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SAO~円卓の騎士達~

作者:エニグマ
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第八十二話 アインクラッドの新たなる存在

~アーサー side~

アーサー「武器よーし。 防具よーし。 回復アイテムよーし。 食べ物よーし。 時間よーし。」

オールOKだ。

徹夜覚悟で『神龍』の所に行く準備がな。

現在金曜の夜十時。

徹夜しても土日で睡眠時間を確保する準備も出来ている。

アーサー「いざ、十層へ。」

ギルドホームから飛び出し、ちょうどイグシティの真上に来ているアインクラッドに向かう。

途中のザコモンスターなど全て無視する。
そして十数分後、開かずの扉の前に到着。

アーサー「ここも久々だな。 さて、と。」

第一の関門だ。
中に入れるかどうか分からない。

扉に手をかける。

すると扉が青白く光り始める。

第一関門クリア、と思うと同時に転送された。

神龍「久しいな。 我が力を手に入れし者よ。」
アーサー「あぁ。 久しぶり。 ってSAOの時の記憶があるのか!?」
神龍「我は我が主のお陰で記憶を失わずに済んだ。」
アーサー「その主、って、まさか。」
神龍「この世界での名はランスロットだ。」
アーサー「やっぱり茅場かぁぁ!!」

ある意味想像通りだよ!

神龍「ところで、こんな事を聞くために態々来た訳ではあるまい。」
アーサー「あぁ、あぁ、そうだった。 って言ってもお前がどういう存在なのか分からないからな。 どうしたら良いのやら。」
神龍「我は貴様等の言葉で言うところの裏ボス、という存在だ。」
アーサー「アインクラッドの、裏ボス?」
神龍「我、そして十層毎に裏ボスは存在する。 裏ボスの力はほぼ横並びだが、百層のボス以上の力を持つ。」
アーサー「マジかよ。」
神龍「さて、ここまで話したのだ。 貴様の選択を聞かせて貰おう。 戦うか? それとも退くか?」
アーサー「フン、なめんな。 勿論戦うぜ。」
アーサー「よかろう。 貴様の覚悟、我に見せてみよ! グオオォォォォォ!!!」

咆哮と共に出現したHPバーは五本、そして一本一本が長い。

そして神龍の体が雷と風だけでなく、光でも覆われる。

ALOになって属性が追加されたか。
追加されたのは光と聖属性か。

アーサー「うおおぉぉぉぉ!!」

~side out~

翌日、十三時

~ユウキ side~

ユウキ「アレ?」
ラン「どうしたの? ユウキ。」
ユウキ「あそこに居るお姉さん、ギルドの中見ようとしてない?」
ラン「本当ね。 ギルドの誰かの知り合い?」

僕と姉ちゃんがクエストからギルドに帰ってきたところで一人の女の人がギルドの中の様子を伺っているのを見付けた。

白くて長い髪で緑主体の装備だ。

ユウキ「お姉さーん。 何か御用?」
???「ひゃっ!? い、いえ! 別にSAOの解放の英雄であるキリト様とアーサー様に会いに来た等と言う恐れ多いことをしようと何てしてません!」

早口で用件を言う、もとい暴露したその女の人。

サクマ「外でコソコソと中の様子を伺っているのは誰だぁ!!?」
???「ひゃっ、ひゃい!?」
ユウキ「あ、サクマ。」
ラン「こんにちは、サクマさん。」
サクマ「おう。 お前らか。 で、コイツ誰?」
ユウキ「さあ?」
ラン「知り合いでは無いですね。」
リーファ「あっ! ルクス!」
ルクス「リーファ。」
リーファ「遅いと思ったら、そんな所に居たんだ。 入ってくれば良かったのに。」
サクマ「知り合いか?」
リーファ「うん。 SAO生還者の一人だよ。」
リズ「ついでに言うと、キリトとアーサーに様付けするくらいアンタたちの事、尊敬してるわよ。」
コジロウ「当の二人は不在ですけどね。」
ルクス「えっ!? いらっしゃらないんですか!?」
シノン「キリトはシンタロー達とクエスト。 アーサーはログインしてる事はしてるんだけど何処に居るかは不明。」
アーサー「後ろに居るけど何か?」
ルクス「わっ! わわっ! アーサー様!?」
アーサー「・・・誰?」
シリカ「SAO生還者のルクスさんです。 アーサーさんの事尊敬してるんですよ。」
アーサー「そりゃ光栄。 さてと、俺寝る。」
ユウキ「え? 何で?」
アーサー「徹夜でボス戦やったんだよ。 頼むから寝させてくれ。」

アーサーはそのまま自室に向かっていった。
確かに足取りが重いなぁ。

ラン「そう言えばサクマさんは武器の素材取りに行かなくて良いんですか?」
サクマ「現在進行形で情報収集中だ。 それより、アーサーが何のボスと戦ったか気にならないか?」
ユウキ「何のボスって、フロアボスじゃないの?」
ラン「いえ、フロアボスは次のアップデート待ちで今は戦うようなボスは居ないはずよ。」
ユウキ「あ、あぁ~! そうだ!」
リーファ「じゃあ、クエストボス?」
コジロウ「あの人がクエスト程度で徹夜するとは思いませんけど。」

