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転生者物語・夜天の主とトラック運転手

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第五話

 
前書き
久々の更新です 

 

襲撃して来たミイラ軍団を撃退した後、一行はホークの家に戻って来ていた。ちなみに、ホークとランダーは私服姿に、アリアとロッテはネコの姿に戻っている。
居間に集まった彼らにホークが説明をし始めた。

「さて、単刀直入に言おう。私とランダーは地球人ではない。」

「ちゅう事は、宇宙人って事ですか?」

「そうだ。我々はセイバートロン星からやって来た超ロボット生命体トランスフォーマーだ。その中で、サイバトロンと言う勢力に所属している。数年前、我々と敵対するデストロンのデビルZを追って我々は地球へやって来た。そして、地球に住む“天使”、“悪魔”、“堕天使”と言う三つの種族と一部の人間達と協力する事で倒したんだ。」

「一部の人間達って・・・」

はやては一誠と秀太を見た。

「ああ。俺たちも手伝ったよ。」

「戦い以外の事でだけどね。でも、ジンライさんは戦っていたよ。」

「ジンライさんが!?」

秀太の発言にはやては驚愕する。すると、ホークが説明を始めた。

「ジンライは“ゴッドマスター”のトランステクターに選ばれた人間だったんだ。」

「ゴッドマスター?」

「ゴッドマスターとは、人間と一つになる事で完成するトランスフォーマーだ。普段はただの乗り物の姿をしているが、人間とゴッドオンする事で超ロボット生命体として完成する。もっとも、今は全てのトランステクターに人格が宿り、独立したがね。」

「って事は、今のジンライさんはただの人間なんですか?」

「そう言う事だ。さて、次は我々と協力してくれた三つの種族について説明しよう。」

「ええと、天使と悪魔に堕天使ですよね。ホンマに居るんですか。」

「ああ。姿を隠しているが、この惑星にはそうしたファンタジーな種族が多く存在する。その中でも、特に大きな勢力を築き上げたのがその三つだ。彼らはそれぞれ敵対関係にあるんだが、デストロンという強大な敵を前に一つとなり我々に協力してくれた。悲しい事に、デストロンを倒してからはまた互いに牽制し合う関係となってしまったがね…」

「ホークさん?」

はやてはホークが何処と無く悲しそうな様子に気付いた。だが、ホークは直ぐ表情を引き締めて説明を続ける。

「さて、次は一誠の持っている神器(セイクリッド・ギア)について説明しよう。神器とは天使を生み出した“聖書の神”が作り出した物で、様々な種類がある。その中で一誠が宿しているのは伝説のドラゴン“赤龍帝”を封印した“赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)だ。」

