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オズのビリーナ

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第三幕その九

「全然」
「ははは、君達が見ているのと僕が見ているのではね」
「別ものね」
「そうみたいだね」
「ここまで違うなんて」
 それこそとです、ガラスの猫が言うことはといいますと。
「別のお家を見ている気分よ」
「それがうちだけれどね」
「いつも奥さんに立ててもらってなの」
「幸せに過ごしているんだ」
 実際にというのです。
「助けてもらってね、一人でいる時よりも」
「今の方がなの」
「ずっと幸せだよ、最高にね」
「そうなの」
「そうだよ、そしてもうすぐね」
「奥さんがココアとクッキーを持って来てくれるのね」
「ビスケットもね、果物もね」
 ご主人が植えると決めたそれもです。
「皆妻が育ててくれているんだ」
「あんたを助けて」
「そう、僕が何を植えるか決めて」
 そしてというのです。
「育てるけれど」
「奥さんはしっかりとなのね」
「その僕を助けてくれてね」
「育ててるのね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「いつもね」
「成程ね」
「妻がいつも助けてくれていて、愛してくれているから」
「あんたは最高に幸せなのね」
「かかあ天下じゃないよ」
 奥さんに立ててもらっているというのです。
「亭主関白だよ」
「私と一緒ね」
 ここでビリーナがしっかりした声で二匹の猫に言ってきました。
「将軍ご主人を立ててるのよ」
「ううん、そうなのね」
「これが」
「この人嘘を言ってないわよ」
 ビリーナはご主人のこのことも指摘しました。
「本当のことを言ってるわ」
「少なくともこの人が思ってることね」
「私達にそれを語ってくれてるのね」
「そうよ」
 間違いなくというのです。
「私にははっきりとわかったわ」
「私も意外だったわ」
 トロットも言います。
「実は亭主関白のお家だったのね」
「そういえばお母さんお家でいつも言ってました」 
 オズの国に一番近い、オズの国にその状況を反映させるアメリカ生まれのジョージの言葉です。
「お父さんはいつも好き勝手するって」
「うちもです」
 中国生まれの神宝も言います。
「お父さんが何でも決めるってお母さん言ってました」
「うちもかな」
 ブラジル人のカルロスのお家の事情はといいますと。
「お父さん結構我儘かな」
「うちの場合は」
 日本の家庭、恵梨香の場合は。
「お父さんいつもお母さんの言う様にしている様で」
「何か何処もみたいね」
 ナターシャも言います。
「実はお父さん好き勝手してるのね」
「うむ、どうも」
 キャプテンも言います。 
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