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転入生5

作者:占い師
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転入生5

 
前書き
転入生。

千ちゃん。

つながりがありそうだ。 

 
千ちゃん・・・!どうしたの、本当のに。

声かけよう。でも!あの態度、信じられない。よく考えてみると、転入生は元ライバルだったり!?
そうだよね。きっとそうだよ。こっちに来て一回も話しかけて来なかったんだよ。
なんか、なんか、泣いてもいいんだよ。僕。
席が隣ではなくてほっとしているのかも・・・。

でも本当は・・・・・。

仲良くしたいのかな。僕が悪いって感じになっちゃう。でも、でも、・・・。

誤りに行こう。

「日直ー、前出てこい。朝の会始めるぞー」
って、なんでこんな時にー!!

「健康観察、保健係さんお願いします」
千ちゃんは保健係だ。今日は千ちゃんの番だと書いてある。
「・・・はい」
超小さな声で返事をした。やはり、元気が無い。
「隣の人がお休みの人はいませんか」
後ろの席の方はザワザワしている。声が聞こえなかったらしい。
「いないの?いるじゃん」
千ちゃんは一倉里緒の隣の席を指さした。今言った一言は聞こえたようだが、僕は納得いかない。
僕が目立つようにポーズをとっても気づかない・・・ようにしている。

二時間目が終わり休み時間になったが、千ちゃんはとても暗いので転入生とお話しすることにした。
「あ、比呂くん!一緒にお話ししようよ。っていうか、お話し作らない?」
い、いいね。
「どんなストーリーかわかる?」
僕は分からないト言った。
・・・さあ。
「題名がね、心の器っていうの」
心の器?そうか、千ちゃんのために!
ということは、綾瀬は千ちゃんと全然関係ないってことか。な~るほど。
意味ないじゃん。
「千ちゃんのために作る物語よ。きちんとした言葉使い、いいストーリーもを作るために、細かーく見て、超・・・」
綾瀬は鬼の顔になっている。僕に説教しているみたいで少し怖い・・・。
でも、綾瀬は千ちゃんのことが分かっていたんだ。嬉しい。とても嬉しい。
「頑張るよー!ってことで、宿題にしまーす」
え、まじか。きついな。
「千ちゃんのためだもの」
はいはい・・・わかったよ・・・。こいつ、張り切りすぎだな。
綾瀬はメラメラしていて、どうもついていけそうもない。いかにもやる気がある目だ。
「ちょっと、トイレ・・・」
綾瀬は行ってしまった。

超胸が緊張するー!かわいいし、僕との相性もいいし、手をつないだ時もあ・る・し!

あ、戻ってきた。
「まずは扉絵ね」
綾瀬はもしかして、絵がうまい?
色々と盛り上がってた。

その時だった。

「何か、そこうるさいんだけど。静かにしてくれる?こっち、今大事な話、してるの。あっち行って」
胡桃だ。ゲッ。ごめんなさい。うっかり・・・。
「ねえ」
綾瀬が立ち上がった。
「なによ」
「大切な話はどんな話?ウチ達はね、とっても大事な話してたの。邪魔しないでくれる?」
胡桃も立ち上がった。
「あたし達は、学力テストに向けての猛特訓をしているの。偉そうに言うじゃない、転入生のくせに」
「・・・っ!」
「あたしの学校は積極的に注意したり、厳しく過ごす事が普通になっているのよ。でもあんたら全員、ものすごくゆったりしている。これはマナーを破ったことになるの」
「・・・」
綾瀬は声が出なくなった。
「まったりゆったりしていてマナー違反する人たちは、本気で転校してほしいの。ね?比呂くん」

僕は立ち上がった。

うん。

「綾瀬さーん、転校してほしいと、比呂が言いましたよ」
「比呂くん・・・ひどい・・・」
僕はもうこうするしかなかった。

嘘。

「へ?」

「比呂くん・・・大好きです・・・」
転入生は僕に抱き着いた。顔が赤くなった僕を、胡桃は白い顔をして固まっている。

放課後になった。
もちろん転入生と帰ることになっている。
すると、綾瀬が話し始めた。
「比呂くん、さっきはありがとう。大事な秘密があるんだけど、比呂くんなら誰にも言わないよね」
そして耳元で言った。

「千ちゃんのことで、・・・・・・・・・・・・・・・・・、ね、言わないでね、誰にも」
も、もちろん・・・。

僕は本当?本当?と繰り返し言ったが綾瀬は笑顔でうん、うんとうなずいていた。

僕はそれを広めたいと思ったが、その後も言わないようにした。
 
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