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提督はBarにいる。

作者:ごません
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出撃・礼号作戦!~作戦会議~

「失礼しま~す。偵察部隊が戻ってきたので報告に……って、何でお茶会してんですか!」

「そうですよ、私達が仕事してる時に!」

 部屋に入ってくるなり不満の声を上げたのは蒼龍・飛龍のニ航戦コンビ。食べるの大好きなこいつらからすれば、俺達がサボタージュ真っ最中に見えたのだろう。

「すまんな、バタバタしてて飯食ってない奴が居てな。ついでに腹ごしらえを、って事になったんだ。」

 不満そうにしていたニ航戦コンビだったが、先輩の加賀に席を奨められ、紅茶を出されると少しは落ち着いたようだった。

「さて、と。食いながらでもいいから報告を聞こうか?」

 先に食っていた俺達は一段落付いている。残りをニ航戦に奨めつつ、作戦会議と行こう。

「了解です。ミンドロ島周辺を哨戒した結果ですが、基本的に水上部隊はほとんどいません。……ただ、潜水艦の反応多数アリ、と。」

 ふむ。潜水艦による警戒網か。奴等の泊地建設予定地……いや、物資の集積地というべきか。そこに強襲をかけるにはまず対潜掃討をやらにゃならんという訳だ。

「ルートとしては……そうですね、この辺を基点にして、真っ直ぐ東に進むか、北に進むルートで大回りに回ってその後艦隊を反転、西に進んで湾内に突入がベストだと思います。」

 霧島と加賀が蒼龍と飛龍の話を聞きながら、海図に大まかな航路を書き込んでいく。

「でもさぁ、それだったらここのスタート地点から南東に進んで、島の周りを回り込んだ方が早くない?」

 瑞鶴が不自然な回り道をする航路を見て不満を漏らした。確かに図面だけで見ればそれが最短ルートだろうが……

「そのルートは使えないわ。島の回りは岩礁やら珊瑚礁が複雑に入り組んでるから潮の流れも早くてゴチャゴチャ。最悪座礁するわよ?いくら昔よりも小さな身体になったとはいえ、ね。」

「霞……!」

 瑞鶴が呈した疑問に的確な答えを出したのは、かつてこの海域で行われた同じ名前の作戦において旗艦を務めた駆逐艦・霞だった。つい最近大改装を受けて霞改ニとなっていた。



「私ならここの海域に通じてるわ。ナビゲーターにはうってつけじゃない?」

 成る程、要するに旗艦を直訴しに来た、ってワケだ。

「良かろう、やってみな。……皆も異論はねぇな?」

 嫁艦連中は頷いてみせる。ここからは霞にも作戦会議に参加してもらう。

「さてさて、どこまでいったかな?……あぁ、大まかな航路は決まったか。で、敵の戦力配置は?」

「えぇ……っと、こことこの辺に潜水艦の艦隊が居ました。」

「ちょうどこの辺を水雷戦隊が巡回してます。」

 粗方のポイントに印をしていく。

「あ!海域の北東と南東方面から大型の爆撃機らしき機体が飛んできてたって偵察部隊の妖精さんが言ってました。」

 爆撃機が?という事は近くに飛行場姫が潜んでやがるな、厄介な事になってきたぞ、こいつぁ。

 深海棲艦はその能力が高くなれば成る程に人型……いや、艦娘の姿に近付いてくる。その中でも抜きん出て戦闘能力ならびに知能が高い者を俗に『鬼級・姫級』と呼称している。その鬼か姫が海域を制圧すると、自分が居座る所に『巣』を形成する。基地だったり泊地のような形に見えるそこからは女王アリに仕える働きアリのように深海棲艦が産み出され続ける。『巣』を叩かない限りそれは終わらない。

「まぁ、飛行場姫は後回しだ。今の所はそっちを叩けとの命令は来てないからな。で、敵の親玉は?」

「姫級の反応は3つ。湾内の陸地に1つ……恐らくですが、これが物資の集積地と思われます。それを護るように潜水棲姫と思われる反応が。今はコイツが『巣』を形成してます。」

 潜水棲姫か。やはり対潜掃討戦になりそうだな。

「……ん?あと1つの姫級の反応は?」

「これは海域の東側から輸送艦隊と思われる一団から。水母棲姫を目視でも確認したとの事です。」

 ふむ、輸送艦隊を叩いておくべきか、最短ルートで潜水棲姫だけを叩くか。そんなに時間をかけていられる訳じゃあねぇからな。

「…よし、全員に通達!目標は潜水棲姫、輸送艦隊は牽制しつつ相手にはするな。あくまでも潜水艦の掃討を主目的として行動せよ。」

 嫁艦と霞が一斉に立ち上がって敬礼する。後は艦隊の編成と装備の選定だな。



 2時間後、艦隊の編成と装備の選定を終えた俺はそのメンバーを呼び出した。

「え~、作戦内容は説明した通りだ。君達には潜水艦の掃討戦を行ってもらう。」

霞改ニを旗艦に、夕張、鹿島、日向、大淀、瑞鳳。日向の瑞雲と瑞鳳の艦載機で制空権を確保しつつ、装備の積載数が多い軽巡を採用して対潜装備をガン積みにして敵を吹っ飛ばす格好だ。

「任せておきなさい、潜水艦なんて速攻で片付けてやるんだから!」

 気合い十分の霞。

「落ち着け、入れ込みすぎは逆に危険だ。」

 それを嗜める日向。いつも冷静沈着、こういう時には頼り甲斐がある。

「やっぱ潜水艦相手となると、私か五十鈴よねぇ~。」

 いつも通りの夕張。潜水艦の相手ばかりさせてるから慣れた物だろう。

「うふふ……提督さんっ♪」

 最近ウチに来た鹿島。何となく狙われてる気がするのは気のせいだろうか。

「では提督、そろそろ出撃しますね。」

 この面子の中では数少ない(?)真面目な性格の大淀。まとめ役、任せたぞ。

「提督、お弁当作ってきたから食べてね♪今日の卵焼きは自信作なの!」

「お、おぅ。」

 卵焼き大好きな瑞鳳。美味いには美味いんだが毎回だと辛いものがある。

「じゃ、霞。このヘッドセット付けてけ。コイツで俺とやりとりしてもらうからよ。」

 霞はヘッドホンにマイクが付いたような格好のヘッドセットを身に付けると、

「では……礼号作戦旗艦・霞!出撃します!」

 ビシッと敬礼。他の5人もそれに倣って敬礼する。さぁ、いよいよ作戦開始だ。 
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