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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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687部分:第九十九話 宮殿の中へその一


第九十九話 宮殿の中へその一

                 宮殿の中へ
 インプ達の襲撃を受けるシオン。しかしであった。
 彼が右足を半歩前に出しただけだった。それだけでだ。
「うわあああーーーーーーーーーーーっ!!」
 インプ達は大きく吹き飛ばされてしまった。まさにそれだけだった。
 そのうえで派手な音を立てて地面に叩き落される。残った者は誰もいなかった。
「光速拳・・・・・・」
「いや、違う」
「小宇宙だけで」
 黄金聖闘士達でようやくわかることだった。
「それだけで倒したというのか」
「拳すら使わずに」
「流石と言うべきか」
「行くぞ」
 驚く彼等を後ろに造作もなく言う彼だった。
「戦いはこれからだ」
「は、はい」
「わかりました」
 黄金聖闘士達も驚きから我に返り応えた。
「それではいざ」
「中に」
「そして戦いに」
「行くぞ。敵はまだ多い」
 こう言ってであった。今その門をくぐった。するとまた無数のインプ達が彼等に対して襲い掛かって来たのであった。彼等にしても必死であった。
「させるか!」
「これ以上は行かせぬ!」
「教皇シオン、今こそ!」
「死んでもらう!」
 こうして再びシオンに襲い掛かる。だが今回もだった。
 その小宇宙だけで薙ぎ倒す。それで終わりだった。
「お、おのれ・・・・・・」
「何という強さだ・・・・・・」
 今中庭に入った。そこは左右対称で花が咲き壮麗ではあった。だがその彫刻はどれも猛々しく武張ったものであり緑の木々も何処か禍々しい。やはりアーレスの世界だった。
「アーレスの世界というのはこういうものですか」
「どれだけ美しい場所であっても」
「そこには破壊と流血を感じますね」
「決して落ち着けるものではない」
「人はアーレスの世界では安らぎを感じることはない」
 シオンはまた言った。
「決してだ」
「そうですね。それは決して」
「感じられることはありません」
「何があろうとも」
 それが非常によくわかるのだった。気配でだ。
 その中庭を進みさらに行くと遂に城に入った。アーレスの宮殿でもある。
 そしてだ。その前にだ。彼等がいた。
「おいおい、性懲りもなくかよ」
「蘇ってすぐか」
「貴方達も引かないということですか」
 その彼等を見て言ったのはデスマスク、シュラ、アフロディーテだった。
「まあいいさ。それならだ」
「相手をしてやろう」
「容赦はしません」
「いや、待て」
 だがシオンは前に出ようとした三人を制止したのであった。
「それには及ばぬ」
「といいますと教皇」
「ここもまた」
「教皇御自身が」
「言った筈だ。シャカ」
 名を呼ぶのは彼だった。
「ここは頼む」
「わかりました。それでは」
 シャカもそれに応えて静かに頷く。これで決まりであった。
 シオンはシャカに告げてから他の者達に対しても告げた。まさにいよいよであった。
「そしてだ。御前達はだ」
「はい」
「それではですね」
「わかるな。それぞれの相手がいる場所は」
 それはもう言うまでもないというのだった。
「私は正門から入る。御前達はそれぞれの門から入るのだ」
「わかりました」
 アルデバランが重厚な声で応えた。
「それでは今より」
「頼んだぞ。それではだ」
「わかりました、教皇」
 カミュもまさに氷の剣と化している言葉で応えた。
「では我等もまた」
「任せた」
 今度は一言であった。
 
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