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トラベル・トラベル・ポケモン世界

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22話目 古代の生命2


「こっちの方でよかったかな~?」
「……はい、この方向です」
 治安組織の男コオルがイザルに問いかけ、イザルがそれに答えた。
 日時は、グレイとイザルがプテラに襲われた日の翌朝。場所は、ヒヨワタウンに隣接する緑豊かな山。
 その山の中に、登山道を外れて歩く者が3人いた。イザル、グレイ、そして治安組織のトレーナーのコオル。
 また、グレイの横には蝶のようなポケモンのビビヨンが飛んでいる。
 コオルが先頭を歩き、イザルとグレイが後に続くかたちで3人は山を進んでいた。
「いや~、しかし君たちも大変だねえ。プテラを目撃しちゃったばかりに、案内までさせられちゃってね」
「……気にしてません」
「いや~、それにしてもさ、断ってもよかったんだよ? ぶっちゃけヒヨワタウンの安全なんて、君たちにとってはどうでもいい関係のない話…………あ、ごめん。また頼むね」
 喋っていたコオルは、行く先に野生のポケモンが立ちはだかっているのを見て、グレイとイザルの後ろに下がった。
 グレイはビビヨンに威嚇射撃を指示した。
 ビビヨンは特殊攻撃技“むしのさざめき”を、野生のポケモンの手前にある岩に向かって放った。
 巨大な音波で発生した衝撃波によって、野生ポケモンの目の前にある岩が砕けた。しかし、岩が砕ける様を見ていた野生のポケモンはそれでも退く様子を見せない。
 やむを得ず、グレイはビビヨンに指示して野生のポケモンを攻撃して戦闘不能にした。
 倒れた野生のポケモンを脇に捨て置き、3人は再び山を進む。
 再びコオルが喋り始める。
「いや~、さすが! ジムバッジ3個は格が違うね!」
「ジムバッジ3個はオレじゃなくてこいつ」
 グレイがイザルを指差しながら、うんざりした顔でそう言った。
「あれ~? そうだっけ? いやあ、僕さ、人の顔覚えるのも苦手で、名前を覚えるのも苦手で、しかもポケモンで上手く戦えないし……あれれ~? 僕、良い所無いねえ~」
 コオルの言葉に対し、グレイとイザルは何も答えない。2人とも内心では全く言葉の通りだと思っていた。



 昨日の夕方、グレイとイザルはプテラに襲われた時の状況を警察に詳しく説明した。
 ヒヨワタウン内でプテラが飛び立つその瞬間を見た者はイザルだけであり、イザルの目撃証言は警察にとって価値あるものであった。
 警察は、プテラはどこかの研究施設から逃げ出した個体であると推測し、他にも逃げ出した複数の古代ポケモンが山に潜んでいる可能性を指摘した。
 そして警察は、ヒヨワタウン周辺の安全確保のために、プテラが飛び立った場所の周辺に他の古代ポケモンがいないか調査する方針を立てた。
 プテラの目撃者として、イザルとグレイはプテラが飛び立った場所へ治安組織のトレーナーを案内することになったのである。



