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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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707部分:第百四話 星の拳その一


第百四話 星の拳その一

                    星の拳
 赤い廊下を進むアイオリア。やがて玄室に出て来た。そうしてそこにはあの男がいた。
「来たな、レオよ」
「アスモデウスか」
「貴様しかいない」
 その男リゲルはこう彼に返してきた。
「このリゲルの相手はだ」
「そう言うのだな」
「如何にも。それではだ」
 早速構えに入って来た。そのうえでの言葉だった。
「レオよ、見せてもらおう」
「このアイオリアの拳をか」
「そうだ、それを見せてもらおう」
 こう彼に言うのである。
「今からな」
「そうか。今からか」
「来い」
 また言うリゲルだった。
「かつてオーストラリアでは貴様の二つの拳を見せてもらった」
「ライトニングボルトと」
 アイオリアは彼の言葉を聞いて言った。
「そしてライトニングプラズマか」
「そうだ、その二つだった」
 まずはその二つの技について話すのであった。
「だが。それは既に見せてもらった」
「確かにな」
「貴様はまだ技を持っている」
 構えを取っているアイオリアを見ながらの言葉だった。お互いに構えを取り合いそのうえで今から闘いに入ろうというのだ。激しい小宇宙が高まっている。
「そうだな」
「そうだと言えばどうする」
 アイオリアは隠すことがなかった。
「その場合はだ」
「是非共見せてもらう」
 リゲルの声にも小宇宙がこもってきていた。そしてそれは次第に狂闘士特有の禍々しく剣呑なものにまでなってきていた。その中での言葉だった。
「それをだ」
「それではだ。アスモデウスよ」
 今度はアイオリアからの言葉だった。
「俺も見るべきものがあるな」
「このリゲルの技か」
「そうだ。貴様もまたあれだけではあるまい」
 構えを取りリゲルを見据えながらの言葉だった。
「そうだな。あの技だけではあるまい」
「その通りだ。俺にはまだ技がある」
 リゲルも隠しはしなかった。その通りだというのであった。
「まだな。技がある」
「そうか。やはりあるのか」
「そしてだ」
 それについて答えたうえでの言葉だった。
「レオよ。その技でだ」
「俺をどうするというのだ」
「倒す」
 まさにそうすると。鋭い言葉で告げたのであった。
「貴様を倒すのに相応しい技だ。それでこそだ」
「話は聞いた」
 それは確かにであった。
「だが」
「だが、か」
「そうだ。このアイオリアそう容易に倒されはしない」
 こう言うのである。
「それは言っておく」
「確かに貴様を倒すことは容易ではない」
 そのことについてはリゲルもまた承知であった。隠しもしない。
「しかし。その技ならばそれも可能だ」
「俺を倒すこともか」
「その通りだ。このリゲルは八大公の一人」
 リゲルをリゲルたらしめている誇りそのものであった。それを今己から言いそのうえで誇示し己自身の士気を鼓舞させるのであった。
「アスモデウスの戦衣をまとう者だ」
「その名にかけてというのか」
「そういうことだ。それは今言った」
 声が強いものになっていた。先程よりもさらにであった。
「言葉は出すだけでは何の価値もないものだ」
「現実のものとしなければ」
「そうだ。何の意味もないものだ」
 こう言うのである。
 
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