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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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64部分:第七話 恐怖の集結その六


第七話 恐怖の集結その六

「挟み撃ちとなる。どうだ」
「成程、それは」
「確かに宜しいかと」
 ユニとリィナが話を聞いたうえで述べる。
「ではカナン様、それで」
「作戦を行われるのですね」
「ロファール、わかったな」
「はい」
 ロファールは毅然とした声でカナンの言葉に応えそのうえで頷くのだった。
「喜んで受けさせて頂きます」
「頼むぞ。御前に全てがかかっている」
「わかりました」
「他の者達は私と共に動く。いいか」
 カナンはまた五人に告げる。
「見つかればそれで作戦は失敗だ」
「失敗、ですか」
「その場合は同志達と本当に合流したうえで戦う」
 その場合の作戦も考えておいている。非常に慎重かつ理知的であると言えた。
「その場合は、だが」
「わかりました。それでは」
「その二段構えで行くぞ」
「はっ」
 五人はそれに頷く。これで話は終わりとなった。まずはカナンが告げた。
「それでだ」
「まずは私が出て」
「我々は姿を隠しつつ」
「くれぐれも慎重にだ」
 話をあえて繰り返して彼等の心に刻み込むのだった。
「わかったな」
「はい」
 彼等の作戦は決まった。それに基き作戦が進められる。しかし聖闘士達はまだそのことを何一つとして知らない。だがロファールの動きは伝わったのだった。
「ほう、あの小僧が動いたか」
「小僧ですか」
「所詮狂闘士の中で最下級の公子だろうが」
 デスマスクはそうブラウに答えていた。彼等はホテルの一室で待機していたのだ。それなり以上に立派だ。広いだけでなく絨毯もソファーも見事なものでありどう見てもロイヤルスイートだ。部屋を見る限りこれはデスマスクの為に用意された部屋であるらしい。やはり黄金ともなればその待遇はかなりのものになっている。
「そんなのを小僧って言わないで何て言うんだ?」
「それは」
「ああ、答えなくてもいいぜ」
 別にそれは求めてもいないのだった。あえて止めさせる。
「別にな」
「はあ」
「問題はだ」
 そのうえで話の本題に入るのだった。デスマスクは言う。
「あいつが何を考えて動いているから」
「何かですか」
「まず。奴等のボスは既にここにいる」
 これが前提としてあった。デスマスクはあえてそれを大前提としてきた。今いる他の聖闘士達の頭の中にそのことを刻み込むかのようであった。
「ベルゼブブのカナンが」
「そうだ。そいつはいるな」
「はい、そうです」
「それは」
 彼らもその言葉に対して頷く。確かにその通りだ。
「ただし。全員はいない」
「全員?」
「奴等は六人だけじゃないな」
「そうですか」
「ああ。それでおそらくその新手の奴等と合流する筈だ」
 その鋭い目をさらに細くさせている。明らかに考え、読んでいる目であった。
「他の狂闘士達とですか」
「そうだ。そいつが動いているのはそれだな」
「ではデスマスク様」
 すぐにゾルダが言ってきた。
「すぐに彼等を追いましょう」
「ゾルダの言う通りです」
 ゾルダの言葉にレンタスも同意して頷く。そのうえでの言葉だった。
「奴を追い新手と合流したその時に」
「まず奴等を倒しそのうえで」
「今いる奴等を倒すってことだな」
「はい、その通りです」
「それです」
 ゾルダとレンタスはそれぞれそれを述べるのだった。
「それで如何でしょうか」
「そして返す刀で残った奴等を」
「そう簡単に行くか?」
 しかしそれに異議を呈する者がいた。彼等の同僚のアッシュとブラウだった。
「罠じゃないのか」
「そうだな」
 二人はその可能性を疑っていた。この場合この読みは当たっていた。
「我々をおびき出しそのうえで」
「挟み撃ちにして倒す。よくある戦術だ」
「罠か」
「その可能性は否定できないぞ」
「その場合どうするのだ?」
 二人はこう彼等に問う。ジャミアンとディオも二人の話を聞いているうちにそれぞれ分かれていた。ジャミアンはゾルダとレンタスの慎重案に、ディオはブラウとレッシュの積極案に乗っていたのだった。そのうえで二人も議論をはじめていた。
 
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