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オズのビリーナ

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第四幕その二

「一つ思うことはね」
「一つ?」
「うん、このまま真っ直ぐにビリーナの国に行って」
 そしてというのです。
「そこまで何もないか、それかね」
「行ってからなのね」
「何もないかな」
「絶対に何かあると思うわ」
 トロットはこうキャプテンに答えました。
「私はね」
「これまでがそうだったからだね」
「だってオズの国よ」
 自分達のいる国はというのです。
「だったらね」
「何かが起こるね」
「急に思わないことが起こる国よ」
 まさにそうした国だからというのです。
「だから今回もね」
「何かが起こるね」
「そう、些細な冒険もね」 
 ちょっと行く位のものでもです。
「何かが起こって」
「それでね」
「大冒険になることがいつもだから」
「わし等の旅もいつもそうだったし」
「それはもう私もね」 
 トロットにしてもというです。
「折り込み済よ」
「ならいいよ、何があってもね」
「皆で乗り切っておきましょう」
「そうして冒険を楽しんでいこう」
「是非ね」
「まあ何があってもね」 
 ここで言ったのはエリカです。
「私がいるから大丈夫よ」
「この私がいるのよ」
 ガラスの猫も言います、二匹共堂々と胸を張って歩いています。
「何があってもよ」
「恐れることはないわ」
「猫はね、凄い力があるのよ」
 エリカが言うその力は何かといいますと。
「抜群の勘と耳と目があるのよ」
「だからなのね」
「この三つで何でもわかるから」
 それでとです、トロットにも言うのです。
「怖がることはないわ」
「何があっても」
「そう、心配しないでね」
「貴女がいてガラスの猫もいるから」
「安心してね」
 こう言うのです、そしてです。
 そのお話の中で、です。ビリーナも言います。
「何といっても私がいるのよ」
「貴女もそう言うの?」
「言うわよ、私がいて乗り越えられたピンチは多いでしょ」
「そうね、貴女も勘がいいし」
 しかもです、ビリーナは。
「肝っ玉もあるからね」
「頭もね」
 このことはビリーナ自身が言います。
「だから大丈夫よ」
「そういうのがビリーナね」
「そして私は言った通りのことをするのよ」
 それこそ絶対にというのです。
「だからね」
「安心していいのね」
「何があってもね」
 それこそというのです。
「安心していいわよ」
「それじゃあ」
「そう、普通にね」
 それこそという返事です。
「大船に乗ったつもりでいてね」
「頼りにさせもらうわね」
「是非ね」
 確かな声で、です。トロットも応えます。そしてです。
 一行はお昼御飯も食べながら先に先にと進みます、ティータイムの一服も挟んで夕暮れになるまで歩いて。
 夜になってです、晩御飯を食べますが。
 カレーを食べつつです、ナターシャは言うのでした。 
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