う~~~~~ん。
分かんないや。

リズ「ま、起きてきたら聞けば良いでしょ。 今はそれよりも、ルクス、あんたの事よ。」
ルクス「え? わ、私?」

ー約四時間後ー

アルゴ「いや~、有意義な情報が手に入ったヨ。 特にリアルでキリトとあった事なんテ、面白イ。」
ルクス「うぅ~、あれは事故なんですって。 信じてください。」

ギルドのメンバー(特に女子)によって色々と話を聞き出されたルクスは途中参加したアルゴさんによって、もっと深いところまで聞かれた。

アーサー「くぁああ。 よく寝た。」
ユウキ「おそよー。 アーサー。」
アーサー「何だ? その挨拶。」
ユウキ「時間が遅いからおはよー、じゃなくておそよー。」
アーサー「あぁ、なるほど。」

そのままカップにコーヒー的な何かを淹れて、ソファに座った。

アーサー「で、ルクス、だっけ?」
ルクス「は、はい! 何でしょうか!?」
アーサー「初めまして、では無いな。 多分。 何処で会ったかまでは覚えてないけど。」
ルクス「そ、そうですか。」
リズ「そ・ん・な・こ・と・よ・り、徹夜で何してたのか教えなさいよ。」

如何にも面倒くさいと言いたげな表情で取り出したのは龍爪剣、抜いて机の上に置いたけど、

アーサー「これが答えだ。 リズ、鑑定スキルで見てみろ。」
リズ「えっ、あっ、分かった。 ・・・・と、何々? えっ? 何これ。」
シリカ「どうしたんですか?」
リズ「基本スペックがUPしてる。 しかも新しく光属性と聖属性の効果が追加。」
サクマ「どういう事だ?」
アーサー「俺が徹夜で戦ったのは十層の《神龍》。 かつて俺に龍爪剣を与えてくれた奴だよ。 まさか、十二時間以上も戦うことになるとは思ってなかった。」
リーファ「先輩が倒すのに十二時間もかかるボスって。」
アーサー「アインクラッドの裏ボスの一体だとさ。 十層毎に配置されていて合計で十体居るらしい。 逆に言えば裏ボスもその程度の強さと言うわけだ。」
シノン「いや、アンタが言っても説得力に欠けるんだけど。」
アーサー「まあ、俺もやっててサブの武器何本もやられたからな。 倒すのに伝説級の装備が絶対に必要になってくる。」
リズ「武器がやられたぁ!? 全部、古代級武器かそれ以上のスペック持ってたのに!?」
アーサー「まあ、それは良いとして。 アルゴ、この情報はまだ秘密にしておいてくれないか?」
アルゴ「もちろんダ。 フロアボスで手一杯のプレイヤー達が裏ボスに挑んで負けて、情報源の奴を逆恨み、なんてよくある事だからナ。 その代わりそのボスの大体の強さ教えてくレ。」
アーサー「強さはLクラスだ。 礼に四月の大規模アップデート後に実装される新マップ、何か分かったらすぐに情報流す。」
アルゴ「現時点で発見されている中、及び、考えられている中での最強クラスカ。 了解。 交渉成立だナ。」

何かギルド内でそこそこ大きめの取引が成立したような気が、

ううん、気のせいだよね!

シノン「あ、そうだ。」
サクマ「どうした。」
シノン「五月にGGOでコラボが有るんだけど、来れる?」
シリカ「コラボ、ですか?」
シノン「えぇ。 バイオハザードコラボ。」
「「「「「ば、バイオハザードですか。」」」」」
サクマ「あぁ。 毎年やってるってやつか。」
「「「「「しかも毎年!?」」」」」
シノン「前までは武器の相性もあったから参加しなかったんだけど、今年は近接戦得意なのがいるからね。 あと、スクワッド・ジャムの優勝チームとの共闘も約束出来たし。」
リズ「スクワッド・ジャム?」
シノン「GGOにおける団体戦の大会よ。 三連覇を成し遂げたのが知り合いにいるのよ。 あ、その内の一人はALOもやってるんだったわね。」
アーサー「プレイヤーネームは?」
シノン「フカ次郎、歴とした女性プレイヤーよ。」
アーサー「そいつのネーミングセンスを疑うな。 で、アルゴ、そいつについての情報ある?」
アルゴ「えぇっト、そこそこの古参プレイヤーで、結構なゲーマー。 実力もそこそこあル。 因みにリーファよりかは古参だナ。」
アーサー「へぇ。」
シノン「因みに三連覇したのはその子じゃ無いわよ。」
アーサー「誰?」
シノン「プレイヤーネーム、レン。 身長がこのくらいのオチビちゃんアバターなんだけど。」

