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先恋

作者:マナ
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先恋〜別れ⁉︎〜

 
前書き
こんにちは!
続編です!宜しくお願いします‼︎ 

 
「おかゆ…とかのほうが良い…よね、」
陸太は小さくそう呟き、準備を始める。ベットの上で、沙奈が怠そうに、息を荒くしているのが分かる。見ていて此方も辛い。
「沙奈さん、すぐ出来ますからね!」
冷凍庫を見ると、余ったご飯を冷凍保存していた。陸太は、其れを見て、“流石、沙奈さんだな…、”と思った。丁寧にラップに包まれた物を取り、解凍する。
(食べやすいおかゆって言えば…やっぱり卵かな?あ、そう言えば、ほうれん草って体に良いとか何とか…!)
陸太は誰に聞いたかすら覚えていない豆知識を思い出すと、沙奈の様子を見つつ、おかゆを作り始めた。
(えっと…次は…)
「り………た…くん…」
沙奈が陸太の名前を呼ぶ。陸太が返事をし、沙奈を見る、と、
「り…く…」
沙奈は眠っていた。此れで体は休まると、陸太は安堵の息を吐いた。




「…沙奈さん、」
「………ん…」
「大丈夫ですか?」
沙奈が目を開けると、陸太はそっと微笑み、
「おかゆ、出来ましたよ?食べれそう…ですか?」
沙奈は「…うん」と小さく頷いた。だが、陸太がスプーンを渡すと、やはり、沙奈の手は震えている。沙奈の様子を見に来ていて良かったと、陸太は胸を撫で下ろした。来ていなければ、無理に料理をしようとして、手の震えのせいで、火傷や火事になっていたかもしれない。
「沙奈さん、貸して下さい、」
陸太はそっとスプーンを受け取ると、おかゆをすくい、熱く、湯気の上がる其れを冷ます。
「…はい、口開けて…」
そう言うと、沙奈は何処か恥ずかしそうにモジモジとしていたが、ゆっくりと口を開け、其れを食べる。
「…美味しい…ですか?」
「…ん、おいし…」
沙奈がへにゃっと笑う。陸太は、熱で火照った顔で笑う沙奈を見て、理性だの何だのを投げ飛ばしそうになりつつも、抑え込んだ。
「…良いですか?はい、口開けて…」

少しして、沙奈の食べるスピードが落ちた事に気付いた陸太は、皿を机の上に置き、
「…無理して全部食べなくても良いですから、また、お腹が空いたら言ってください、温めます。」
そう言い、ラップで蓋をし、冷蔵庫に入れる。
「あ、そうだ、熱計らなきゃですね、体温計は何処に…」
「あそこ、に、立ててる…」
沙奈の指差す方を見ると、2つあるペン入れのうち、一方に其れが入っていた。
「あれですね、じゃあ、取り敢えず、お薬飲まないといけないから…水入れてきます。」
そう言い、陸太は立ち上がり、コップに水を入れ、薬と体温計を持ち、沙奈の所へ戻る。
「はい、お昼用は…此れですね、」
陸太は袋から薬を取り出すと、沙奈に手渡す。食べ物を食べたからか、陸太がそばにいると言う安心感からか、沙奈の手の震えは、少しばかりマシになったように感じた。
「ありがと…」
沙奈は、薬を飲み、そう言った。
「じゃあ、熱、計りましょうかね、」
沙奈は頷き、体温計を陸太から受け取る。




音が鳴り、其れを見る…と、

「…9°C近くありますね…、絶対安静です。」
陸太は人差し指を立て、そう言った。沙奈は、「う〜…」と頬を膨らませ、「…はい」と小さく返事をした。
「じゃあ、良い子で寝ててくださいね?」
「ど、何処か行くの?」
「いいえ、行きませんよ?」
「そっか、なら…良かった、」
そう言い、また沙奈はへにゃっと笑う。陸太は愛おしそうに微笑み、沙奈の頭を撫でる。
「此処にいますから、安心して寝て下さい」
「うん…」
沙奈はそっと目を閉じ、少しして、すぐに眠ってしまった。

「本当に愛しいです、大好きですよ、沙奈さん…」

陸太はそう言い、沙奈の頬にキスをした。そして、沙奈の寝顔を見ているうちに、其れにつられるように、眠ってしまった_____。




『陸太君っ!』
(…ん?沙奈さん?)
沙奈の声が聞こえる。陸太が声のする方を振り向くと、沙奈が立っていた。
(風邪は?大丈夫ですか?)
『うん、大丈夫』
沙奈はそう言い、微笑んでいる。
『風邪は…大丈夫なんだけど…』
そう言った沙奈の背後から、真っ暗な煙のようなものが、沙奈を包む。
『…もう、終わりかもしれない、』
(沙奈さん⁉︎)
陸太が沙奈の方へ走る。一向に近づけない。前に進めない。煙が沙奈を消そうとする。
(沙奈さん!沙奈さん‼︎)
『…ありがとう…陸太君……』

(沙奈さん!)
沙奈が見えなくなり、真っ暗な世界、陸太は一人、沙奈を探す…が、何処にもいない。
(沙奈さん!沙奈さん‼︎何処に…っ!沙奈さん‼︎居るんでしょう⁉︎沙奈さん!さ…なっ!沙奈ぁぁぁぁぁぁっっ‼︎‼︎)

目を開けると、沙奈の驚いた顔があった。
「り、陸太君⁉︎」
陸太の目からは、涙が溢れていた。
「ゆ、夢…か、沙奈さんと離れるなんて…馬鹿みた………」
「“沙奈さん”…だと?」

陸太が急いで声の方を見る…と、

「…大切な連絡があって来たら…生徒の靴があって、中に入ってみれば…」

それは、副担任の、神澤 明弘だった。

「…ごめんね、陸太君…バレちゃった…」

「…そん…な…」













「……もう、一緒には、居られない…」
 
 

 
後書き
うーむ…ついに、起承転結の転が来てしまいました…
他の先生に見つかるとは…何とも…、
さて、此れからどうなることやらw
此れからもどうぞ、宜しくお願いします、 
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