドコドーン!」 

 
 ……【ホルンカ】の村の外れにある森……そこは一部のプレイヤー(βテスター)から[闇の森]と呼ばれている場所である。……当然、そう呼ばれるのは理由があるが、彼らはその全てを知るのはこれからである……



「……ここが例の森だな」


 先頭を歩いていたハヤテはそう言うと、その森の入り口らしき場所で立ち止まった。
当然、ハヤテが足を止めると後ろにいる姉妹……ユウキとランも足を止めた。森の入り口は薄暗く、その中からはたまに何かのうめき声が聞こえる。その声は明らかに人が発するものではないと三人は理解した。……理解したせいか、ユウキは声が響くたびにランの背中へと隠れた。


「ちょっとユウキ、後ろから服を引っ張らないでよ!」

「だ、だってぇ……変な声が聞こえるんだよ?」

「変な声ねぇ……ユウキ、もしかして怖がって」
「こ、こここ怖くなんか無いよ!!怖いわけが無いよ!!!というか姉ちゃんはさっきから足が震えてるよ!姉ちゃんが怖がってるんでしょ!!」

「そ、そんな訳無いじゃない!これはあれよ!武者震いってやつよ!」

「嘘付いたって無駄だよ!ボク知ってるんだよ?姉ちゃんがこの間の金○ロー○シ○ーでやってた○イ○ハザードを見た後、怖くてトイレに行けなかったって!!」

「にゃっ!?そ、そういうユウキだって自分の誕生日会の時に出てきた院長先生のゾ○ビマスクを見た瞬間泣き出したそうじゃない!院長先生愚痴ってたわよ!!」

「ふにゃ!?そ、そんな訳無いじゃん!そんなのデタラメだよ!!!」

「そっちこそ!!!」


「「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ……」」 




「……はぁ(先が思いやられる……)」


 突然始まった姉妹の暴露大会のやり取りを見てハヤテはそう思った。
このやり取りを見て分かるように、この姉妹は○ンビが苦手……つまりホラーやドッキリ系が苦手である。もちろんハヤテはそんな事を知ったのはこの暴露大会(仮名)を聞いたからである。面倒な事がさらに面倒で面倒になった瞬間である。


「……なぁ、早く行かない」
「「ハヤテはちょっと黙ってて!前歩いて!!」」


「……はいはい分かりましたよ」


 『面倒だ、不幸だ』そう思いながらハヤテは先頭を再び歩こうとした。
そして森の中へと足を踏み入れ様とした瞬間、その奥から再びうめき声が聞こえた。当然、姉妹はそれに反応した。その証拠に、先程まで行われていたやり取りが止まった。


「……声の主に出来るだけ遭遇したく無いなら小声で口数は減らした方が良いぞ」


「……う、うん」

「わ、分かりました……」


 ハヤテの忠告に対して、姉妹は静かな声でそう言いながら頷いた。
了承の返事を貰ったハヤテは『これで面倒事が一つ減った』……どうせモンスターを見たら叫んだりするんだろうなと焼け石に水だと知りながらそう思い、森の中へと入った。……予想が出来ていたが、やはり森の中も暗く、視界がとても悪かった。


「……やはり暗いな」


「そうだね……あっ、姉ちゃん!」

「どうしたの?」
「あの本に書いてたやつ!"あれ"を使わなきゃ!!」


「……あっ、すっかり忘れてた!!」


 ランはそう言うとメニュー画面を開いた。
そしてアイテムを収納しているストレージを開き、その中から"あるもの"を探し始めた。


「……中々見つからないわね……おまけに暗いし……」

「大丈夫か?メニューが暗いせいで見えにくいのなら俺の松明を貸すぞ?」

「あっ、ありがとうございます!」


 ランはそう言うとハヤテから"松明"を受け取った。
そしてストレージの中を再び捜索し、目的のアイテム…"松明"を手に取った。


「……見つけたわ!ユウキ!!」

「うん、早速火打ち石で火を着けるね!」


「……何だ、お前らも松明を持っていたのか」

「ええ、始まりの街でもらった"攻略本"に書いてあったので購入しておいたんです……あれ?私がハヤテさんから受け取ったこれって……」

「俺の松明だな」


「「……ええっ!?」」


 ハヤテの言葉に対し、姉妹は驚きのあまりに声を上げた。
当然、ハヤテには何が何だかさっぱりである。そして同時に『面倒事がまた増えるのか』と危惧していた。 


「ハヤテ、いつの間に松明出したの!?」

「視界が悪いと感じた時だが?」
「こ、行動が私達よりも早い……ていうか攻略本通りに松明出してたなら言ってくださいよ!」


「…何か凄く理不尽なんだが……というか"攻略本"って何だ?」


「「……えええっ!?」」


 ハヤテの言葉に対し、姉妹は再び声を上げた。
当然、ハヤテにはさっぱりである。そして当然の様に『面倒事が増えるのか』と危惧した。


「……えっと……質問なんだけど、ハヤテってβテスターなの?」

「βテスター?そんなものは知らん」


「……じゃあこの本を貰わなかった?今日の朝から【始まりの街】で無料配布されてるんだけど」

「そんなものは知らん、それは何だ?」


 姉妹の質問にハヤテはキッパリとそう答えた。
この言葉には嘘偽りはなく、ハヤテはβテスターではない。そして今日の朝に無料配布されたらしい攻略本なる本も受け取っていない……いや、そもそも【始まりの街】を昨日出た時点で貰える訳がないのだ。