 そして今日の朝。
 グレイとイザルは、ヒヨワタウンで治安組織のトレーナーを務める者の1人、コオルを目撃場所へ案内することになった。
 最初グレイとイザルは、治安組織のトレーナーということで、コオルが強いトレーナーであると期待していた。
 山の中で野生のポケモンと遭遇した際、グレイとイザルは、コオルがどんなポケモンの扱いをするのか注目した。
 コオルはモンスターボールをいつ取り出したのか分からない程の流れるような素早い動作で、子猫のようなポケモンのエネコを繰り出し、エネコの“ねこだまし”で野生のポケモンを怯ませ、“うたう”で野生ポケモンを眠らせた。その手際の良さにグレイとイザルは舌を巻いた。
 しかし、コオルの手際が良かったのは最初だけであった。奇襲攻撃は成功したが、すぐに倒すことはできず、目を覚ました野生ポケモンに苦戦することとなった。一般的な野生ポケモンを相手に苦戦するコオルの姿は、とても治安組織のトレーナーには見えなかった。
 見かねたグレイは、野生のポケモンとの戦闘は自分に任せて欲しいと名乗り出た。この時点でコオルに向けられる2人の視線は尊敬の念を含むものではなくなった。
 また、このコオルという男、非常にお喋り好きで2人にしつこく話しかけてくるのであった。さらに若干天然っぽい所がある。
 見方によっては、コオルは非常に愛嬌ある男性とも表現できる。しかし残念ながら、グレイとイザルは2人とも、愛嬌というものが理解できないタイプの人間であった。
 コオルに向かられる2人の視線は、やがて冷たいものになった。



 そして現在。
 何回か野生のポケモンと遭遇しながら、山を進み続ける3人。
 コオルは相変わらず喋り続けるが、グレイとイザルは最早ほとんど反応しない。しかしコオルの喋りは、独り言の性質も兼ね備えており、反応する者がいなくても1人だけで会話が進む構造になっていた。
 グレイはコオルの言葉を聞き流し、どうでもいい事を考えながらボーっと歩いていた。
(どうせ治安組織のおっさんは戦えない訳だし、もし古代ポケモンが現れても、戦うのはオレとイザルなんだよな……おっさん居る意味なくね? オレとイザルの2人だけでいいじゃねえか……いやイザルと2人だけとか、それこそ全く意味ねえか。つまり、誰もここにいて意味のある奴はいない……? ああー……おっさんうるせえ……帰りてえ……)
 グレイはふと、隣を歩くイザルの顔を見る。
(イザルの奴……帰りたいオーラが露骨に顔に出てるぞおい! まあ、あのおっさんが表情に気づく訳ないから大丈夫か)
 3人は歩き続ける。

 やがて3人は、昨日プテラが飛び立った場所へとたどり着いた。
 周囲に凶暴な古代ポケモンがいる様子は無い。野生のポケモンがのんきに寝ている光景が、その証拠となっている。
 しかし古代ポケモンの姿は無かったが、怪しいものはあった。
「なんだろね、これ~。何の施設かな? 山の中にこんな建物があるなんて、ずっとヒヨワタウンに住んでるけど知らなかったね~」
 そうコオルが口にした。
 3人の前には、造りは簡素だがかなり最近に建てられたと思われる建物があった。時間の経過を物語るような汚れは見当たらない。
「いや~、怪しいよね、この建物。ちょっと中に入ってお話を聞いてこようかね~」
「立ち入り禁止って書いてあるけど」
 グレイは建物の入り口の看板を指でさしながら言った。
「大丈夫、大丈夫~。僕、治安組織のトレーナーだし」
「確かに」
 コオルが治安組織の者であることなどグレイはとっくに忘れていた。
(おっさん、初めて役に立ったな)
 そう思いながら、グレイは建物に入ろうとするコオルに続いた。後からイザルも入ってくる。

 施設内は電気が点いていなかった。
 朝の時間帯であり、建物の外から光が入ってくるので歩くには困らない。しかし、ここが何かしらの施設であることを考えると薄暗く、建物内で何か活動をしている様子には見えなかった。
「まあ、とりあえず~片っ端から怪しいものを探してこうか! 古代ポケモンとかが隠れてるかも知れないし!」
 流石にそれは無いだろう、と思いながらもグレイとイザルは、コオルの後についていく。

