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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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685部分:第九十八話 出陣その四


第九十八話 出陣その四

「世界で戦ったあれですか」
「あれがなのですね」
「その通りだ。私も気付いたのはその後だった」
 戦いの後でのことだったというのである。
「薄々は感じていたがだ」
「そうだったのですか」
「そして封印を解いて」
「そのうえで四闘神をですか」
「四闘神が復活したならばだ」
 後は玉突き的であった。アーレスへと至ることだった。
「アーレスを降臨させたのだ」
「ハーデスのいる冥界から」
「あの戦いの神を」
「それが今だ」80
 今アーレスがいるその時だというのだ。
「あちらはそれで既に勝利を収めたとさえ思っている」
「アーレスがいるだけで」
「それだけで」
「オリンポスの神々の力はまさに銀河の力だ」
 シオンの言葉は決して誇張ではなかった。
「だからこそだ」
「そこまでの力がある」
「そういうことですか」
「アーレスに対してはだ」
「どうされるというのですか?」
「一体」
 黄金聖闘士達もそれを問うのだった。
「トラキアの全ての者を倒してもアーレスがいればそれだけで蘇ってきます」
「アーレスは全てを蘇らせます」
 それもまたアーレスの力だった。アーレスはその力で己の部下を全て蘇らせることができるのだ。つまりトラキアとはまさにアーレスが全てなのだ。
「その銀河の力を持つ神をどうして倒すか」
「それですが」
「案ずるな。御前達が全て揃っているならばだ」
 話はそこからだった。
「それで大丈夫だ」
「我等が全ていれば」
「それでなのですか」
「そうだ。そして私がいる」
 次にはシオン自身であった。
「私もだ」
「では我等の力の全てを使ってですね」
「アーレスを封じる」
「そうすると」
「わかったな。ではだ」
 シオンは前を見据えていた。そのトラキアのある方をだ。
「そろそろだ」
「トラキアですか」
「いよいよ」
「見えてきますね」
「城だ」
「見るのだ」
 言ったすぐ側にであった。
「あれだ」
「何と、あれがですか」
「あれがトラキアですか」
「そうだ」
 彼等の前にだ。赤く禍々しい形をした巨大な城が見えてきた。多くの塔や天主を持っている。西欧のそれを思わせる城がそこに浮かんでいた。
「まさしくあれは」
 その城を見ながらムウが述べた。
「伏魔殿ですね。魔界にあるという」
「あの魔王の城か」
 アイオロスがそれを聞いて問い返した。
「あの城だというのだな」
「あの城には魔王はいません」
 それは間違いなかった。いるのは神だ。
「ですが。アーレスはです」
「その魔神達を統べている」
「まさに魔神の主」
「戦皇だな」
 他の黄金聖闘士達がここで言った。
「その戦皇の城か」
「あの城は」
「そうした意味でまさに伏魔殿だな」
 サガはムウの言葉をそのまま踏襲した。
 
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