「この本はね、親切な情報屋さん達が作ったんだって!」


「……その情報量は?」

「確か……第六層までって聞いたわ」


「……これこそ焼け石に水か……百層には程遠いな」


 ランの持っていた攻略本を眺めながらハヤテは言った。
……正式版となったこのSAOに、この情報はどこまで通じるか……表紙に書いてある注意書『この本はβテストの体験談によって作られています、全てが正しいとは言い切れませんのでご注意下さい』という文字を見た瞬間にハヤテは思った。


「……まあ、ある程度は参考にしておこう。これ、返すぞ」

「はーい」


「……少し留まり過ぎたな。そろそろ行動を再開しないと……!」


「……どうしたの?」


 ユウキは不思議そうにハヤテを見た。
その理由は、行動を再開しようと言い歩き始めたハヤテの足が突然止まったからだ。何が起こったのかさっぱり分からないユウキとランはしばらくハヤテを凝視した。ハヤテは足が止まった後から一つも動作が無い。そして不安になったユウキはハヤテに話し掛けようと手を伸ばした。


……その手がハヤテの肩を叩こうとした瞬間、ハヤテが動いた。


「ハ、ハヤテ!?」

「どうしたの!?」


「……見つかったか」


 突然腰に差している片手剣を抜いたハヤテの言葉に対し、姉妹はさっぱり追い付けなかった。
しかし、その言葉の意味はすぐに分かった。……突然、自分達が通る筈だった辺りからが奇声が聞こえた。その奇声は森の入り口で聞いたものと同じだが、声の大きさはその時よりも大きい……しばらくすると、声の主達が三人の前へと姿を現した。


「フシュルルルルルル……」

「……あれって……」

「……植物……?」


 奇声の主を初めて見た姉妹は静かに呟いた。
三人の目の前に現れたのは植物系モンスター……【リトルペネント】。その外見は現実に存在する捕食植物【ウツボカズラ】を胴体にし、その下部には無数の根、そのすぐ上には手の役割を勤めているような二本のツル、そしていかにも捕食生物らしい粘液まみれの口。空想上で言う怪物が三体。三人の目の前に立っている。


「……気持ち悪い……」


「……そうね……」

「そんな事を言っている場合じゃない、やるぞ」


 【リトルペネント】に驚いている姉妹を横目に、ハヤテは戦闘を始めようとした。
しかし、ユウキとランは動かない。……怖じ気づいたか。予想はしていたがこの状況では最悪だ。不運を呪いながらハヤテは二人は戦闘不能と判断し、仕方なく一人でペネント達の相手をしようと剣を構え、走り出した。ペネント達は近づいてくるハヤテに反応したのか、奇声を上げると一斉に彼を襲った。一匹はツルを伸ばし、一匹は粘液を吐き出し、一匹は口を大きく開けて接近した。


「……っ!?」


 ハヤテは即座に動いた。
先にハヤテを襲ったのは粘液、真っ直ぐに飛んでくる粘液を彼は簡単に避けた。地面に落ちたその粘液は蒸発し、それが強酸の粘液だと彼は知った。次に襲ったのはツル、そのツルの先には鋭利な刃の役割を果たす葉が付いていた。ハヤテはそのツルを紙一重で避けたが頬に切れた感触を味わい、彼のHPはほんの少しだけ減少した。


「……やはり動いてくれないか」


 ユウキとランを横目にハヤテは呟いた。
姉妹の目はハヤテを見ているが、身体は先程から動いていない。やはり怖じ気づいたのだと彼は確信した。


「まあいい……まずは一つ!」


 ハヤテは剣を構え直した。
ハヤテの目の前にいるのは口を大きく開けたペネント。ペネントはハヤテを捕食しようと近づいた。そしてハヤテとペネントの距離が狭まると、ペネントは口をさらに大きく開いた。ハヤテは剣を構えながらペネントに自分から近づいていく。


……両者がぶつかる寸前、ハヤテはペネントを避けるように横に逸れた。そして透かさず片手剣ソードスキル【ホリゾンタル】を発動した。水平に胴体を斬られたペネントは足である根を止めると上下に別れ、その後は青白く光って四散した。