 施設内を歩くコオル、グレイ、イザルの3人は、やがて地下へと続く階段がある広い空間へたどり着いた。
 しかし、3人ともその場で立ち止まり、階段を下ることはしなかった。否、できなかった。
「あなたたち、もしかして文字が読めないのかしら? 入り口に立ち入り禁止って書いてあったでしょ?」
 地下へ続く階段の前に行く手を阻む者がいた。漆黒色の制服を着ている者が2人。男が1人、女が1人である。
 その男女が着ている制服は、グレイにとって見覚えのあるものであった。その事実を確認するべくグレイが口を開く。
「お前ら……ライフ団じゃないか?」
「ええ!? ライフ団だってぇ~?」
 グレイの言葉に反応したのは、漆黒色の制服を着た2人ではなくコオルであった。
 コオルは言葉を続ける。
「ライフ団といえば! 最近このトラベル地方で色々な騒ぎを起こしてる、今警察内で話題の組織じゃんか~!」
 コオルは漆黒色の制服を着た男女を指さして言い放つ。
「君たち! 町で古代ポケモンが暴れた事件への関与の疑いあり! ヒヨワタウンの警察署まで同行願おう!」
「言いがかりですね。断らせていただきます」
 男の方が即答した。
 コオルは負けじと言葉を続ける。
「ならば~! そこの階段で通じている地下を調べさせてもらおうかな!」
「それも断ります。何の権限があってそんな事ができるんですか?」
 言いながら男はモンスターボールを2つ取り出し、ポケモンを繰り出した。
 男の前に、ネンドールとポリゴン2が現れた。

 ネンドール、どぐうポケモン。地面タイプかつエスパータイプ。高さ1.5m。
 土偶のような形をした化け物で、8個ある目と口が顔を1周するように配置されているおぞましい外見である。
 古代の泥人形が怪光線を浴びて生命を宿したと噂されるポケモンである。

 ポリゴン2、バーチャルポケモン。ノーマルタイプ。高さ0.6m。
 体は青色と赤色で、アヒル人形のような形をしている。
 人工的に作られたポケモンである。

「地下を調べたかったら、ぼくを倒してから行くことですね。もっとも、ライフ団で戦闘員を務めるこのぼく、オコトを倒せたらの話ですがね」
 オコトと名乗ったライフ団の男がそう言い放った。
「言っておくけど、この私、ナオミも戦闘員なのよ」
 ライフ団の女の方、ナオミが続けてそう口にした。
「うむう……イザル君、グレイ君、ここはひとまず撤退しよう」
 コオルが、グレイとイザルにそう提案した。



