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オズのビリーナ

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第七幕その六

「どうして出て来たのか」
「迷ったのかも知れないし」
「迷っていたらね」
「助けられるのだったらね」
「助けるのがオズの国の法律だから」
「そうしましょう」
 こうお話してです、皆はそのモグラさんのところに行きました。そのうえでビリーナがモグラさんに声をかけました。
「どうしたの、お顔を出した」
「いや、土の中を掘っていたらね」
「それでなの」
「ちょっとここに出ちゃったんだ」
「迷ってる訳じゃないのね」
「ちょっと間違えただけでね」
「来た道はわかってるのね」
「うん、引き返すよ」
 来ていた道をというのです。
「そうするよ」
「じゃあ私達は安心していいわね」
「いいよ」
 あっさりと答えるモグラさんでした。
「それでね、そういえば」
「そういえば?」
「トロット王女だね、そちらにいるのは」
 トロットを見ての言葉です。
「そうよね」
「ええ、そうよ」
 その通りとです、トロットはモグラさんに答えました。
「私はね」
「そうだよね」
「というか私のこと知ってるのね」
「僕もオズの国の住人だからね」
 それでという返事でした。
「トロット王女にキャプテンさん達のことは知ってるよ」
「私のこともよね」
「うん、ビリーナさんだよね」
 ビリーナを見て返事です。
「そうだよね」
「そうよ」
「それとガラスの猫にエリカさん」
 二匹の猫達も見ての言葉です。
「そうだね」
「見てわかるわよね」
「その通りよ」
 猫達も答えます。
「まあ私を知らないオズの国の住人はいないでしょ」
「こんな奇麗な猫はいないから」
「うん、それと」
 今度はナターシャ達五人を見て言います。
「そっちの子達は確か」
「私達のことは知ってるかしら」
「何か時々オズの国に来るっていう子達がいるって聞いたけれど」
「それが私達よ」
 ナターシャはこうモグラさんにお話しました。
「私達五人は時々オズの国に遊びに来てるの」
「それが君達なんだね」
「そうなの」
「その君達にも会うなんてね」
「思っていなかったのね」
「ちょっとね」
 実際にと答えたモグラさんでした。
「思っていなかったよ」
「そうだったのね」
「けれどここで君達に会ったから」
 それでと言うモグラさんでした。
「これで覚えたよ」
「じゃあ宜しくね」
「こちらこそね、それで皆どうしてここにいるのかな」
 モグラさんは皆にあらためて尋ねました。
「冒険だと思うけれど」
「ええ、そうよ」
 ビリーナがモグラさんに答えました。
「私達は虹色の菫の種を手に入れる為にここに来ているの」
「ああ、あの種ね」
「知ってるのね」
「この道をずっと行ったらあるね」
「その道は知ってるわ」
「そうだね、ただ最近はね」
 ここでモグラさんはビリーナにこう言うのでした。 
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