「伝説のドラゴン!?一誠君が!?」

友人がとんでもないものを宿していたことに驚愕するはやて。だが、その目に宿るものは直ぐに好奇心へと変わった。

「凄いやん!どんな事が出来るん!?」

「ええと、10秒ごとに自分の力を倍にしたり、仲間の力を倍にする事が出来るんだ。けど、俺が未熟なせいであんまり強くは出来ないんだ。」

はやての剣幕に押されながらも、一誠は答える。

「伝説のドラゴンか〜。ロマンがあってええな〜。秀太君は何か持ってへんの?」

「残念だけど、僕は神器は持ってないよ。」

「そうなん?」

秀太の返答に残念そうにするはやて。すると、アリアが口を開いた。

「でも、はやてには神器が宿っているニャ。」

「ホンマに!?」

それを聞いてはやては驚愕する。すると、ホークがアリアに言った。

「さて、次は君たちが説明をしてくれるか?」

「分かったニャ。」

すると、アリアとロッテの姿が猫から猫耳と尻尾の生えた人間の少女へと変化した。ただし、全裸の。

「・・・はやて。二人に服を貸してあげなさい。」

「わかったで。」




ホークに言われてはやてが持って来た服に着替えると、アリアとロッテは説明を始めた。

「見ての通り、私たちはただの猫じゃないニャ。猫又って言う猫の妖怪ニャ。」

「妖怪。この日本に古来から住んでいる種族だな。」

「そうニャ。ホントの名前は黒歌と白音って言うニャ。」

「なるほどな。で、改めて聞くけど、何であんな所で痩せ細ってたんだ?」

ランダーが聞いた。彼としては知的生命体である妖怪、それも少女が道端で衰弱していた事は謎だった。
すると、ロッテ改め白音が不思議そうに言った。

「・・・皆さんを騙していたことについては何も言わないんですか?」

「別に思わないさ。この惑星に住む多くの種族が人間と関わりを持たないようにしている事は理解しているからな。それより、説明してくれないか?」

「・・・分かったニャ。私が説明するニャ。」

少し釈然としない様子で黒歌は説明を始めた。それによれば、彼女達は両親を失い、天涯孤独の身となって彷徨っていたのだという。

「そうだったのか。」

「あの、私たちはここに居てもいいんですか?」

白音が不安そうに言った。すると、ランダーが答える。

「安心しな。俺たちサイバトロンは一度助けた奴を突き放すほど無責任じゃない。そうだろ、ホーク?」

「もちろんだとも。」

「僕もOKさ。」

「むしろ、今までペットとして扱っちゃってごめんな。」

「これは、改めて歓迎会せなあかんな。」

そして、ホークはもちろん、一誠達も黒歌達を拒絶しなかった。

「本当に、いいのかニャ?」

「さっきからそう言っているさ。さて、これからはキャットフードじゃなくて、ちゃんとした物を君たちに食べさせてあげないとな。」

「ねえホーク。学校も一緒に通えないかな?」

「それはいいアイデアだぞ、秀太。」

こうして、二人の猫又の少女がホークの家族に加わった。




数日後。仕事から帰って来たジンライはホークの家に来ていた。丁度、はやて達は学校で留守にしている。
ジンライが玄関に入ると、二人の少女が彼を出迎えた。黒歌と白音だ。彼女達は転入の手続きが済むまで、日中はホークの家で過ごしている。

「よお。お前らがアリアとロッテで合ってるよな。たしか、本当の名前は・・・」

「黒歌ニャ。」

「白音です。」

「ああ。改めてよろしく頼むぜ、二人とも。」

そうやってジンライが二人と挨拶を交わしていると、ホークがやって来た。

「よお、ホーク。聞いたぜ。はやてを助けてくれてありがとな。」

「彼女は私の家族同然だからな。当然の事をしたまでさ。」

「家族同然か・・・何か、はやての世話をしてんのは実質お前になってるような気がするな。」

「帰って来たら来たで逆に世話を焼かれているんだろう。」

「それは言わないでくれ。」

「それよりジンライ。はやて達を襲ったミイラ達を操っていたのは“異世界からの敵”と言うのは本当か?」

ジンライはホーク達に悪質転生者の事は異世界からの侵略者、派遣転生者はそれを追って来た戦士と説明してある。

「“戦士”達はそう言っていた。しかも、奴は何故か黒歌と白音の正体を知っていたらしい。そればかりか、はやての名前も知っていた。」

「今まで通り、何故か女の子の情報は色々知っていたようだな。」

「ああ…なあ、ホーク。引き受けといて何だが、これからもはやての事は頼めるか?」

「当たり前じゃないか。どうしたんだ、急に?」

「俺は仕事の関係上、あまりはやてと一緒に居ていられない。いや、一緒に居てもゴッドマスターじゃなくなった俺じゃ、はやてを守れない。だから、頼みたいんだ。」

「そう言う事か。分かった。ジンライはデビルZとの戦いで一生懸命戦ったんだ。ここからは私達に任せてくれ。」

ホークは、かつての戦いでジンライ達ゴッドマスターはもう充分戦ったと考えていた。だから、彼らの日常を守る事が、これからの自分達の役目だと言うのが、プリテンダー達の総意であった。


続く
 
 

 
後書き
次回、いよいよ原作に突入します(多分) 
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