そう言ってシノンが示したのは腰より少し高いぐらい。 本当に小さいんだ。

シノン「第一回はエムっていう男性プレイヤーと組んで優勝、第二回はフカ次郎と組んで優勝、第三回はエム、フカ次郎、そしてピトフーイっていう女性プレイヤーの四人組で優勝。」
アーサー「ふーん。 ・・・興味出てきたな。 そのコラボ、俺もコンバートして出るぜ。」

~side out~

因みにその頃、ルクスは完全に萎縮してしまい、何も喋らないまま空気と化していた。

~ランスロット side~

珍しくアーサー君からギルドで会えないかと言う趣旨のメールが来たため、ALOにダイブし、ギルドへと着いた。

ランスロット「それで、何か用かね?」
アーサー「大したことじゃ無いさ。 ちょっとばかり愚痴に付き合って貰いたいだけだ。 もちろん、タダでとは言わない。」

そう言って出したのはALO最高級の酒。

ランスロット「君が愚痴とは。 珍しいことも有るものだな。 もっと精神的に強いイメージが有ったのだが。」
アーサー「俺だってたまには愚痴くらい溢すときがあるんだよ。」
ランスロット「SAOの解放の英雄も人の子だったと言うことか。」
アーサー「茶化すなよ。」
ランスロット「さて、その愚痴の内容は何かね?」
アーサー「今日、ウチのギルドにSAO生還者のルクスっていう女プレイヤーが来た。」
ランスロット「ルクス、確か攻略組にはそんな名前のプレイヤーは居なかったはずだが。」
アーサー「あぁ。 元ラフコフのメンバーだった奴だよ。」
ランスロット「ラフコフ、復讐でもしに来たのかね?」
アーサー「いんや、アイツは元々ラフコフに入るようなプレイヤーじゃ無かったのは分かってる。 友人を目の前で殺され、死の恐怖から逃げるためにラフコフに入った。 討伐戦の時も何もせずに自分から大人しく捕まりに行ったような奴だ。」
ランスロット「ふむ。」
アーサー「今日来たときには俺とキリトを様呼びするくらいだったよ。」
ランスロット「良いんじゃないかね? 君達二人の功績が認められた証拠じゃないか。」
アーサー「まぁな。 けど、ルクスが来たお陰で、俺達、いや、俺はもっとラフコフの活動を抑えられてたんじゃないか、って考えるようになってな。 特にPohを殺すチャンスはかなり有ったのに結局、殺すはおろか、捕まえることも出来なかった。」
ランスロット「・・・」
アーサー「討伐戦の時だってそうだった。 奴と俺で一対一の勝負になった時、最後の最後で迷ったんだ。 殺すことに躊躇いを持った。 そのせいで奴は逃げ、その後もラフコフの活動が続いた。 GGOにも現れ、サクマ達に負担をかけた。」
ランスロット「私が言うべき事では無いが、人というのは、何かを手に入れる代償として何かを失う。 SAOでは三千人余りが失われたが、その代わりに生き残った者達の間に普段では決して生まれることの無い強い絆が出来た。 GGOではサクマ君達の労力が失われたが、サクマ君はシノン君という唯一無二のパートナーを手に入れた。 もし、君がPohを倒していなかったら、こうは成らなかったかもしれない。 そもそもSAOがデスゲームで無かったらこの今の状況は無かった。 人が行ったことには全て意味がある。 SAOで出来なかった事を考えるのはあの世界で死んでいった者達への最大の侮辱なのだ。 だから私達はそれを背負っていく必要がある。 特に私はな。 君はまだまだ若い。 過去ではなく未来の事を考えたまえ、青年。」
アーサー「・・・本当に考え方が達観してるよな。 前世の記憶でもあるのか?」
ランスロット「まさか。 私とて人の子さ。 少しばかり濃い人生を送ってきただけのな。」
アーサー「そうかい。 しかし、未来、か。 意識してみるよ。」
ランスロット「お役に立てた様で良かったよ。」

この後、二人で雑談をしながら飲み明かした。
明日も休みだからという理由で。

~side out~  
 

 
後書き
補足

各ボスのクラス別表示

C(初心者ダンジョン中ボス級)
C+(初心者ダンジョンボス級)
C++(初心者ダンジョンラスボス級)
C+++(初心者ダンジョン裏ボス級)

B(中級者ダンジョン中ボス級)
B+(中級者ダンジョンボス級)
B++(中級者ダンジョンラスボス級)
B+++(中級者ダンジョン裏ボス級)

A(上級者ダンジョン中ボス級)
A+(上級者ダンジョンボス級)
A++(上級者ダンジョンラスボス級)
A+++(上級者ダンジョン裏ボス級)

S(達人ダンジョン中ボス級)
S+(達人ダンジョンボス級)
S++(達人ダンジョンラスボス級)
S+++(達人ダンジョン裏ボス級)

L(レジェンドボス級)


新アインクラッドの各フロアボスが最低でもA+++クラス

スリュムがS+クラス 
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