 3人は施設の外に出た。
 ライフ団の2人は追って来る気配はない。
 イザルが不満そうな表情を浮かべながらコオルに話しかける。
「……おっさん、なんで退いたんだ? あのライフ団とかいう黒服の奴ら、地下に何か隠している様子だっただろ!? 例えおっさんが戦力外でも、俺とグレイサンなら2対2で、あいつらと戦えたぞ!」
 コオルがそれに答える。
「確かに、あの地下に何かがあるのは確実だ……しかし、ライフ団は強いポケモンを数多く所有し、実力あるトレーナーも多数抱えている危険な組織! ジムバッジを持っていると言っても、子供の一般トレーナーである君たちには荷が重すぎる!」
 さらにコオルはグレイにも視線をやりながら話を続ける。
「もうこの事件はね、単なる野生ポケモン駆除のようなレベルの話じゃないんだ。僕はこれから仲間の応援を呼ぶ。治安組織の中でも、戦いを得意とする人たちにね! 君たちは各自で山を下りてくれ。君たちほどの実力なら、この辺りの野生のポケモンに殺されることはないだろう」
 言いながらコオルは、多機能携帯端末ポケナビの電話機能を使って連絡をとろうとするが、圏外の表示が出るだけで電話ができない。
「う~ん、困ったねえ~、まさかライフ団が絡む事件だなんて思わなかったから、無線も持ってきてないし~圏外じゃない場所を見つけて連絡するしかないか~」
 そう言い残し、コオルは走りながら山の中へと消えていった。
 グレイとイザルがその場に残った。
「さあイザル、オレたちは帰るぞ。後は治安組織に任せればいいだろ」
 そう言ったグレイだが、イザルは不満気な顔をして帰ろうとしない。
 イザルが口を開く。
「……なあグレイサン。俺とアンタの2人なら、あのライフ団の2人にも勝てると思わないか?」
「ああ? お前、あいつらと戦うっての? やめとけ。ポケモンバトルと裏世界の戦いを一緒にしない方がいい」
「……その口ぶり、裏世界の戦いを知っているような口ぶりだな? アンタ、そういう戦いを経験したことがあるんだろ?」
「だったら何だよ?」
「……グレイサン、俺はポケモンバトルだけじゃなくて、ポケモンの武力行使で戦う術にも知識があるんだ。俺は将来、治安組織のトレーナーになることを目指していてな。そういう事に関しては素人じゃないのさ」
「いや、目指してるって言っても。誰に教わったんだよ、そんな事」
「……俺はな、ジムリーダーの息子なんだよグレイサン。だからポケモンに関する知識に関しては事欠かないんだ」
「ジムリーダーの息子!? ……マジか」
「……ああ」
 グレイはイザルがジムリーダーの息子と聞いて、イザルが義務教育未終了にも関わらず旅に出られる理由を察した。親の権力とコネによって、立派なポケモントレーナーになることに通じる事は何でも許されるのであろう。
「……グレイサン、俺はな、こう見えても悪事を働く奴が許せないんだ。……そして、悪事を止める力がありながら悪事を見て見ぬフリをする人間も許せないし、そういう人間にはなりたくないんだ!」
 突如、イザルがグレイに向かって頭を下げた。何事かと思ってグレイはぎょっとした。
「……頼む、グレイサン。俺と一緒にライフ団と戦ってくれ! コオルのおっさんが仲間を連れてくるって言ってたが、そんなのいつになるか分からない。奴らに逃げられてしまう! 悪が見逃されるのが俺には許せないんだ!」
 初めてこのようなイザルの姿を見て、グレイは少なからず驚いていた。
(ああ! くそっ……イザル、お前はずるくて卑怯な奴だな。普段はあんなクソ生意気な態度のくせに、ここぞという場面で殊勝な態度とりやがって……)
 グレイは少しの間、黙ったままイザルを見ていたが、イザルは頭を上げる気配がなくグレイの返答を待っている様子であった。
「ああ、分かった、分かった! 一緒に戦ってやるよ」
「……本当か!?」
「ああ。ただし1つ条件がある。一緒に戦うとは言ったが、あくまでも個人個人が自己責任でやることにしろ」
「……どういう事だ?」
「つまり、お互いを助ける義務はないって事だ。オレはヤバいと思ったらお前の事は考えずに逃げるし、お前もヤバいと思ったらオレの事は考えずに逃げろ、って事」
「……分かった、そうしよう。……そういう提案が出てくるあたり、やっぱりアンタは慣れているな」
「慣れてる訳あるかよっ!」