「……次!!」


 ペネント一体を倒した後、ハヤテはすぐに二体目の方へと動いた。
二体目とした標的は、強酸性の粘液を吐いた【リトルペネント】。ハヤテのすぐ近くには三体目……ツルを伸ばしたペネントが健在しているが、二体目は粘液を吐き出した後に棒立ちのユウキ達の方へと向かっていた。


(……面倒だが、死んだらもっと面倒だ)


 面倒だと思いながらハヤテは二体目の方へと走っていった。
しかし、そこには二体目を迎撃しようと剣を構えるユウキとランの姿があった。……先程まで動かなかった二人が何故。ハヤテは不思議に思った。

……二人は先程まで硬直していた。その原因はもちろん【リトルペネント】の外見、そのおぞましい姿を見た事で二人は恐怖した。その恐怖はどんどん増していき、それは自分がペネントに捕食され死んでしまうというなんともけしから……恐ろしい想像を脳内に作り出してしまった。その想像により、二人は足がすくんでしまい、動けなくなった。


……しかし、二人はその恐怖を乗り越えた。それはハヤテがペネントを倒した事にあった。彼は傷ついても襲い掛かってくるペネント達を恐れなかった。そして自分達の恐怖の対象、【リトルペネント】をあっさりと倒してしまった。


 ……ハヤテがあんなに頑張ってるのに……
ユウキとランは、自分達の方へと向かっているペネントを追撃しているハヤテの様子を見て思った。無愛想なのは相変わらずだったが、その動きはとても早く必死だった。……彼は自分達の事も守ろうとしている。


「「……負けられない!!!」」


 ……自分の身はちゃんと自分で守れる。
そう強く思ったのか、それをハヤテに証明したいのか、二人は咄嗟にそう呟き剣を抜いた。そして向かってくるペネントを迎え撃った。


「コオオオオオオオオオオオオオ!」


「っ……やぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 ペネントはユウキを捕食する為に口を大きく開いていた。
それを見たユウキはさっきまでの恐怖が蘇りそうになったが、それを無理矢理押し込み、ペネントの攻撃を避けて剣を振った。……偶然にもその攻撃はウィークポイント(弱点)である胴体と根の接合部に当たった為、ペネントのHPは半分を切った上に気絶状態となった。


「……姉ちゃん、今!」

「任せて!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ペネントの後ろへと回っていたランは勢いを付けながら片手剣ソードスキル【ホリゾンタル】を発動し、先程のハヤテと同じようにペネントの胴体を上下に切り裂いた。勢いを付けたからか、上部は宙を舞い、下部は地面に倒れた後、青白い光を放ちながら四散した。


「やったね姉ちゃん!」

「そうねユウキ!!」



「……まさか、あの姉妹がな」


 姉妹を横目にハヤテがそう呟くと、彼は三体目の【リトルペネント】を倒した。
……一体あの姉妹に何があったのか。姉妹が突然戦い出した訳をハヤテは考えていた。しかし、面倒だと思ったのか姉妹の元へと辿り着いた時にはその考えは消えていた。


「あっ、ハヤテ!!」

「ふふっ、私達で一匹倒しちゃいました♪」


「……怖じ気づいていたくせに」
「「何の事だか分かんない!!」」


「……だが、動かなかっただろ?」


 ハヤテのその言葉に対し、姉妹はギクリとした。
言い逃れは許されない。姉妹にそう伝える為なのか、ハヤテは静かに二人を睨んでいた。


「そ、そんな事より!いきなり二体も相手にして疲れたでしょ?絶対に疲れてるよね!!ね!!!」

「ここからはしばらく私達が前に出るから、ハヤテは休んでいいよ!というか休むべきよ!!そうすべきよ!!!」


「……そうか、ではそうしよう」


「う、うん!そうすべきだよ!!ね、姉ちゃん?」

「そ、そうね!あんな奴の相手なんか、私達だけで十分よ!」


「……そうかそうか、じゃあ後六匹ぐらいの相手を任せるとしよう」
「「ええっ!?」」


「……あんな奴は楽勝じゃなかったのか?」


「「ぐ、ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ……」」


「まあ頑張りたまえ、はっはっはっはっは……」 


 ……まあ、さっきのような集団であれば流石に手伝うがな。
姉妹の悔しそうな、やられたという顔を見てハヤテは嘲笑っているが、内面ではそう呟いたのだった。





  
 

 
後書き
第3話完!


……って長いわ!何でこんなに書いたんだ、俺!!


ハヤテ「長い……道のりだった……」

ユウキ「頑張ったね!」

ラン「そうね、けど……一部不適切な内容があったわよね?」


……その件については私の遊び心が生んだ野心だ、だが私は謝らない。


ラン「ナニイテンダ、フザケルナ!!」

ハヤテ「オルァクサムヲムッコロス!!!」


ユウキにペロペロされしたい!!(遺言)






 
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