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提督はBarにいる。

作者:ごません
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長門?ながもん?

 
前書き
 サブタイで誰がメインかバレバレになった。後悔はしていない。

※注意※
この先、長門さんがかなりぶっ壊れてます。凛々しい長門さんがお好みの方はブラウザバック推奨です。ながもんキャラでも一向に構わんッッッ!!という方だけお進み下さい。
 

 
ドーモ、皆=サン。提督デス。……なんて、ふざけた挨拶は大概にしておこう。何せ今日の『Bar Admiral』はただならぬ緊張感に包まれている。その原因は今日の昼間に遡る。

『提督、少々宜しいか?』

『なんだ?長門。改まって。』

 時刻は昼飯時。午前中の艦隊執務も滞りなく終わり、今日の秘書艦の金剛、そして秘書艦補佐の大淀と共に午後の打ち合わせをしながら昼飯を食べていた。

『oh,どうしたネ、ナガモン?いつものアナタらしくないヨー?』

 いつものハキハキとした喋り方とは対照的に、今の長門はモジモジとして歯切れが悪い。そんな怪しい態度の彼女を見て、同じく戦艦である金剛が怪訝な表情で顔色を窺っている。

『わ、私はナガモン等ではないっ!!日本の誇るビッグ7の一角、戦艦長門だっ。』

 金剛の呼び間違い、もといアダ名呼びにムキになって反論する長門。凛々しく見えて、こういう天然ぽい所がながもん呼ばわりされている原因だと思うのだが、本人の為に何も言うまい。

『そ、それよりもだっ!!……こここ、今晩店を貸し切りたいのだっ、ふ、二人きりで話したい事がある!!』

 食堂中に響き渡るような大声を出す長門。瞬間、食堂は騒然となった。

『Heyテートクー!!どういう事ネ!?わ、私という者がありながら~っ!!』

 隣に座っていた金剛に勢い良く揺さぶられる。女の子とは言え、中身は戦艦。脳がシェイクされて吐きそうになる。長門は他の提督LOVE勢や耳聡い青葉や如月等に詰問されている。お陰で午後の執務は金剛がボイコットを決め込み、まともな執務にならなかった。まぁ、なんやかんやあって、今に至る。

 幸い(?)長門はまだ来ていない。今の内に呼び出しの理由を考えてみるとしよう。一番最初に考えられたのは大勢の艦娘が考えた通り、ケッコンカッコカリの艦娘からの申し込み、通称【キュウコンカッコカリ】だ。だがしかし、長門の練度はまだ最高まで達していない。ならば、作戦にミスでもあったか。毎月特別海域に出撃し、最低3つは勲章を入手するようにしてはいるが、無理はしないように心掛けているし、艦娘達の練度は満遍なく高めている。特に問題視されるような点はない。……と思う。ではなんだろうか?ウンウンと唸っている調度その時、ドアをノックする音が。

「お、おぉ。入って来ていいぞ。」

「し、失礼するっ!!」

 やや緊張した面持ちで入ってくる長門。席に着くが、話を切り出す気配は無い。仕方がない、助け船を出すか。

「とりあえず、何か呑むか?」

「あ、あぁ。頂こう。」

 俺はそう言って、越乃寒梅をぐい飲みに注ぎ、肴に鯖の塩焼きを出してやる。俺の故郷の漁師から直接仕入れた名物だ。焼き立てで脂がブスブスと音を立てている。ご飯にも合うが、呑ん兵衛の俺としては日本酒と合わせたい所だ。

「ホレ、乾杯。」

「……ん。」

 軽くぐい飲み同士をぶつける。何ともムーディーな空間だな、と我ながら思う。いい女といい酒を酌み交わしながら二人きり。いやぁ、素晴らしいシチュエーションだ。……アレ?これマジで告白なんじゃ?そんな気もしてきた。まぁまずは、長門が自分から話し出すのを待とうか。

 鯖の塩焼きを平らげ、越乃寒梅もぐい飲みで3杯程煽った。そろそろ、魚の脂と酒で舌が回りやすくなった頃合いだろう。

「……で?相談てのは何だ?」

「あ、あぁ。実はな……」





「ギャハハハハハハ!ヒーッヒーッヒーッ!!は、腹痛い、た、助けて……!!」

「わ、笑い事ではないっ!私にとっては由々しき問題なのだ!!」

「だ、だってよぉ……!!」

 いきなり見苦しい所を見せてしまった。でも、ご容赦頂きたい。長門の相談、それは。

『ワインが飲めるようになりたい』

 だったのだ。これが笑わずに居られようか。だって、あの長門だよ?いつも凛々しく、艦隊総旗艦とか呼ばれちゃったりする長門がよ?ワインが飲めるようになりたいから協力してくれ、だって。笑い死にさせる気かっての。

「で?なんでいきなり艦隊総旗艦(笑)様は、ワインが飲めるようになりたくなったんだ?」

「そ、その……実はな……」


 数日前・居酒屋『鳳翔』にてーー…

『見てみて、長門さんよ!!』

 1人で鳳翔さんの店で刺身と酒を嗜んでいた時、後ろから第六駆逐隊の4人の声がしたのだ。

『はわわわ、1人酒なんてオトナなのです‼』

 フフフ、私がオトナか。憧れて見えるか。胸が熱いな‼最初はそう思っていたのだ。だが……

『きっと長門さんはレディーだから、色んなお酒を飲めるのよね、きっと!!』

 ん?暁よ。いきなり何を言い出す。私は確かに呑むのは好きだが、あまり多種多様な酒は飲まないぞ?

『……なら、どんなお酒を飲めるのが、暁はレディーだと思うんだい?』

『う~ん……あ、よく熊野さんや武蔵さんが飲んでるワインなんかどうかしら?』

『そうね!ワイングラスをお洒落に使いこなして飲めるのはとってもオトナな感じね‼』

『ハラショー。それは確かにレディーに見えるな。』

 な、何…だと……?私よりも熊野や武蔵の方があの幼くも可愛い彼女達の憧憬と尊敬を集めていたと言うのか……?まさか、そんな。私は足下がガラガラと崩れ落ち、奈落の底へと堕ちていくような錯覚さえ覚えた。それほどにショックだったのだ。だから、何としても私はワインを飲めるようにならなければならんのだ!!

「はぁ。」

 俺から出てきた言葉は、それだけだった。相当重症に拗らしてやがる、このながもんは。 
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