********



 施設内でも少し開けた広い空間にて、地下へ続く階段の前に立つライフ団の2人の男女。
 男の方がオコト、女の方がナオミである。
「治安組織のおっさん、多分仲間を連れてくると思うわ……間に合うかしらね?」
 ナオミがそう口にした。オコトがそれに答える。
「どうですかねえ? セキイシ様の進捗(しんちょく)の状況によるとしか」
 2人が会話していると、地下から階段を上ってくる者があった。漆黒色の制服の上に白衣を着た初老の男性である。
 ナオミが白衣の男性に声をかける。
「どうかしましたか? ドクター・セキイシ」
 ドクター・セキイシと呼ばれた白衣の男性が答える。
「いや、待ち時間なのだよ。データが出るのは8分23秒後だからね。少し外の空気を吸おうと出てきたのだよ」
 今度はオコトが口を開く。
「セキイシ様、最終的な結果が出るのは後どのくらいですか?」
「いや、その8分12秒後に出るデータさえまとまれば、この施設は用済みさね……この、どのくらいの質量の化石があれば古代ポケモンを復活させることができるかを調べるための施設はね」
「分かりましたセキイシ様。では、データがまとまり次第、我々もこの施設を立ち去るとしましょう」
「うむ……結局、現在のライフ団の科学力では、化石全体の質量の半分だけで古代ポケモンを復活させることは不可能、という算出に終わりそうだよ。すなわち、損傷率0%の化石を半分に割ってから復活させても2体の古代ポケモンのクローンは残念ながら得られない、ということですな」
 一呼吸おいて、再びドクター・セキイシが口を開く。
「それにしても、本当に君たちには迷惑かけているよ。本来なら他の団員みたいに昨日の時点で退避すればいいものを、私がわがまま言うせいで護衛の君たちまで付き合わせてしまってね……さっきもモニターで見ていたよ。なんか治安組織が来てたみたいだね」
 ドクター・セキイシの言葉に、今度はナオミが答える。
「治安組織の者はおそらく、我々と戦うには戦力が足りないと判断して仲間を呼びにいったと思われます。しかしデータもすぐにまとまるのであれば、治安組織が仲間を連れてここに来るまでには我々も脱出できるでしょう」
「いやいや、本当に悪いね。もしあれだったら逃げても良かったんだよ? さすがにB級戦闘員の2人じゃあ、治安組織のトレーナー複数を同時に相手するのは難しいでしょうに」
「逃げるなんてとんでもない! このリザレクション、特にあなたには恩があります。あなたの護衛を放棄して逃げるなんてあり得ません!」
「おお、そうか。ここまで忠誠心をもたれると、さすがに嬉しいねえ……おや、治安組織のトレーナーと共にいた2人の子供が施設内に戻ってきたようですな」
「え!?」
 ナオミは慌てて、ドクター・セキイシが持つモニターを見る。
「本当ね、まさか私たちを倒して地下に進む気?」
 ナオミの呟きに対し、オコトが口を開く。
「可能性はあるかと……さて、セキイシ様。我々はあの子供と戦闘になるかも知れません。もし戦闘になった場合は、戦いながらこの施設を派手に壊して逃げ道を作りますので、どうぞ先にお逃げ下さい」
 オコトの言葉にドクター・セキイシが答える。
「そうかい? 悪いねえ。部下を残して1人逃げることは、あまりしたくないけどねえ」
 オコトが言葉を返す。
「セキイシ様は、これからもリザレクションに必要なお方、そのくらいは当然ですよ」
「そうかい? そう言ってもらえると嬉しいねえ……さて、私は戻るとするよ」
 そう言い残し、ドクター・セキイシは階段を下っていった。

 ドクター・セキイシが階段を下りたのを見送ってから、オコトが口を開く。
「セキイシ様は本当にできた人間ですね。セキイシ様の下について正解でした」
「本当ね。まあ、ドクター・セキイシの下でなくとも、リザレクションはまともな人間が多いけどね」
「まともじゃないのはフェニックスだけですよ。そういえば1ヶ月くらいも前の話ですが、フェニックスの奴ら、ラッキーを強奪しようとして逮捕者が出たらしいですね」
「その話は知ってるわよ。しかも、ラッキーの強奪っていうのも何か思いつきだったらしいわね。研究にどうしても必要だとかそういう事じゃなく、なんか生きる力を分け与えるラッキーを観察すれば新たなアイデアが生まれるかも、的な」
「なるほど、その計画性の無さ、野蛮さ、頭の悪さ、まさにフェニックスらしいですね。無計画な作戦に駆り出された戦闘員がかわいそうですがね」
「ライフ団を私物化してテロリストの集団にしてしまったフェニックスの連中に同情の余地なんかないわよ。さ、2人の子供が来るわよ。準備してオコト」
「ああ、分かっていますよナオミ」


 
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